大海を知った蛙は、果たして幸せなのか。

「井の中の蛙大海を知らず」という言葉がある。

井戸という狭い場所にとらわれている蛙は、外の世界(海)を知らない。

井戸という小さな世界の中だけで物事を考えるため知識や経験が少なくそして外の世界を知らないので、外から見ると雑魚みたいなまあざっくりそんな意味だ。

しかしある日、蛙は井戸へ出て外の世界を見た。見たことない景色、見たことない生き物、見たことない建物。蛙は自分の無知を恥じた。

「今までの自分はなんだったんだ?」
「こんな小さな世界にいてられない」
「俺は上を目指す」

蛙は世界へと跳んだ。

そして蛙は朽ちた。

飛び出した新しい世界は、その蛙が勝ち残るにはあまりにも過酷だった。

心を、身体を、それ以外の全てもボロボロに朽ちた。

世界を諦め、元いた場所に戻る蛙。

井戸から覗いたそこには、かつて共に過ごした蛙が楽しそうに暮していた。彼らは外の世界を知らないし、そしてこの先知ることもないかもしれないが、上から覗くその蛙よりは幸せに見えた。

これは大海を知った蛙の物語。

お金がなさすぎて死にそう(死にそう)