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至福の瞬間💓お日さまの恵みのふわふわ~お布団
晴れて家に居る日は、必ずお布団を干します。
寒くなってきたこの頃は、日に干したお布団に入った時の、至福💓の一瞬が、なんとも言えません・・・。
婆にとっては、温泉に入った瞬間の『ため息』に匹敵する至福です。
自分が干してなくても、入った瞬間、あ、お布団干したな!
とすぐわかります。
この感覚を表現するのは、食レポより難しいんですが・・・。
ふとんの中の温度、だけの問題ではないのです。
あのやわらかさ、あのふくらみ、あのやさしさ。
『おひさまのにおい』とは、よくぞ言ったものです。
温度だけだったら、布団乾燥機で充分なんです。
むしろ、布団乾燥機の方がだんぜん勝ってます。
でも何かが違う。
お日様干しの方は、フワッとかすかにあったかい。
それで、お布団のかさが何だか増したような気持ちがして、
かたかったお布団が、ふわっと心もち、盛り上がったような・・・
親指の下のふくらみのような弾力。
それで、入ったばっかりでも、いい具合にお日さまの気配の温みがあって、
足がどんどんあったかくなってきます。
まだ布団の中がそんなに温度的に暖かいわけじゃないのに、
(不思議です)
ふわふわ、じわじわ、ぬくぬく、すぐ足が温まってきます。
もちろん身体中も。
お布団のなかに、お日さまを感じる、幸せな瞬間。
至福のひと時。
これに気づいたのは、高校生の時でした。
妹と、同部屋で、二段ベッドを使っていたのが、
それぞれ個別の部屋になり、
二段ベッドの二階部分を外して、それぞれの部屋で分けたベッドを持ち込んで使うことになりました。
二段ベッドですから、マットレスなんて、ついていません。
ベッドにお布団を敷いて寝ます。
それで、冬は、いつも入った瞬間、お布団がつめたくて、
ふぅぅぅ~~~さむいぃ~~・・・ガタガ タガタ・・・冷たいよぉぉぉ~という感じでした。
とくに足はなかなか、温まってくれず、むしろどんどん冷たくなる感じ。
だんだんだんだん・・・、少しずつやっと温まってきて、
しめしめ、やったー、やっと温まってきた・・・と、いつの間にか眠ります。
朝起きた時は、布団の中は最高にあったかくて天国なのですが、
いつもそんな感じでした。
それが、ある日、いつものように覚悟してお布団に入ったら、
ぜんぜん違うのです。
えっ、なに、これ。
何だろう・・・。
ふわっと何だかあったかくて、すぐ寝れました。
それで、次の日、何気なくその話を母にしたら、
母が「お布団干してあげたから。」と言ったのです。
え、そうなんだ。お布団干すとこんなに違うんだ。
母親も、大きくなってきた娘達の、部屋の中のことは干渉せずにいたと思うのですが、さすがに見かねて干してくれたのかもしれません。
お日さま干しの、恩恵と至福を知ったとはいえ、
学校や、会社や、遊びなんかで忙しく、
独身の時はなかなか自分のお布団を干すことはありませんでした。
干すようになったのは、専業主婦になってから。
午前中に干して、お昼ぐらいにひっくり返して、午後に取り込みます。
ひっくり返して、両面をお日さまに当てますが、
片面1時間ずつでも効果はあるそうです。
でも、家に居るときは、片面1時間と言わず、たっぷり干します。
冬は、午後早めに取り込んで、やる気がなかったら三つ折りにしておいて
後で敷きますが、
やる気がある日は、すぐに寝られるようにセットしてしまいます。
三つ折りでも、三つ折りの重なり部分が、夜になっても、ほんわり暖かい。
夏は、布団が熱いと逆に眠れないので、
ちょっと賛否両論、自己流ですが、
多少、湿気を含んでしまうことになっても、すこし日が傾き始めるまで干して、冷ますこともあります。
部屋に入れても、三つ折りにしたりせず、すぐにセッティングもせず、広げて冷まします。
夏の太陽は、すごいので、ダニは全滅。
それで、サラッとして、冬とは違った気持ちよさがあります。
誰かから聞いたか、何かで読んだのか忘れましたが、
誰かが真夏にお布団を干したままで出かけたら、
急にどしゃ降りの豪雨になってしまい、
