
年金水準、30年後に2割低下
★わかりやすく解説
厚生労働省は5年に1度、公的年金の将来を見直す「財政検証」を行っています。今年の結果によると、経済が普通に成長した場合、約30年後には現在よりも年金が2割ほど減ると予測されています。しかし、「現役世代の収入の半分以上」という基準は維持される見込みです。年金を支えるお金が増えるよう、女性や高齢者がもっと働けるような制度の改善が議論されています。
★これを知っておくと理解が深まる
今の年金制度には「マクロ経済スライド」という仕組みがあり、経済が悪くなったときに年金の支給額を自動的に調整して、財政を安定させる工夫がされています。この仕組みを前提に、経済の成長がどうなるかを4つのケースに分けて試算しました。
★何が問題なのか?
年金の金額が減るということは、将来の生活費が今よりも少なくなる可能性があるということです。また、年金を支えるためにはもっと多くの人が働く必要がありますが、全ての人が働ける状況を作るのは簡単ではありません。例えば、女性がもっと働けるようにするための支援や、パートタイム労働者の年金加入の拡大など、制度の改善が求められています。
★用語解説一覧
・年金(ねんきん)
説明)働いたあとに毎月もらえるお金のこと。国が支払うものと、自分で積み立てるものがあります。
・財政検証(ざいせいけんしょう)
説明)国の年金が将来どうなるかを調べること。5年に1回行われます。
・マクロ経済スライド
説明)経済が悪くなったときに、年金の支給額を自動的に調整する仕組みです。これにより、年金の財政が安定します。
★そもそも論
年金は、働いているときに支払ったお金を、引退した後に毎月もらう仕組みです。これは、老後の生活費を確保するための大事な制度です。しかし、人口が減少し、年金を支える人が少なくなると、年金の金額も減ってしまいます。そのため、みんなが安心して老後を過ごせるように、制度を見直すことが必要です。
★このニュースのQ&A
Q1. 年金はどうして減るのですか?
A1. 人口が減り、年金を支える人が少なくなるからです。また、経済が成長しないと年金の支給額も少なくなります。
Q2. どんな制度の改善が議論されていますか?
A2. 女性や高齢者がもっと働けるようにする支援や、パートタイム労働者の年金加入の拡大などが議論されています。
Q3. マクロ経済スライドって何ですか?
A3. 経済が悪くなったときに、年金の支給額を自動的に調整する仕組みです。これにより、年金の財政が安定します。