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不妊治療がテーマの映画『プライベート・ライフ』ラストネタバレあり

こちらも大変良作でございます。


ネットフリックス制作の映画は当たり外れがある
っていうかあんま当たりにあったことないかな。。

ただ、映画祭ではいくつか賞を獲るような良作だけど中小規模の映画でスターは誰も出てない…っていう映画だと
アメリカでも公開されずに円盤スルーになったりもする。

そういう作品をネットフリックスが配信権買って全世界で観られるようにするってのは
作品にとっては「まだ」幸せな展開ではあるかな、と。

ほんとはね、映画館でちゃんとかかってお客さんも集まるのが望んだ幸せかと思いますが。

これから映画はどんな風に変わっていって、我々はどれほどそれに合わせていけるのでしょうか。


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という僕のエッセイはどうでもよくて。。


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監督のタマラ・ジェンキンスは女性。

今作の主演のキャスリン・ハーンと顔そっくり。

今作がどれほど監督の自伝的要素が入っているのか、全然入っていないのかはわからないけど、まぁまぁめちゃくちゃリアル。


いとこの娘セイディが入る芸術村(ヤッドー)に、タマラ監督も入っていたことがあるようですね。
そこで『マイ・ライフ、マイ・ファミリー 』The Savagesの脚本を書いて、のちに監督もして作品も成功した、と。

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男女の結婚生活もしたことなく、妊活も、体外受精も代理母探しもしたことないのに
「この映画はリアルだ」って感じるのもおかしな話ですが。。


物語とはそういうもの。

ストーリー展開に翻弄されるキャラクターたちのリアクションに圧倒されてしまうのです。


主人公夫婦は僕が体験したことのない事態に見舞われるわけですが
まず僕はこの2人と年齢が近めですし
なんつったって同じ人間だもの。

その苦しみや苛立ちは伝わってきます。


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「子供できないなら子供がいない人生を楽しめばいい!以上!」
なんて思考停止で切り捨てたりなどできないわけです。


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僕は子供のいない人生ですし
かなり高い確率でこれからも子供いませんし
そもそも子供のいる人生を考えたこともなかったし
大人になってから考えてみても子供を望む気持ちはないのです。

子供がいない人生でも充分手一杯で大変で、、、子供なんて勘弁してくれというのが正直なところ。


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だから僕と主人公夫婦はだいぶ立ち位置が遠いわけですが
「希望を捨てられずに苦しむ」というシチュエーションは僕だってわかりますよ。


その苦しみたるやどれほどか、と。


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ラストシーンが良いですね。
素晴らしい。

好きなラストシーンTOP8に入りますね。


あれは演技なのでしょうか。


ラストネタバレは以下に。






追い詰められたケイディは妊娠のための薬を過剰摂取してしまう。
そのことで彼女の体が危険な状態に。

結局セイディは入院。
代理出産も中止。

夫婦はセイディに申し訳ない気持ちを抱きつつも、またかダメか、、と落ち込む。


夜。同じベッドにいる2人。眠れない。

妻「かなしい」
夫「正直ホッとした。妊活し始めてから僕らはおかしい。セックスレスだし」
妻「セックスがしたいの!はいどうぞ!」
とバイブレーターを差し出す。
夫「……」
妻「私はかなしいの」
夫「悪いけど君のかなしみを癒す余裕がない」
妻「そう…」

セイディは芸術村(ヤッドー)に合格して、この芸術村で生活しつつ執筆活動に専念できる状態に。

セイディ「コネを使って私を芸術村に入れてくれてありがとう」
妻は「コネなんて使ってないわ」
セイディ「…そうなの?」
妻「そうよ」

芸術村の入居はセイディの自力だった模様。
自分には何もないと思っていたケイディだったが、初めて自分に自信を持ち始める。
もう代理出産することで自分に価値を付加しなくてもいい。


ハロウィン。
「トリックオアトリート!」階下の子供たちにお菓子をあげる。
今年はちゃんとお菓子を用意していた。


夜。パレード。
ニクソンとクリントンのマスクをかぶった夫婦。

夫に電話。
「…フリーダイヤルだ!」

電話の主はバージニア州の代理出産希望者らしい。


数日後。バージニアに車で向かう2人。
待ち合わせの場所のダイナー。


2人は初めは4人席に向かい合わせて交互に座っていたが
夫が妻の横へ移動。

そろそろ来るであろう女性を待つ。

メニューや水の位置を整える。

夫、妻の手を握る。
笑顔の妻。

ドアの方を見る2人。
窓の外を見る。
女性はまだ来ない。

また来ないのかもしれない。

2人は会話もなく待つ。
ドアの方を見る。窓の外を見る。

エンドロール。

終わり。


**

ラストシーンは演技ですかね。
なんか演技に見えなくて。。


もしかしたら監督から
「2人は座っててね。いい頃合いで女優さん入ってくるから。絶対喋らないで待ってて。いい人そうな女優さん用意してるから。安心した顔見せて」 
とか言っておいて
いざ本番始まったら
そんな女優さん用意してなくて
一向に誰も入ってこなくてただ待ってなきゃいけないっていうシチュエーションを作ったのでは。

主役2人は「え、全然入って来ねーんだけど」
と思いつつ、
「あ、そういうこと?」
「そういうラストな訳?」
「わたしたちにはハッキリとした希望は提示されずに終わるの?まさか…」
と思いながら
喋っちゃダメって言われてるから喋れないし
ただただ1秒毎に「来ないかもしれない度」が増す状態で待たされる。

って感じで撮影されたんじゃないかなぁ。
って思うくらいにリアルだった2人の演技。。




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