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カモーンっ!咆哮の痛快!映画『チャレンジャーズ』

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)Challengers
上映日:2024年06月07日
製作国:アメリカ
上映時間:131分
監督 ルカ・グァダニーノ
脚本 ジャスティン・クリツケス
出演者 ゼンデイヤ ジョシュ・オコナー マイク・ファイスト


こりゃ面白いっ!
面白さで言えば今年一番っ!



『関心領域』同様、もしかしたら何やってんのかずっとわかんなかった人もいるかも。
だとしたら「結局なんなんだ…」って思ったことでしょう。。御愁傷様です。。

それこそ関心領域だよね。。
普段からないものとして扱ってるからこの映画観ても見えてこないのかも。

しかしフィルマークス4.0!高いっ!
さすがフィルマークス民っ!
みなさん好きですねぇぇ。まったくもおぉ。


**


「面白い」という噂は聞いていたものの
この設定で何がどうなれば面白いんだ?と観る前は不安でした。
が、131分ずっと面白かった。。
あぁびっくり。。

僕のパートナーがテニスをやる人なので
テニス描写については微妙とのこと。
テニス界の描き方もイマイチっぽい。

ただテニス関係ないっていうか。

一対一の戦いで、
ひとつのボールを打ち合って
観客は右左と常に首を振りながら〝観戦〟して、
っていうスタイルがまさに!!
っていうことなわけで。

**

めちゃ下ネタを含んだネタバレは以下に!!




西洋のAVでは女優さんがエクスタシーに達する時に 「come on」「I'm coming」とお叫びになる。

ゼンデイヤさんはラストで「カモーンっ!」とお叫びになられました。
つまりは絶頂に達されたんですね。
自分を取り合ってる男2人が抱き合うシーンを見て。

**

そもそも10代の時にキスし合ってる男を観て満足なさったゼンデイヤさんなわけです。

腐女子の才能が萌芽した瞬間だと思いますが それ以降は特にそこに情熱は注がなかった。
あの2人をくっつけようという動きはしなかった。

ただ、 自分は仕事もできて稼げる、 娘もいる、 手伝ってくれる母もいる。

男は?
アートはまるで犬か猫か、ペットのようになってしまった。つまらない。

(嵐の夜。車から降りて歩き出した時「ホテルはこっちだ!」と自分の間違いを正してくれた男である)パトリックにもいわゆる男性的な魅力は感じるけど、
まぁシンプルにウザい。

ヘテロセクシュアルである(っぽい)ゼンデイヤさんにとって男に対するファンタジーはもはやBL的なものにしかない。

おそらくゼンデイヤさんはそれに気づいてなかった。 この試合。
どっちが勝とうが負けようがどっちしても幸せではない。

どうでもいいんだけど、勝ち負けが決まることが一番イヤ。

そうこうしてるうちに パトリックが「ヤッたよ」の合図をアートに送る。
アートはそのメッセージを受けて、試合放棄。

かと思いきや、試合を終わらせない展開に持っていく。

まるで遊びか、愛の行為かのようなボレーの応酬。
試合でボレーがあんなに続くわけがない。

からの抱擁。
そしてゼンデイヤさんの咆哮(カモーンッ!)!

笑ったぁぁ。

**

女性が男性を性的に消費してやるっ!とまでは言わなくても 「私にとって男の役割はそんなもの」っていう痛快さも感じた。

同時に 男性にとってもある種の解放も感じた。
トロフィーのような美女を妻にしなきゃ男としての格が下がるという呪縛からの解放、のような。
(彼らはゲイではないと思うし)

僕は腐女子について詳しくないし 腐女子の精神性についてはちゃんと理解はできてないんだけど
やはりあのラストの「カモーンっ!」の咆哮の痛快さには納得させられました。

男に対して性的なファンタジーはあるんだけど 男が女性に対して性的に欲動している様子は「重い」とか「めんどくさい」などの負の感情があるんでしょうね。

女性が介入しない男同士で性的に欲動し合っている様子なら、自分は安全でめんどくさくもなく楽しむことができるのでしょう。

違ったらすみません。。


***

夫が試合に負けたら離婚する!?とか
パトリックのコーチに!?とかが
あったはずなのに 「カモーンっ!」で全部吹っ飛んで映画終わった!
痛快極まりない!

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