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②.調剤 (処方箋の種類や優先順位)
さて、今回は調剤編ですが、調剤は以前に説明した、錠剤などの計数調剤や外用剤、散剤、水剤、軟膏などがあります。
①薬歴チェックで確認した処方箋は確認済みの処方箋置き場に置かれます。それを調剤担当が調剤する形です。
今回は調剤でも処方箋の種類や、優先順位について触れていきたいと思います。
まずどこの病院もこの対応をしているかはわかりませんが、当院で処方箋は以下の種類があります。
1.緊急処方
2.臨時処方
3.持参薬処方
4.退院処方
5.院内処方
6.院外処方
他、実施済み処方(処方は少ないので説明は省きます)
まず1.緊急処方ですが、当日分の処方のみ入力可能な処方箋です。緊急処方という名前ですが、正直なところそんなに緊急ではないです。ただ比較的病棟看護師から薬をくださいと言われることが多いので早めに調剤します。
次に2.臨時処方は急ぎではない処方です。緊急処方とあまり区別はないですが、臨時処方は翌日以降も処方できるという違いはあります。あまり先の処方が印刷されても変更される可能性もあるため、こちらで処理しない限り処方箋は出ません。なので薬剤部で処理しなければ医師は処方修正可能なのです。緊急処方はすぐに処理されてしまうため医師は変更する際は薬剤部への連絡が必要になります。これが大きな違いでしょうか。比較的普段内服している薬などが処方されるため処方内容は重めです。調剤の優先順位はかなり低めになります。
3.持参薬処方は聞きなれない方も多いのではないでしょうか。採用していない病院も多いかと思います。これは患者さんが持ってきた持参薬のうちどれを使うかを処方するものです。つまり使用する薬剤は患者さんが持ってきた薬なので調剤は致しません。たまに看護師さんから「薬まだですか?」 といわれたりもします。持参薬を使用する際は普段病院で使い慣れていない薬を使用するのでインシデントも多くなりやすいので看護師さんも要注意です。
4.退院処方ですが、退院時に患者へお渡しする処方です。上記との大きな違いは7日以上処方可能なことです。最大で90日分処方されます。優先順位的には当日分だったらダントツに高いです。翌日分ならかなり低めになります。
5.院内処方は今までの1~4も、もちろん院内処方なのですが、明確に分けているのは院内で処方するけど、入院患者じゃない患者に処方するものです。例えば、救急外来で来た患者への処方(当院では夜間院内で薬をお渡ししています)。また外来が遅くなり、院外の薬局が閉まってしまって調剤してほしいと依頼された時などはこの処方を使います。もちろん処方日数も90日分まで可能です。他には職員で薬をもらいたいときはこの処方を使用します。
そして最後に6.院外処方ですが、これは外来患者への処方箋です。基本的には調剤薬局などへ持っていかれる処方です。これに関しては当院薬剤部は関与しません。ごくまれに対応することもありますが。最近では検査値を院外処方へ載せている医療機関も増えてきたそうです
以上が病院内で使用している処方箋の種類です。知らなかった方は意外と多いと思われたのではないでしょうか。
調剤とは少し離れてしまって申し訳ありませんが、処方箋置き場は優先順位をつけるために、当日分と明日分で分けています。
特に優先順位をつけるなら以下のようになります。
退院処方(当日) > 院内処方(救急外来) > 緊急処方 > 臨時処方(当日) >退院処方(翌日以降)・臨時処方(翌日以降)>>>院内処方(職員)
最後に、
調剤はスピード勝負です。特に朝は退院患者も多いので急いで調剤しないとパンクします。なので薬の場所の把握や優先順位をつけて仕事をすることが重要になります。
少しでもこれから薬剤師になる薬学生の参考になればと思います。一般の方もそんな風にやっているんだと思っていただけると嬉しいです。
是非今後も見て下さい!
次回「 3.監査編 」
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