![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69592049/rectangle_large_type_2_d72fd85874fa115df43311382efaaede.jpg?width=1200)
飲むコロナの治療薬「モルヌピラビル」とは?
最近新型コロナウイルスの新しい変異ウイルス、オミクロン株の感染が国内をにぎわせていますね😭
そんな中、アメリカの製薬大手メルクが、新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」の日本国内での使用を認めるよう厚生労働省に承認を申請。
「モルヌピラビル」について簡単にまとめてみました。
※音声・動画で見たいよという方はyoutube動画を記事下に設置しています。
1.基本情報(添付文書より)
商品名:「ラゲブリオカプセル200㎎」
一般名:「モルヌプラビル」
分類 :抗ウイルス薬
貯法 :室温
効能 :SARS-CoV-2による感染症
※注意 重症度の高いSARS-CoVには安全性が確立していない
用法 :18歳以上の患者には、1回800mgを1日2回、5日間経口投与
※注意 早期に開始することが望ましく、発症6日以降に開始して有効性を裏付けるデータなし
禁忌 :1.過敏症の既往歴のある患者
2.妊婦または妊娠している可能性のある患者
動物実験において胎児毒性が認められている →発育遅延
授乳も、中止検討
18歳未満の小児に対する臨床試験なし
副作用:下痢・悪心・頭痛・浮動性めまい(1%以上5%未満)
※添付文書をまとめるとこんな感じでした。
自分が思うところは、室温保存でよかった😌 レムデシビルみたいに冷凍なんて言われたらめんどくさい💦
あとは軽症、中等症の治療だということですね。
2.作用機序
簡単に言うとコロナウイルスが細胞内で増殖するのを抑制します。ウイルスの増殖に必要な酵素の働きを抑える働きをします。
正確には・・・
モルヌピラビルはプロドラッグであり、NHC(N-ヒドロキシシチジン)に代謝され細胞内に取り込まれた後、活性型であるNHC-TPにリン酸化される。NHC-TPがウイルス由来RNA依存性RNAポリメラーゼによりウイルスRNAに取り込まれた結果、ウイルスゲノムのエラー頻度が増加し、ウイルスの増殖が阻害される。
3.有効性
有効性はおよそ30%と言われています。
約1400人を対象にプラセボとモヌルプラビル投与群に分けた結果、入院、死亡の割合が約30%低下したとのこと。副作用の割合もプラセボ群とモルヌプラビル投与群で変化なかったとのこと。
内服という形で手軽で30%も重症化を防げるのならかなりいいですね🥰
4.投与が推奨される患者
モルヌピラビルを投与時の注意事項(COVID-19に対する薬物治療の考え方 第11版)
①臨床試験における主な投与知見を踏まえ、SARS-CoV-2 による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者に投与すること。
②本剤の有効性・安全性に係る情報は限られていること等を踏まえ、1)の「重症度リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者」としては、臨床試験における選択基準等に基づき、次に掲げる重症化リスク因子を有する者が、本剤を投与する意義が大きいと考えられる。
・61 歳以上
・活動性の癌(免疫抑制又は高い死亡率を伴わない癌は除く)
・慢性腎臓病
・慢性閉塞性肺疾患
・肥満(BMI 30kg/m2 以上)
・重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
・糖尿病
・ダウン症
・脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
・コントロール不良の HIV 感染症及び AIDS#
・肝硬変等の重度の肝臓疾患
・臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植
5.お値段は?
現在薬価はついていません。まだ不明ですが、しばらくは国からの供給で、無料になるのではないでしょうか?
変更等あったらすいません💦
レムでシビルも最初は国からの供給でしたが、最近は卸から入手できるようになりましたからね。一部の施設や人が買い占めないように配慮されているんですね。
6.投与前の注意点
あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与すること。
忘れてしまいそうですが、文書での同意が必要ですね!
「医師からコロナの飲み薬でました、どうぞ!」というわけにはいきませんね。
またカプセルがかなり大きく1回に4Capなので飲むのが大変かと思いますが、脱カプセルはデータなくだめ
症状がないからと途中で内服をやめてもいけません。最後まで飲み切るように説明しましょう。
7.オミクロン株への影響は?
現在臨床試験は行われていないので不明です。ですが、前臨床試験においてオミクロン株(B1.1.529)に対する抗ウイルス効果は認められているとのことでした。
作用機序から考えても、変異株はウイルスの表面スパイクの変異なので、関係はなさそうですね。
8.まとめ
・モルヌプラビルは新しいコロナウイルスの内服治療薬
・発症5日以内の内服が必要で、できる限りの早期開始が望ましい
・軽症~中等症に対して重症化のリスクを軽減
・軽減できるのは約30%
・用法は1回800mgを1日2回、5日間経口投与
・禁忌は妊婦・過敏症
・作用機序はウイルスの増殖抑制
・お値段不明
・オミクロン株への有効性は現状はないと考えられる
・文書での同意を忘れずに
youtube 動画バージョン
以上参考になったら嬉しいです😄
お役に立ちましたら、フォロー、いいねよろしくお願いいたします😌
★参考★
ラゲブリオ添付文書
COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 11 版
いいなと思ったら応援しよう!
![病院薬剤師 くすり@ふくろう×いるか](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70978747/profile_dd3a54d00a3c9fef0371965cb703be42.png?width=600&crop=1:1,smart)