【医療従事者必見】コロナウイルスに使用する薬 アビガンについてシンプルに解説 話題の薬について知ろう
コロナ患者に用いられる薬は限られています。そのほとんどは本来別の用途に使用される薬です。
その中で有名なのはアビガンと呼ばれる薬です。
アビガンがどんな薬なのか紹介していきます。
1.アビガンとは
商品名 :アビガン
一般名 :ファビピラビル
薬効分類:抗インフルエンザウイルス剤
アビガンは現在コロナ患者に使用できる薬の中で内服薬で比較的簡易に服用できる薬です。
もともとはインフルエンザに対する薬ですが、コロナにも効果があるだろうと言われて使われた薬です。
2.用法は?
アビガンの添付文書では
「1日目は1回1600mg(8錠)を1日2回、2日目から5日目は1回600mg(3錠)を1日2回経口投与する。総投与期間は5日間」
となっていますが、これはあくまでインフルエンザ患者に対する用法です。
添付文書に記載されていないので勘違いしてしまいそうですが、コロナ患者に対する用法はこちらです。
「1日目のみ1回1800mg(9錠)×2回、2日目以降は1回800mg(4錠)×2回で、最長14日間、経口投与する。」
これが正しい用法。インフルエンザの用法より投与量を増やし、投与期間も長いです。投与期間はあくまで最長なので症状が改善すれば短くもなります。
3.使用してはいけない人は?
アビガンには使用してはいけない患者はいるのでしょうか?
絶対に禁忌となるのは2パターンです。
1.アビガンに対して過敏症の既往がある患者
2.妊婦、またはその可能性のある患者
これは絶対に使用してはいけない患者です。過敏症、いわゆるアレルギーがある患者は当然ですね。
妊婦さんではなぜだめなのでしょうか?
これはほとんどの抗ウイルス薬でもそうなのですが、催奇形性があるためです。催奇形性とは生まれてくる子供に奇形が生じてしまう可能性があるということです。
他にも、男性では精液中に薬が移行することから、男女とも投与中、投与後7日間は性交渉はしないこととなっています。
また尿酸値を上昇する可能性があるため痛風・高尿酸血症の患者では慎重投与となっています。
※授乳中は授乳を中止する必要があります。
4.副作用は?
どんな薬にも副作用はありますが、重篤な副作用としては以下のものがあります。
ショック、アナフィラキシー、肺炎劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性腎障害、白血球減少、好中球減少、血小板減少精神神経症(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)、出血性大腸炎
これらは起きてしまった場合、重篤な病気となってしまうため、注意が必要ですが、頻度として高いわけではありません。
次に頻度の高い(1%以上)副作用としては
1.肝機能障害
2.好中球、白血球の減少
3.下痢(4.79%)
4.血中尿酸増加(4.79%)、血中トリグリセリド増加
このなかでも特に下痢、尿酸増加は頻度が高く注意が必要ですね。
また、あくまでもこの副作用はインフルエンザの用法での副作用なので、コロナの用法では頻度が変わる可能性は大きくあると思います。
5.作用機序は?
「細胞内でリボシル三リン酸体(ファビピラビルRTP)に代謝され、ファビピラビルRTPがインフルエンザウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている。」
と添付文書上はなっていますが、コロナウイルスの場合もおそらく同様な作用機序ではあると思います。
つまりコロナウイルスの増殖を抑えて、その間に自分の免疫でウイルスをやっつけようという感じですかね。
6.値段は?
値段はまだ決定していません。現在は数にも限りがあるため、必要な医療機関に分配していると思われます。等しく医療が受けられるように高額になることはないと思われます。
7.効果は?
コロナウイルスの治療薬としては有効性と安全性が確立されていないというのが現状です。効くといったり、効かないと言ったり正直どちらかはわかりませんが、何もしないよりはいいというぐらいで使用している気がします。患者としても何もしないより、薬があった方が安心はしますよね。 前に病院で「何にもしないのに、なんで入院させられているんだ!」なんて怒った患者もいたとか。
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