レポート 「まちの野鳥サークル」
皆さまこんにちは!
学生ボランティアの吉川です!
このようにnoteを書かせていただくのは「まちの新歓」ぶりで、とてもわくわくしています!
「まちの新歓 レポート」もnoteにて公開しているので、是非お読みください!
今回は、2024年9月26日(金)に行われた、「まちの野鳥サークル」の様子を記事としたいと思います。この記事で、『あれ、野鳥の声が聴こえるな…』なんて思っていただけると幸いです!
まちの野鳥サークルについて
「私たちの住む街にはどんな生き物がいるのか?!」
市街地から近い足羽山ですが、山には木々が青々と茂っていて、沢山の生き物がすんでいます。
「まちの野鳥学サークル」では身近で自然あふれる足羽山を歩き、そこに暮らす野鳥や渡り鳥、彼らと密接に関係している木々や木の実などを双眼鏡を用いて観察します!
今回の講師出口せんせい
今回は福井市自然史博物館の学芸員である出口翔大さんにせんせいを担当していただきました!
簡潔に言い表すとすれば、
「鳥大好き少年がそのまま大人になっちゃった!鳥博士出口せんせい!」
といった感じでしょうか…
福井市自然史博物館に学芸員として勤めており、鳥類以外にも、脊椎動物も専門とされています。展示の企画・開催、標本づくり以外にも、
「みなさんに福井の生き物の面白さ、魅力を知ってもらい、地元に愛着、誇りを持って暮らしてほしい」
を信念に、野鳥をはじめとする動物の調査研究、年間約20回の野鳥観察会や講演などの教育普及活動を行っていらっしゃいます!
野鳥観察の必須アイテム「双眼鏡」の使い方
いよいよ講座スタート!まずは野鳥観察の必須アイテムである「双眼鏡」の使い方について伝授して頂きました。
1.首から下げる際は谷の方をお腹に向ける
双眼鏡は見ていないときは首から下げて持ち歩きます。その際に、よく山の方をお腹に向けて下げている方が多いようですが、実は谷の方をお腹に向け下げるのが正しい持ち歩き方のようです。
2.覗き込んで調整する
次に、双眼鏡を実際にのぞき込んで自分の目に合うように調整していきます。ここで調整をしっかりしないと、双眼鏡を正しく扱えず観察対象を見逃してしまうので、丁寧に行いました。
3.2つの輪をひとつにするように調整
双眼鏡を覗き込んだ際に、上手く調整できていない場合は、輪っかが2つに分離して見えるようになっています。
そこで、双眼鏡の開き具合を目の幅に調節し、2つの輪をひとつにします。見えているところの間に線をなくすように調整すると良いそうです!
4.ピントを合わせる
目の幅が合ったら、次はピント調節を行います。これが上手くできていないと、せっかく野鳥を見つけても、ぼやけて見えてしまいます。
ここで注意するべきことは、絶対に太陽を見ないことです。双眼鏡越しに太陽を覗くと目に悪影響を及ぼしてしまうので、双眼鏡を使って太陽を覗くことはやめましょう。
5.肉眼➡双眼鏡を覗く
目の幅、ピントの調節が終わり、次は双眼鏡を実際に使ってみました!
ここに観察のコツが詰まっていました!最初から双眼鏡で覗くのではなく、最初に見たい対象を肉眼で見てから、視線を外さずに双眼鏡を覗くことで観察対象を上手く捉えることができるそうです。
今回の講座の様に鳥を見る場合は、肉眼で鳥を見つけた周辺の枝の形を覚えて、その後双眼鏡で覗くことが大切です。
ここでのポイントは肉眼➡双眼鏡の流れが大切だということです!
野鳥観察Start!!
足羽山周辺の野鳥の説明を聞いてから、いよいよ観察がスタートしました!
僕自身、野鳥観察は初めてだったためわくわくした気持ちで一歩を踏み出しました。よく耳を澄ますと、鳥や蝉の声が聴こえてきて、とても新鮮でした。
少し歩いていくと、「キツツキ(コゲラ)」が桜の木に空けた穴を発見しました。
先ほど教えて頂いた双眼鏡の使い方を復習しながら、注意深く観察しました。
ここで出口せんせいから補足がありました。
まず、私たちがよく呼んでいる「キツツキ」という名前ですが、実はキツツキと呼ばれる鳥は日本にいないらしいです。日本にいる鳥は「コゲラ」、「アカゲラ」といった「○○ゲラ」という名前になるようです!
また、コゲラが穴をあける木は腐っている木が多いようです。今回私たちが見たのは桜の木でした。桜の木は植えられて何年も経っていることから、木の中が腐食しています。コゲラはそんな木を狙って穴をあけると解説がありました!
早速鳥とその木々に対しての詳しい補足があり、知識量に驚かされました…
しばらく進むと、「珊瑚樹(サンゴジュ)」を見ることができました!
当日は見ることができませんでしたが、「ヒヨドリ」を見ることのできるスポットとなるようです!
ヒヨドリは日本で一番多い鳥であり、渡りをすることもあれば、しないこともあるとか。花との相性がとても良い鳥で、雑食性であるため花、蜜などを食べることもあるそうです!
