ラストネタバレあり 映画『ザ・ドリフターズの 極楽はどこだ!!』(1974)
惨めでいや〜な話
いやぁなかなか観てるのが辛いレベルの惨めでいや〜な話。。。
女性の扱いも、南国の先住民の扱いもさすが時代を感じる差別的描写の連続。。。
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これ12月24日公開のクリスマス映画だったんですね。
ポスターには「ドリフの爆笑プレゼント!」って書いてあるけど。。
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主人公のいかりや長介がとにかくずっと酷い目に遭い続ける
おそらく当時はいかりや長介が痛い目に遭うのが痛快だったんでしょうね。
年長のコワモテの男性の惨めな姿を見せるのが面白かったのかな。
にしてもそれが長い。。。
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いかりや長介はじめドリフターズのメンバーのスター性がすごい
場面場面には華がある。
水戸黄門の佐野浅夫や、芦屋雁之助、藤岡重慶などの渋い役者も出てくるし、
沢田雅美、菅井きんなどの芸達者も、
篠ひろ子、森田健作などの美形も。
オールスター映画としての存在感が今見ても感じられる。
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終戦40年目間近の1974年製作
結構、戦争の匂いが色濃くてびっくり。。
いかりや長介が演じる父親は太平洋戦争体験者。
小野田少尉と同じフィリピン・ルバング島で死戦をくぐった。
息子の加藤茶はまさに戦争を知らない世代であり、大学受験に5回失敗してバンド活動にのめり込む。
いかりや長介は万年係長で、年下の上司仲本工事からは顎で使われる毎日。
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息子に退職金を盗まれてバンドの活動資金として使われたり
娘は勉強好きで真面目だと思ってたのに実は結構遊び歩いてたりと
毎度毎度地味に惨めなことが起こる。
ついには、佐野浅夫演じる唯一無二の親友が死亡。
さらに篠ひろ子演じる美人ママにフラれたことで、いかりや長介は自殺未遂。
自殺に失敗したいかりや長介は会社に行くと、泥棒と間違われて社員たちから袋叩きに遭う。
かわいそうすぎる。
なにひとつ悪いことしてないし、全然悪い人じゃないのに。。
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「老兵は消え去るのみよ」
この台詞がこんなにも実感持って伝わってきた映画は初めて。
ほんとに惨めな話で、、、、観てるのが辛い。。。
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あ、あと志村けんは加藤茶の友達役。
チョイ役だし、いい味も出してない。。
ラストネタバレは以下に。
息子はブラック一作という芸名の売り出し中の人気バンドマンだった。
初コンサートのチケットを父親に渡すも、父親はチケット破ってしまう。
その夜、コンサート開始。
前座はキャンディーズ。
そして、息子がステージに上がると歓声。
息子のドラムソロに黄色い声援。
そのあとバンドが入ってきてみんなで演奏。
客席の奥に父親の姿。
これが息子に一番いい人生なのかもしれない、と涙。
自分と生き方と違う世代を受け入れる父親。
翌朝、日が昇る前から朝ご飯と弁当を作る父親。
仲直りしたかと思いきや、口げんかが始まりドタバタしておわり。