菅田将暉主演 映画『キャラクター』 ネタバレあり あなたの感動の邪魔をしたくはない… 〜映画感想〜
この映画を面白かったという人は多いと思います。
傑作だ!という人も結構いると思います。
そう思う気持ちを邪魔したくはない。
その感動に水差したいなんてまったく思わない。
だから、ネタバレ設定にしています。
まだそんなに映画を見ていない人や
韓国映画のバイオレンスサスペンスをそんなに見てない層や
世界のフィルムノワールを見てきていない人にとっては
きっと満足のいく映画だったかと思います。
実際客席には若い方が本当に多かったです。あんなにも若い観客ばかりの映画をひっさびさに見ました。
その満足を邪魔したくない。
映画って刺激的で楽しいなと思った気持ちを削ぎたくはない。
刺激を求めてまた劇場に来て欲しいです。
だから、読まないでください。
読まないでよ。
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菅田将暉も小栗旬もFukaseも良かったですよ。
とくに小栗旬はとても良くて、脚本上はそんなに面白いキャラではないはずなんだけど、深みもあるし好感度も高いし、白目の比率を高めてギョロっと見てくるのも印象的だし。
ハリウッドスターの貫禄ありましたよ。
演技はみなさん良かった。
美術も撮影も良かったです。
音楽はちょっと説明的すぎて寒かったけど。
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今までの映画の寄せ集めみたいな感じがしました。
小説や映画で描かれたことが実際に起きちゃうっていう物語はほんとによくあるし、
作家と犯罪者が反目し合いながらもバディを組むってのもあるし。
しかも犯人は宗教関連でしょ。
犯罪の起点を新興宗教にする映画はたくさんたくさんあるよね。
この映画のオリジナリティってなんだったんだろ。
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大御所漫画家さんのとこで、
まだ玄関に菅田将暉がいる段階で
大御所漫画家さんが菅田将暉の悪口言うけど、
普通聞こえるかもしれないんだから言わないよね。
家出て行ったあとに悪口言うよね。
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菅田将暉が通う居酒屋。焼き鳥屋かな。
あの店の広さを一人で切り盛り?
焼き鳥(?)焼きながら注文とって酒作って酒運んで焼き鳥運んで会計もするの?ひとりで?
あの規模の店を一人で切り盛りしてんの?
フロアのバイトとかいないの?
なんでスタッフの誰も「この規模の店を一人で切り盛りするってあり得なくないっすか?」って言えなかったの。
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本屋でも大規模にPOP設置されたり
街のビルボードとかにドカドカと広告出たりするくらいにヒットしてる漫画なのに
上記の焼き鳥屋(?)の店主も34を読んでないし
中村獅童も読んでないし
鑑識も読んでない。
漫画を元に殺人事件が起きてるんだから、読めよ、警察くらいはよ。
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警察に女性一人もいなかったね。
漫画のアシスタントの中に女性いたけど、セリフなかったね。
男性アシスタントは2人セリフあったけど。
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一番の問題は妻の描き方。
この映画ほんとに世界に売るの?
大丈夫??
バリバリ仕事してた妻は夫が仕事成功して
夫に「ずっと家にいてほしい」って言われたら
言う通りに仕事辞めてずっと家にいることに。
しかもそれに不満を持ってる感もなし。
妻が家で何をしてるかと言うと、ひたすらに「お茶を出す」。
家事といえばお茶を出すだけ。
お茶を出す以外の家事をしてるシーンがない。
あの広さ、あの清潔さの家を保つためにどれほどの家事をしなきゃいけないのか、映画制作陣は知らない。
家事っていっぱいあるんだぜ。
制作陣は、妻がやることといえばお茶を出すことくらいしか思いつかない。
いつ高畑充希がブチギレて熱湯のお茶をぶちまけるのかと思ってたけど、一向にブチギレしない。。
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いくら漫画が大ヒットしても連載開始から一年であんなマンションに住んであんなにも高級な謎の家具を揃える人間いる?
高畑充希は家具屋で働いていたから、という理由付けがあったけど
夫が売れたからっていきなりあんな高級な謎の家具を買いまくるなんて、正常な人間の発想と実行力じゃないよね。
やばい人じゃない?
いつ、実は高畑充希はサイコパスでした、っていう流れになるのかと思ったら、全然ならない!
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ラストのバトルで、いよいよ熱湯のお茶をぶっかけ攻撃して
Fukaseの顔が火傷で爛れるのかと思いきや
全然反撃しない!!!
ただ太もも刺されて倒れるだけ。
せめて逃げろよ。
お腹に双子いるんだから。
階段をズリズリとゆっくり落ちていくくらいできただろうよ。
で、階段の中盤くらいでFukaseに見つかって
階段の下からFukaseを見上げるシーンがあればインパクトあっただろうに。
高畑充希はただビクビクして倒れてて全然活躍しない。
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そもそもホラー・サスペンスで〝妊婦〟を出すのもほんと寒い。
はいはい、また妊婦ですかって感じ。
妊婦を単なるアキレス腱に使ってるだけなんよ。
女は男に守られる存在でしかない。
古い価値観を強化する映画です。
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ラスト。
菅田将暉も生きてました。
高畑充希も生きてました。
菅田将暉が入院。
高畑充希は双子用のベビーカーを病室に持ってきてるけど、双子の赤ちゃんの姿は映されない。
一向に赤ちゃんが映らない。
ついに来たかっ!
あのラストバトルで残念ながら出産できなかったんだけど
注文したベビーカーだけは届いてしまって
高畑充希は赤ちゃんの乗ってないベビーカーを延々と持ち運んでいる。
高畑充希はちょっと精神的に病んでしまった。
ってなるのかと思いきや、ならないっっ!!普通に双子いる!
ただただただただ、夫に従順な妻。
ただただただただ、物語のアキレス腱としての妊婦。
ほんとにこれ世界で公開するの??
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ラスト。
もうさっさと映画終わってもいい頃なのに
裁判が始まったので、
もしかしたらこれから何か面白い展開があって
この映画オリジナルの何かがやっとついに提示されるのかも、と
さすがに期待しましたよ。
ほんとにオリジナリティが足りなさすぎるんだもん。
しかしですよ、ここに来て、丸投げ。。。
せめてこの事件を明快に締め括って欲しかった。
せめて綺麗に閉じて欲しかった。
「ラストの意味とは??」
「結局誰が犯人?」と
話題になって口コミが広がっていくことのみを期待したラスト。
ひどい。
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Fukaseは菅田将暉が作り出した幻影なのかと思いましたよ、
焼き鳥屋(?)の店主がFukaseを認識しなかったときは。
実は菅田将暉が全部の殺人をやっていたって話にするのかと思いました。
でも、高畑充希はFukaseと挨拶するし、小栗旬も監視カメラでFukaseを認識しちゃう。
でも、高畑充希も小栗旬も34の読者だからFukaseが見えるのかなとか思いました。
そしたら全然そんなことなかった!
Fukaseは実在するし、新興宗教が原因だった。
でも、丸投げのラストによって結局事件は謎に包まれたまま。
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包丁で人間を刺す時に
グシャッ!ジュシャッ!っていう効果音付けんのやめてくんない?
あんな音するわけないんだから。
無音の方が怖いでしょ。
『ゾディアック』の湖畔でのカップル刺殺シーン観てよ。
死ぬほど怖いから。
恐怖とはあれのことですよ。
無音で刺さるから怖いし、
ほんとに痛い時って叫び声出ないよね。
だから怖いんじゃん。
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ええええ、読んだの!!!???
読まないでくださいって書いたのに。。。