階段を上がって、境内の中に入ると、どこからか「シジュウカラ」の声が聴こえました。
僕は野鳥を観察するにはまず見て、鳥がどこにいるかを把握することが大切だと思っていました。しかし、せんせいの行動を見ていると、まず鳥の鳴き声を聞いて、どこにどんな鳥がいるかを把握してから観察に入っていったので、意識が違うなと感じました。
シジュウカラの姿を見ることはできませんでしたが、鳥以外にも様々な生き物を観察することができました。「オオスジアゲハ」であったり、姿は確認することができなかったのですが、「エナガ」もいたようです。
エナガといえば、北海道の雪の妖精と呼ばれる「シマエナガ」が有名です。その仲間のエナガは足羽山でも見ることができるので、足羽山に行った際に探してみてはいかがでしょうか?
また、この境内に行く前に、足羽山を散歩していた方が「イカル」がいたよと教えてくれました!
イカルは特徴的な鳴き声をする鳥で、
「コーヒーオイチー!」と鳴くようです。
当日姿を見ることはできなかったのですが、鳴き声を聞くことができたので、今度はぜひ姿を見たいなと思います!
しばらく進むと、カラスに会いました!
今回目撃することができたのは、「ハシブトガラス」です!
観察した際にはかなりリラックスした状態で、羽繕いをしている様子が見られました。逆に体が伸びていると、警戒していることがわかります。皆さんもカラスと出会ったときはじっくり注目してみてみると、カラスの感情を読み取ることができるかもしれませんね。
また、カラスは羽の汚れと寄生虫を落とす際に、アリの蟻酸を用いるようです。そのためにアリの巣をチェックしていることもあります。
上記のように、カラスはかなり頭の良い鳥として知られていますが、脳自体はそんなに大きくありません。賢さは脳の大きさに比例するともよく言いますが、カラスの場合は、大きさではなく密度が関係しているようです。
またしばらく進んだ後に、せんせいから福井県の鳥「ツグミ」についてのお話も聞きました!
ツグミが県の鳥に指定されている理由はご存知でしょうか?
元々はツグミではなく、コウノトリが指定されていました。そのためツグミは2代目の県の鳥となります!
丹南地域の方でツグミはよく食べられていたらしく、とても美味であったらしいです。今でもその地域の先輩方にお話を聞くと、ツグミが美味しいという話を聞くことができます。ツグミはシベリアからくる渡り鳥であるため、福井に訪れる際には渡りの途中となります。
そのため脂がのっている一番おいしい時期に福井を訪れることになります…
しかしツグミはあまりにも美味しすぎて乱獲されてしまったので、これ以上捕られて食べられないように県の鳥に指定したとの事です。
近年では我々人間があまりにも鳥を乱獲し、食べ過ぎてしまったため、渡りのルートを変える鳥も出てきたようです。我々の行動一つで生き物の生活の形も変わってしまうということを自覚しないといけないなと感じました。
県の鳥が美味しすぎたから指定されるなんて、予想外の理由でしたね!
足羽山を一通り歩き、折り返し地点に来ました。
小休憩の時に先生の帽子についている鳥、「ノジコ」について聞きました!
ノジコは福井県ととてもゆかりのある渡り鳥のようです。
ノジコはフィリピンから渡ってきて、本州でしか子育てをしない渡り鳥です。波状に飛ぶことで体力を温存し、長距離飛ぶことを可能としているようです。そして何故福井県とゆかりがあるかというと、渡りの中継地が福井県敦賀市にある中池見湿地だからだそうです!
そのため出口せんせいは3代目県の鳥が決められる時があれば、ノジコを推したいと意気込んでいました!
鳥の視力についても意外な知識を教えて頂きました!
我々人はRGB(赤緑青)の3原色が目に見えます👀
しかし鳥は4原色だそうで、人間の色覚に加えて紫外線が見えるそうです!そのため人が見ている世界と鳥が見ている世界は違うようです。
4原色の世界は想像が難しそうです…
帰りは野鳥観察から足羽山の野草観察まで広がりました!
・シロダモ
シロダモは葉の裏が白くなっていて、とても良い香りがします!私もひとつ手に取って匂いを嗅いでみました。葉をよく揉むと匂いが出るらしいです!
・ハゼノキ
こちらは油分を多く含む葉で、鳥がよく好んで食べるらしいです!
・クサギ
クサギも独特な匂いのする葉で、揉むとよく匂いが出るそうです。僕が感じたのは、ポテトチップスに近い匂いです!他にはジャーマンポテトと答える人もいるみたいで、ポテト系の匂いに近いようですね。
葉だけではなく花も良い匂いがしました!
・クマノミズキ
先ほど説明したように、鳥は視力が人間と異なり、4原色で見えていると言います。そのため、クマノミズキは鳥にしか見えない色覚になっており、鳥が寄ってくるようです。これを2色効果というようです!初耳でした👂
帰ってきて感想シェア
足羽山をぐるっと一周して、自然史博物館の前に戻ってきました!
参加した全員で感想をシェアしました!
との感想を頂きました。
僕は野鳥観察と言うとまずは目を凝らして鳥を発見するところから始まると思っていたので、最初は耳を澄ませて鳴き声を聴くことが大切ということに驚きました!
他の参加者の方も仰っていましたが、普段は背景として見ている木々や鳥達も、注目してみることで新たな発見があると感じました。
最後に
見慣れた足羽山でも、じっくり見ることによって新たな発見があったり、野鳥だけでなく足羽山全体の生態系を知ることでより深く理解できたりするようになったと思います!
「まちの野鳥サークル」にご参加頂いた皆さまありがとうございました!
レポートは以上になります!
前回の「まちの新歓」レポートに引き続き拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
また皆さまに他の学科でお会いできるのを楽しみにしております!
学生ボランティア 吉川
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