まだまだ知らないことあるのか… ナチス・ホロコースト映画『復讐者たち』 ~映画イラスト~
復讐したい気持ち
まだまだホロコースト関連については知らないことあるんだなと驚きました。。
そりゃ復讐したい気持ち湧き上がるよね。
ナチスドイツは負けましたっつってもナチの残党は残っていて思想も変えずに普通に生活してるのを見たら、
自分や自分の家族をされたことを「お前も体験しろよ」って思うのも無理からぬことだと思いますよ。
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正しい復讐?
『復讐者たち』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2737
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ホロコーストとは、
ナチス政権とその協力者による約600万人のユダヤ人やロマ、同性愛者などの組織的、官僚的、国家的な迫害および殺戮のこと。
僕が10代の頃に、『シンドラーのリスト』(1994)と『ライフ・イズ・ビューティフル』(1999)が大ヒットしまして、おそらくこれら映画でホロコーストというものが広く知られたんだと思います。
『ベント/堕ちた饗宴』(1997)や『ソフィーの選択』(1983)などもありますがそんなに多くの人が見たとも思えず(僕もまだ見てませんし)。
学校の授業では習ったけれども、映画以外にナチスやホロコーストについて広く知られる機会もそんなにないでしょうし。
その後もナチスやホロコーストを扱った映画はたくさん作られて、どんどん溜まっていって、玉石混交ではありますけど、題材が題材なだけに作り手も本気だからか、名作やサスペンス的に面白い映画も多いです。
エンタメ映画、コメディ映画の皮をかぶってるけど実は結構なナチス映画!ってのも出現してきましたね。
いろんな角度で描かれるのはいいことだと思います。
『サラの鍵』(2010年)、『否定と肯定』(2016年)、『帰ってきたヒトラー』(2015年)、『サウルの息子』(2016年)、『ハンナ・アーレント』(2013)あたりもオススメです。
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さて、この『復讐者たち』。
面白い。
ナチス側はほとんど描かれずに、ナチスに苦しめられたユダヤ人たちの中でも様々な考えの人がいて、その入り組んだ感じが面白い。
ちゃんとした手順で間違いもなく残酷でもない処刑をしていきたい派と、
(↑もちろんこれだって法律違反だし倫理的にもダメだわな)
過激にサクサク殺していくしなんならドイツ人全員を殺す計画を遂行してる派の対立。
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キャラクターの描き方
ナチス側を描かないのも話に合ってますし
人物がそれぞれ的確で、人数合わせみたいなキャラもいなくて、各々が活躍していたのも良かったです。
過激派ナカムのリーダーのキャラクターも良いですね。
そんなに出番はないんですけど、落ち着いた人物で淡々と喋るので、逆に「この人も辛い目にあったんだなぁ」とか「復讐の鬼に囚われてるんだなぁ」と、こっちが勝手に想像を膨らませるキャラクター。素晴らしいじゃないですか。
この映画の一番の悪役なはずなのに。
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サスペンス映画としての作りが上手いんだと思います。
多くの人が許容できる(できそうな)復讐を遂行する側と
さすがにそれはちょっと…と思う復讐を遂行する側の対立が面白いし。
その計画を止めるスパイとして送り込まれた人がそっちに飲み込まれてしまう感情の流れもよくわかる。
なので結局は戦争って100パー絶対ダメだし、人権を軽んじてるといつまで経っても問題は起き続けるんだという思いを新たにしますよ。
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実話をベースにしてまして、確かにほんとにこの恐ろしい復讐が計画されていてある程度進められていた事実はあるようです。
物語の根幹はリアル。
ネタバレになるかもしれないので言えませんが、エンドロールに「あ、リアルなんだ…」って思わせるあの演出がありますし。
ただ、エンタメ映画としての構造もありまして。
ネタバレせずに書けないや。
公開されたらネタバレ書きます〜。
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『復讐者たち』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2737