担任を変えてください⑤大人と子どもとのボタンの掛け違えの場合。:特別支援学校現場より
担任をかえてください!!
安くんは泣いて少しパニックでしたが、
葛藤ができるようになってきていました。
でも葛藤できなかったのは保護者の方。
お怒りで伝えてこられました。「担任をかえてください」と
やすくんの成長がみえて、今大切な時期・・・。
誠意を込めて対応していたつもりの中野先生。
言葉が足りなかったのかな。
中野先生落ち込みました。
ここで学校として
やってはいけない、いってはいけないことがあります。
それは
まず保護者の方に、共感の姿勢が大切だからと言って
前面に「保護者のかたのいうことはもっともだ」と 受け入れきってしまうこと。
「担任の○○には今後このようなことがないようよく言って聞かせます。」
「もし困ったことがあれば、私共に何なりとおっしゃってください・・」と
保護者の方の怒りが収まってくれるならと
カスタマーセンターのように安易な その場しのぎの受け答えしないことです。
保護者の方にしたら気持ちはその時は収めるでしょうが、
そのときは解決しているようにみえるでしょうが、
そもそもの問題に向き合えていません。
だってみんな気が付いている、安くんの成長、でも今のやすくんが
中野先生がいなくなったら前の安くんに戻るのも早い、、
そうしたら、指導の一貫性も積み重ねもなくなり、 安くんのイライラはどうにも止めれれなくて、
お薬飲みましょうってことになっていくことでしょう、 以前の楽しいことが大好きな安くんのかわいい様子が 減っていくことでしょう
せっかく経験できてきた達成感も減り、イライラが増えて
気持のコントロールが難しくなって これからの生活がどうなるのかな・・とも。
でも管理職も忙しさ、問題の多さの中で もめごとは悪いこと、
保護者のニーズ、早急に解決しなければと捉えて、
安君と大人の関係性にフォーカスできず、 その場の怒りを鎮めるために対応ちがち。
勘弁してよと思ってしまう。もう現場は疲れきってますからね。
だから、
管理職や周りの教員が絶対しなければならないのが
中野先生のきもちを支えること。
そして、時間をかけていいので、
中野先生とやすくんの保護者が関係が修復できるような
ストーリーを作って、そちらに導くような対応こそが必要です。
それがチームで解決するということです。
先生ともめた。
その先生とはそれで終わり。の関係性。
それは保護者のかたも 子どもの安くんと同じです。
安くんの保護者の方も もめたくてもめているわけではありません。
いままでの学校とのやりとりで、
こういうふうにするしか、自分をそして安くんを守れなかった。
支えられて修復する、やり直す、
そうやって人間関係を作っていくそんなこと、経験してこなかった。
優しい、いい言葉だけを聞いて、いつも問題を先送りにしてきた。
そのときは笑顔でなにごともないような平和にみえる毎日。
でも毎年、毎年、担任が変わって、ごくごく浅い関係でしか
過ごせてこれなかったんです。・・誰も安くんに向き合えなかった。
つまり保護者の方も痛いことを言う人の 言葉を受け入れること、
それから人間関係を修復する
プロセスを経験することが大切なんです。
保護者の方のおっしゃるとおり・・・だけでは
保護者の方も育っていきません。
ここまでにならないように、本当はもっと早い段階で
お母さんの学校に対しての土台が作りが必要だったんですけどね。
共感するだけの関係性では土台つくりにはならないのが わかっていただけましたか?
大人の痛みも伴う、でも一緒に乗り越えましょうと 一緒に向き合えるか、
そして、大人としての賢さも育てていくのです。
土台ができた保護者の方ってね、もうぶれないので、自分が幸せに生きていくためのすべを手に入れてます。 すごいよなと思うのは、自分、家族だけでなく、
周りの人を幸せにする力ももたれますね。 そんな保護者の方にが頭があがりません。
後輩お母さんの指導なんて抜群。わたしたちより、
先輩お母さんの話のほうが、 抜群によく聞きますし説得力もありますからね。
だからどれだけわたしたちがそんな保護者の方に励まされ、 助けられてきたことか・・・。
いまでもお付き合いのある保護者のかた。
あのときあんなことあったよね、なんて、話をする。お互いの近況に喜んだり、心配しあえたりそんな関係性。
担任が終わったとしても途切れないんです。 お互いの手を離さなければ。関係ってその年限りじゃないんです。 そんな関係ができたこと、幸せだなって思います。
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