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【 三五〇+ 三五〇× プロジェクト 】
こんにちは、安井郁子です。
記事を読んでくださる方、応援してくださる方、いつもありがとうございます。
【 玉乃光さん 三五〇+ 三五〇× プロジェクト 】
昨日は、玉乃光さんの新しいプロジェクトのお披露目イベントに参加しました。
場所は、ホテルの会議室とかではなく、クリエーターの拠点としても注目されている渋谷サクラステージの「404 Not Found」 。
急に寒さも増したこの日に、こたつに入りながら、リラックスして
フレンドリーな羽場洋介社長さんやアートクリエーターの方々からのお話を聞くことができました。
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【三五〇+(プラス) プロジェクト】
創業350年を迎えた玉乃光酒造さんが「伝統的酒造り」を価値ある産業として、未来に繋いでいきたいとの思いで立ち上げたプロジェクト。
地酒蔵としては、そこそこの生産量のある玉乃光さん(地酒蔵1300社中70位ぐらいの生産量)ですが、ユネスコ無形文化遺産に登録された手造りによる伝統的酒造りで醸されてされています。
日本酒において、原料であるお米はとても大事ですが、有機農法で栽培された酒米に注視しされており、今回の第一弾のお酒は岡山県の契約農家が栽培した雄町産とのこと。
水は「日本名水百選」のひとつにも選ばれた京都・伏見の御香水(ごこうすい)と同水脈の伏流水を使用しています。
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日本酒の新たな可能性を広げる新しい酒造りに挑戦
【三五〇×(カケル) プロジェクト】
伝統的なお酒の造りはそのままで、新しい飲酒層を取りこむためにも、酒類業界以外の業種とも積極的にコラボ活動をされていかれるとのこと。
今回のプロジェクトでは、新進気鋭のまだ有名ではないけれども将来性のある若者6名(インドネシア、タイや台湾等の外国のアーティストが含まれ、それらの国での日本酒の広がりにも期待されているようでした)によるボトルアートの発表。
本日の試飲させていただいたお酒は、洗練されたクリアな香味でしたが、醸造担当者さんの話では、次回以降はもっと個性があってもいいのでは?というご意見もあるようで、第二弾、第三弾では、どんな酒が登場するのか?
AWA酒や熟成酒などにも取り組んでおられる玉乃光さん。次回作がどんなものになるのか楽しみです。
第一弾の香味の酒は、今回限りだそうですので、ご興味のある方は、こちらからどうぞ。各ボトル限定300本だそうです。
https://350.tamanohikari.co.jp/c/merchandise
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それ以外にも今後の玉乃光さんの主なプロジェクトの活動としては…
《東蔵再生プロジェクト》
老朽化した東蔵の再生への取り組み。
この場所は、なんと幕末の「寺田屋事件」で、元土佐藩士の坂本龍馬が流れ込んだとされる「旧薩摩藩邸」とのこと。その跡地の一部に建てられたのがこの東蔵で、なんとも歴史ある場所となります。
伝統的な建造物を保存・再生しようと、こんなプロジェクトもあるようです。
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000333028.html
《アンテナショップの運営、酒粕の活用》
わたしはまだ、訪問できていないのですが、京都の玉乃光さんのアンテナショップでは、お酒の販売のほか、酒造りの副産物であるのに大事にされていない感もある酒粕の魅力を発揮したお料理の提供やお菓子、コスメなども販売されています。
酒粕の効用等はたくさんありますので、そのお宝ともいえる酒粕の活用においては廃棄などされないように、わたしたち酒類にかかわる者も、酒粕の良さを真剣に広める必要がありますね!
《今後の玉乃光さんの取り組み》
日本酒地酒は、専門店で扱われる少量生産でよいお酒もたくさんありますが、玉乃光さんのようなすぐ手に取りやすい中堅蔵の存在もあってこそ、日本酒市場の広がりもあります。
戦後和歌山の蔵が消失してから伝統ある京都 ”伏見” の場所への移転参入。 過去に級別制度で1級酒が良い酒とされる時代、2級酒表示で値段が高い純米酒は敬遠されかちでしたが、当時から純米酒を打ち出し純米酒の普及啓蒙を行ってきた等、その時代時代でベンチャー的な取組もされてきた蔵として、
そして、異業種からの新社長就任のお立場としても、
酒類業以外の業種との色々な試み、富裕層対応の高額品の品ぞろえ等、従来のお酒も大事にしつつ様々なチャレンジをもし、未来へ向けての継承を考えておられるようでした。
羽場社長が最後に力強く宣言されたように、
「新しいチャレンジは、継続実行されていくことが大事」。
今回のプロジェクトの今後の展開も、楽しみに見守らせていただきます。