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怖がりなけーちゃんの話。
今日はとっても怖がりさんで学年の集団から離れたところから
じっとみていることが多い、小1のけーちゃんのお話です。
とにかく怖がりなけーちゃん。入学式はお母さんから離れられず、
ずっとだっこ、顔の表情も明らかに困っている表情。
話しかけようとしても泣きそうな顔で顔をそむけられます。
学校が始まっても口はへの字・・・。
明らかに困っている表情。今にも泣きそう。
そりゃそうですよね。知らない人、知らない場所。
怖くて仕方ない。
なんとか頼りになる大人、松本先生をみつけるも
松本先生に身体をよせてへばりついて、それでなんとか自分を保っているって感じでした。
困った表情で一週間、2週間たって。
そばにいた松本先生、
あることに気が付きました。
それは友だちが遊んでいる楽しそうな空間なら
困った表情してないんです。
誰かが近寄ると
あっちへいってと払いのけますが、
みんなの楽しそうな雰囲気は嫌じゃない
むしろ安心しているのかもと思えました。
5月の末。外がそろそろ暑くなってきて汗ばむ時期です。
みんな着替えて、外でボデイペイントをすることにしました。
汚れるのが嫌な子、興味あるけどちょっと怖い子
初めから大胆に遊べる子、みんな様々です。
身体につけても大丈夫な色とりどりの絵の具、
指の感触を楽しむために必要なトレイ、はけ、
大きな模造紙。こどもたちも、みるだけでもわくわくです。
とびきり遊んでいたのは松本先生。
子どもたちとキャッキャ言いながら
ボディペイントを誰よりも大胆に遊びます。
子どもたちもその姿に影響されて、
どんどんダイナミックに遊ぶ様子がみられてきました。
その時けーちゃんは・・というと
先生が見えるけど、簡単には呼ばれないくらい・・・の絶妙な位置でじっとみていました。
松本先生が見えるとその離れたところから、手を伸ばすしぐさをしたりしています。
松本先生、大胆に遊びながらもけーちゃんのこと気にしていて
「おーい、けーちゃん、楽しいよ」
ってアピールして、またほかの子と大胆に遊び始めます。
みんなたっぷり遊んで、さあ、絵の具でどろどろになった身体を
ホースのシャワーーで落としてきれいさっぱり。
一人、二人、こどもたちも先生も順番に教室に帰っていきます。
「ああ!!楽しかったねえ・・・」といいながら、
片付けも始まって、もうおひらきかなって感じの時に
授業を進めていた清水先生が、離れたところでじっとみていた
けーちゃんに声をかけました。
絵の具が入った小さめのトレイを見せて、先生の指でちょんちょんと絵の具にさわって、けーちゃんの手の甲にちょんと絵の具をつけました。
けーちゃんじっとみてます。
おそるおそるトレイの絵の具に人差し指をのばすけーちゃん・・・。
でも触れるか触れないか・・・のところで手を引っ込めます。
そこに絵の具でドロドロで誰かわからないくらいの松本先生がやってきました。
「おー、けーちゃん。!!」
にこにこ優しい顔、優しい声です。
まあ全身緑色の松本先生は見た目は デビルマンみたいでしたけどね。
清水先生が、松本先生の手にちょんちょんって絵の具をつけて
ほらってみせました。
すると、けーちゃんもおそるおそる、絵の具のトレイにほんの少し指を ちょん。
松本デビルマン先生の手に、チョンと触れることができました。
けーちゃん、ほんの少しにこって笑ったようにみえました。
この日はこれでおしまい。
みんながいなくなって、
静かなところで大好きな先生とならちょっとやってみてもいいのかもって
思ってくれたのかな。
そして忘れないうちにまた次の週にもう一度みんなでボデイペインティングをしました。
じゃあもうけーちゃん、やることもわかって前回よりは近い場所で スタンバイ。
みんながキャッキャ言い出したころ、また松本先生を手で呼んでいます、
今度はブルーマンみたいな松本先生がけーちゃんのところに 直接呼びに行くと、
一緒に指に塗ったり、手のひらに塗ってみたり、 すぐに活動を始めました!!
前回もみんなの活動の端っこではありますけど、、みんなと同じ時間を
過ごしたんですよね。
少しづつ。
少しづつ。
を大好きな先生と。
そうやって毎日を超えて
季節が変わって夏の終わりにもう一度ボディペインティングをしたときは
もう一回め、2回目のケーちゃんの姿ではありませんでした。
いっしょにブルーマンみたいになったけーちゃん。
いっぱい楽しめるようになりましたよ。
子どもたちがうまくいっていないように見える時間が、心を支えていたと。
その心の支えがあるからこそ、信頼関係を作っていて、ほんの少しのやってみれた。
そして、できたね!が共有できてまた、信頼関係が育ちました。
そして改めて、子どもって楽しそうな雰囲気が大好き。
人間が楽しさを求めちゃう気持って、何なんでしょうね。
学校って楽しい、学ぶって楽しい、楽しいの意味をもっと深く、もっと意味を広げて伝えていきたいな…
支援教育から楽しさを外したくない。
むしろ、もっと楽しくていい!!
ほんとの「楽しさ」の追求・・・一緒に考えていきませんか?
今日も最後までお読みくださりありがとうございました。