あ~ぁ・・・どうしよう・・・。今日夜、どうしよう・・。
と顔は真っつぁお、頭の中は真っ白になっていたら
その後またカラッ!カァ~ッ☀️と晴れて、再びものすごい暑さに戻って、
それでも、あ~あ・・・びしょびしょの布団、見るのやだな、恥ずかしいな
と思って帰ってきたら、
お布団は一回びしょ濡れになったにもかかわらず、その後、
また真夏の日差しで完ぺきに乾いて、
乾いたどころか、ふんわりと大きく膨らんで、
まるで、打ち直しをしたお布団のように、買ったばかりの時のように、
ふわっふわっになっていたというのです。
恐るべし、夏の太陽。
それにしても、雨に当たると臭くなってしまうと思うので、
買い換えないにしても、クリーニングするか、打ち直しをするか。
今は布団を洗えるコインランドリーも出てきていますが、
打ち直しが出来るのは、昔ながらの綿のお布団。
新品を買うより安く、新品によみがえります。
婆は、中綿が羊毛のお布団も干したことがありましたが、
木綿のお布団ほど、ふっくらしませんでした。
今は化繊のお布団もありますが、
お日さまの恵みを最大限に受けられるのは木綿の、
昔ながらの素材のお布団なのではないかと、個人的に思います。
娘が結婚するとき、綿のお布団を買おうと思っていたようなんですが、
パートナーさんが、
「布団の上げ下ろし大変だよ。
共働きで朝たたむの大変だよ。」と言って
娘も、たしかに・・・、と思ってマットレス付きのベッドを買いましたが、
その後、新居にベッドが入る前に、
パートナーさんが一足先に新生活をするアパートに入居して、
その間のためだけに、
・・・まあ、後々は、遊びに来てくれた友達が急に泊まることになった時にでも役に立つだろうと、一枚買った綿布団にとりあえず寝ていたら、
綿の和布団がたいそう気に入ってしまい、
結局、今でも彼はベッドに寝ず、
一人で隣に敷いた綿布団(シングルサイズ)を独占して寝ているそうです。
さて、話は変わって、
お布団を干すと言えば、布団たたき。
以前、専門家の方が、
『布団は、たたいてはいけない(中の素材が傷む)』、
もしくは『たたいても効果はない』、というようなお話をテレビでされていました。
専門家の方が言うんだから、きっとそうなんでしょう。
科学的にも実証されて、ちゃんとした説得力のある実験結果の数値とかもあって、しっかりとしたエビデンスもあるんだと思います。
今は、布団のダニを吸い込んでくれる、布団クリーナーも売られています。
それでも婆は、布団たたきをせずにはいらせません。
止めろと言われても、
やっても意味ないよ、と言われても、
感覚的に無理です。
エビデンスもなにも全くありませんが、
気分の問題です。あと、経験からくる感覚の。
ずっとずっと以前、一人暮らしをしてくれていた、今は亡き、婆の父が
病気で1ヶ月ほど入院したことがありました。
その間、父が留守の間に、実家の掃除に行きました。
普段は、これ捨てたら?と言ってもなかなか聞いてくれないので、
これ幸いと、実家にその間通って、片付けました。
と言っても、父は、男性にしては几帳面な方で、
婆も実家を出るまでは、部屋の中を片づけなさいとその父によく注意され、
「急におまえの彼氏が来たら、おまえの部屋に通すからな。」
と、よくおどかされていたものでした。
話は飛びますが、
婆だけでなく、娘もそうでしたが、
若い娘だって、仕事や遊びに忙しく、
満員電車に乗って、学校や仕事に行って、
外では目いっぱい頑張って、
エネルギーを使い果たして帰ってくるので、
なかなか片付けをする、
または、つねに、定位置に物を戻す、という作業のエネルギーが
もはや残っていないのです。
まあ、性格による部分もあるかとは思いますが、
今は片づけられなくても、
時間とエネルギーがあるようになれば、
もしかしたら率先して、お部屋を整えることに生き甲斐さえも感じるようになったりする変化を持つ人もいるかもしれません。
脱線した話を戻して・・・、閑話休題。
父が留守の間のお掃除で、
もちろん、布団も干しました。
そしてもちろん、当たり前に、布団たたきで布団をたたきました。
そしたら、どうなったと思います?
