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2年ぶりの場所で、過去を振り返り自分をねぎらう

正月休みの最終日、2年ほど前に住んでいた木場に行った。
友人がカマルプールのカレーを所望したためである。

木場を出るときは、正直二度と来ないだろうなと思っていた。
木場は好きだが、用事がないし、ついでに立ち寄る位置にもない。行くとしても現代美術館目当ての清澄白河だろう。

友人との約束より少し早く着いたので、木場公園に行く。子どもたちがたくさんいる。凧揚げをする親子もいる。

住んでいた当時、私はまだ出産しておらず、子どもに興味もなかった。木場公園まで1分のところに住んでいたので毎日のように来ていたが、どちらかといえばドッグランの犬を見ていた。

今は、子どもに目が行く。自分の子と月齢が近い子や、ほやほやの赤ちゃんなど。
自分の状況が変わると、見える景色も変わるものである。

2年。いろいろなことがあったと、思い返す。
私はつわりが重く、妊娠5か月頃まで1日3回、その後も出産まで週1は吐いていた。胸やけはずっとあり、転がっているしかできなかった。
2年前、木場の終わりは、そういう時期だった。

3月、藤沢に引越し、5月、子どもを産んだ。
無痛分娩で挑んだがうまくいかず、結局普通分娩した。地獄。
しかも麻酔打ったとこから脊髄液が漏れて、産後2週間は立ち上がれなかった。一度も新生児室に赤ちゃんを抱きに行けなかった。
たまに看護師さんが連れてきてくれて、寝ころんだまま乳をやった。
もう死ぬかも、と思って夜中に子どもへの思いを録音したりした。

脊髄液が回復してからは、比較的楽な子育てだったと思う。生後半年までは夫が無職で、夫婦で育児にフルコミットできたし、子どももあまり手のかからないタイプだった。

ちょうど1年前、去年の年始に夫が仕事を始めてから、7月まで赤ちゃんと2人でいた。でも7か月あったとは思えないくらい、なんか薄い。繰り返しの日々だったからだと思う。
海にいったり、公園にいったり、公民館の赤ちゃん広場にたまに連れて行ったりした。

4月には、ポーランドとオーストリアに10日間、単身旅行ができた。夫、母、祖母、弟の協力のたまものである。ありがたい。
ワルシャワで迎えてくれ、クラクフにも連れて行ってくれた後輩と、ウィーンで落ち合ってくれた友人にも感謝する。

5月、子が1歳になる。
5~7月、保育園に落ちる。
8月、家から遠いが空きのある園に申し込んで受かる。
9月、復職のはずだったが、色々あって末日退社。
10月、必死の転職活動。何しろ2か月以内に仕事を見つけないと保育園クビ。
11月、新しい仕事。
12月、秒。

濃い時期と薄い時期どちらもあるが、2年のまとまりで見ると比較的動きが多く、イベントの多い期間だった。
がんばったシーンも割とある。

ワンオペ期にFP2級とTOEIC890点取った。
どちらも特に役立つ仕事には就かなかったが、「育休中に資格をとる意欲」という点は転職活動中に評価してもらえた…かもしれない。

労務でもめたときも、めげそうになりながらも周囲や関連機関に助けられ、なんとか納得いく形で退職にこぎつけた。最初0円で解雇しようとしてきたが、溜まっていた有給の7割くらいはむりし取ることができた。弁護士案件にならなかったのはほんと良かった。労基に友人がいて良かった。

あと妊娠出産子育てもがんばった。子どもを持つ人は全員通った道だが、それでも普通に大変だったよね。おつかれ。

2年間を振り返りながら、最後のほうはその時その時の自分にねぎらいの言葉をかけ、お世話になった人たちへの感謝を覚えていた。

ともすると、今の自分が得ているもの、できていることは当たり前と捉えてしまいがちだが、実は今は過去の自分のがんばりや周囲の助けの積み重ねである。

それを思い出すいいきっかけになった。
ありがとう。
おつかれ。

カマルプールのカレーは相変わらずめちゃくちゃおいしかった。
食べそびれていたゴルゴンゾーラチーズクルチャも食べられて、大満足。


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