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#詩のようなもの
伝えるもの(短編小説)(詩のようなもの)
『あなた達、この話を後世子孫代々に伝えるのです。』
それはそれは長い長い話だった。
私たちは文字を持たずバトンのように伝承した。
ある時は間違い、ある時は入れ替わり、ある時は内容が抜けたり加わったり、、
話は次へ次へ、子孫へ子孫へ伝わる。
内容はどんどんどんどん変わるけど、子孫子孫へ話は伝わる。
どんな手段を使っても、たとえ他の種族に迷惑をかけたとしても、、
話を伝える為、
後世に
彼女は歩く、歩き続ける(短編小説)
彼女は歩き続ける。
ずっとずっと歩き続けている。
どこに向かっているのか、、
足が痛くても疲れても、それがなにかの使命だったのか、それとも単なる慈善の心だったのかはわからない。
あまりにも長い時間が過ぎてしまった。
彼女はいつから歩いているのかすら忘れてしまったのだ。
なぜ歩いているのかなど覚えているはずもなく、
彼女が向かう先々は凍て付き轟々と風が吹き、
人影はまばらで人々は静か