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認定スクラムマスター(CSM)取得までの過程と学び

みなさん、こんにちは☀

私は、現在noteでエンジニアリングマネージャーとしてエンジニアリング組織全体の組織マネジメントをメインとして活動をしています。スクラムマスターとして活動しているわけではないのですが、この度、認定スクラムマスター(CSM)の資格を取得する決意をし、無事に取得することができました!

本記事では、資格取得までの過程と学びを話していきます。
認定スクラムマスター(CSM)に興味のある方にとって少しでも参考になればと思います。

※余談ですが、noteには資格取得補助も含めた「テックチャレンジ」という福利厚生があります。

認定スクラムマスター(CSM)とは

認定スクラムマスター(CSM)は、Scrum Allianceが提供するスクラムマスターの資格です。この資格は、スクラムの基本的な知識と実践スキルを証明するもので、アジャイルな思想の理解にもつながります。

資格取得を目指したきっかけ

端的に言うと、型通り(守破離の守)のスクラムを学び、実際に経験することで、

  • 不確実性の高いプロダクト開発における価値提供の高速化

  • チーム(組織)の自己組織化

に繋がる知見が得られるといいなというのが大きなモチベーションでした。

研修の申し込み

認定スクラムマスター(CSM)の資格を取得するためには、まず認定スクラムトレーナー(CST)による研修を受講する必要があります。私は、アジャイルビジネスインスティテュートで受講をしました。研修は2日間で、オンライン形式(Zoom)で行われました。認定スクラムトレーナー(CST)はJoe先生という方で、AmazonやTeslaでスクラムの実践やトレーニングをされた実績のある方です。

日本国内だと他には、

などで受講することが可能です。

特に印象に残ったこと

研修では、スクラムの原理原則や実践方法について学びました。特に印象に残ったポイントについて、あまりネタバレがない程度に紹介します。

1. モブワークにおけるモブAIの導入

研修中に紹介された「モブAI」という新しい役割が非常に印象的でした。
通常モブワークでは、ドライバー 1人 : ナビゲーター n人
が協力して作業を進めますが、
モブAI形式では、ドライバー 1人 : ナビゲーター 1人 : モブAI n人
という分担となります。モブAIは、ChatGPTなどの生成AIを活用し、ナビゲーターの意思決定をサポートする役割です。

研修の中では、モブAI形式のモブワークを通したグループワークがありました。私はこれまで実務の中でモブワークの経験がないのであくまで想像ですが、ナビゲーターが複数人いると、シニアな方の意見に左右されたり、意思決定がしづらい場面も増えるのではないかなと想像しました。その点、モブAI形式であればナビゲーターは1名なので意思決定もスムーズに行えそうだなと思いました。

MobAIとは、ウッディ・ズィルによって定義されたMobの形式に従ったグループワークのことで、1人または複数の人々がAIツールによって支援されます。
AIが支援するモブワークは、オートコンプリートの前身がグループワークに導入された2001年以来実践されています。MobAI、そして#MobAIという用語は、2023年5月15日、ジョー・ジャスティスによってエキスパートレベルのオンラインコース、#JoeDXで紹介されました。

https://abi-agile.com/joe-justice/

2. アジャイルにデメリットはない

Joe先生が「アジャイルにデメリットはない」と強調していたことが印象的でした。プロセス(手法)というよりは、アジャイルな思想に対してデメリットはないという話だと理解をしています。他の産業はわからないですが、少なくともプロダクト開発においては私も同意です。

アジャイル vs ウォーターフォールと二項対立で語られることも多く、定期的に話題に上がりますが、思想 vs プロセスなのでそもそも対立し得ないというか…。そのあたり、タイムリーにsongmu sanがブログに書いてくださっていました!

そもそも、アジャイル開発とは価値観であり、特定の開発工程や方法論のことを指しません。その価値観を共有する開発がアジャイルソフトウェア開発であり、方法論は何でも良いのです。

3. リファインメントカフェの導入

プロダクトの状況は日々変わるため、毎日15分間プロダクトバックログについて話す時間を設ける「リファインメントカフェ」という手法が紹介されました。
プロダクトの性質にもよりそうですが、チーム全体が常に最新の情報を共有し、目線を合わせることで迅速なデリバリーにつながりそうだなと思いました。

4. 振り返りの焦点

振り返りは開発生産性(プロセス)だけに焦点を当てるのではなく、メンバーの幸福度についても見ていくことが重要だというお話がありました。具体的な例として、絵文字を使ってメンバーの感情を表現する方法が紹介され、これによりチームの心理的安全性にも寄与しそうだなと思いました。

試験の受験について

研修終了後、Scrum Allianceからメールが届き、オンラインで試験を受けることができます。試験は50問の選択式で、37問以上正解すれば合格です。試験の制限時間は60分で、90日以内に2回まで無料で受験できます。

資格取得の準備

試験の準備として、ChatGPTAnkiを活用し、用語や概念について記憶の定着に努めました。以下、学習手順を紹介します。

  1. ChatGPTに、
    スクラムガイド
    アジャイル宣言
    アジャイル宣言の背後にある原則
    の内容をベースに、問題を作成してもらう

  2. ChatGPTにお願いし、作成した問題をAnkiがインポートできるフォーマットでエクスポートする

  3. Ankiにインポートし、フラッシュカードを作成

  4. モバイルアプリでの学習: Ankiのモバイルアプリを活用し、スキマ時間を利用して学習

Anki フラッシュカード: 表 例
Anki フラッシュカード: 裏 例
答えに画像も貼ることができる

Ankiは、単なるフラッシュカードではなく、スペースド・リピティション方式(一定の間隔をおいて復習をすることで、記憶を定着させる)を採用しているため、効率的な学習をサポートしてくれます。

  • 少し使い方にクセがあるので慣れが必要であること

  • モバイルアプリを利用するのに4000円かかること

があり、若干のハードルの高さがありますがオススメのアプリです!参考までに、使い方については以下のYoutubeがわかりやすかったです。

試験の結果

50問中47問正解でした!(全問正解を目指していたので悔しい…)

名前、ローマ字にすればよかった…

おわりに

研修を通して、スクラムの原理原則やフレームワークについて体系的に学ぶことができました。グループワークでは、理論を実践する機会も得られ、スクラムへの理解が深まりました。
Joe先生は「スクラムはゲームである。だから楽しい!」と度々話されており、2日間本当に楽しく学ぶことができました。Joe先生のファシリテーションを見ていて、ファシリテーターは、ゴールに向かって円滑に導くことが役割ですが、参加者に楽しんでもらえるかを考えながら進行することも重要だと改めて感じました。

資格取得によって即座に変化が起こるわけではありませんが、プロダクト開発の現場で起きる疑問や悩みにも、研修で得た知見を活かしつつ向き合っていければと思います!

興味のある方は、ぜひ認定スクラムマスター(CSM)の取得にチャレンジしてみてください。研修を通してスクラムの考え方に触れ、ご自身の学びや気づきを得る良い機会になると思います!

技術書購入や勉強会・セミナー参加の費用にあてたいと思います🙏