黒板消しの、チョークの白い粉!
まさにそんな粉が、たたく度に布団からボンボンボワボワ出てきました。
たっぷりチョークの粉を吸い込んだ黒板消しを二つ、両手に持って
バンバンたたいて、はたいて出てくるぐらいの勢いでした。
きっと30mぐらい離れた所からでも、布団から煙のようなものが出ているのが見えたと思います。
屋外とはいえ、粉を吸い込みたくないので、息を止めました。
叩いている間は息を止め、
苦しくなってくると、そこから遠い場所に走って逃げて深呼吸をし、
また「いち、にっ、さん」と深く息を吸い込んで
布団地点にもどり・・・、ということを繰り返し、
さながら、ウニや牡蠣を採る海女さんのような作業でした。
(海女さん、違ったらごめんなさい。)
海女さんの方々のように肺活量がないので、
耐久時間がもたず、すぐ避難時間の限界をむかえ、
ふとん叩きごときで、大変疲れました。
次に来たときは、マスクを持参しました。
毎回、父の布団の表と裏、何分、何十分叩いたことでしょう。
それを2,3日繰り返しました。
その節は実家のご近所様、申し訳ありませんでした。m(_ _)m
父親は何年、何ヶ月、布団を干していなかったのでしょう?
もしくは、布団をたたいていなかったのか?
まあ、長年そんな布団に寝ていても、死ぬわけじゃありませんし、
(実際、父はその後も長生きしました。)
そんなこと本人に聞くと、余計なことはしないでくれと言われて角が立ちそうなので聞きませんでしたが。
でも日数を重ねるにつけ、だんだんと粉は減っていきました。
その粉は、思うに、ダニの死骸か、ダニの糞なのかもしれません。
本当にあの経験はびっくりしました。
それで、婆は現在、布団を干したら叩いていますが、
お天気が続いて、毎日干していると、たたいても粉は出てきません。
ほぼ皆無か、かすかに、というぐらいです。
ところが1週間ぶりに干した、という時は、けっこう出ます。
けっこうと言っても、父親の時ほどではありません。
レベルが違います。
毎日干している時よりは出るな、というぐらいです。
だからそんな理由で、お布団を叩かずにはいられないのです。
たたくと言っても、父親の時はご近所さん、うるさかっただろうな、と
申し訳なく思いますが、
今は、一つのふとんに、片面10秒ぐらいだし、
ひっくり返して、2~3時間後に取り込むときに、また10秒ぐらい。
それを人数分だから、そんなにねぇ・・・、ご迷惑をかけてはいないのでは・・・?
それにここは、近くに畑もあるような所の住宅地ですから、
ご近所さんも皆な干していらっしゃるので、お互い様で助かります。
音というのは、念を運びますから、
イライラして布団を叩くと、全く関係がない第三者にも
遠くても、見ていなくても、音を通してその感情が伝わり、わかる事があります。
それは、カーテンを引く音、コップを置く音、キーボードを打つ音、etc.・・・、
あらゆる音に言えると思います。
そんな時の音は、うるさいな、嫌だな、と感じられてしまうかもしれません。
無心に、または気持ち良くたたかれているご近所さんの布団たたきの音は、
婆には、『平和の音』に聞こえます。
良いお天気に布団を干せる、のどかな幸せ、平和。
最近の住まいは、モダンな外観で
布団を干すときに汚れないような手すりのベランダは、
あまり見かけなくなってきました。
でも、布団たたきの棒は、まだちゃんと家庭用品売り場に売られているし、
長年、布団をたたいて、中の綿が傷んで何か困ったことになった、
という事も今のところないので、
お天気の良い日には、
これからもずっとお布団を干して、たたきたい 。
手間でも、あの至福を得たいが為の手間なので、苦にならないのです。
若いお嬢さん達が、話題のお店の、話題のスイーツを味わうために
何時間も行列に並ぶ、その手間の価値と同じなんです。
(それよりは楽かな。)
スカッと晴れた日なのに、何か事情があって干せない時は
「あー、もったいない」と思ってしまいます。
だから、婆は、フワフワのために、超都会には住めないのです。