作曲家の前には白い紙がある ドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家劇場』
そう言えばエンニオ・モリコーネについて全然知らなかった。
『ニュー・シネマ・パラダイス』などのジュゼッペ・トルナトーレ監督作を数作品観たくらい。
生き神様のひとりという認識以上には彼の人生について全然知らなかったし、
人生のほとんどを〝映画音楽なんかやってる〟という呪いから逃れられなかったなんて知らなかった。
そもそも〝映画音楽〟が〝絶対音楽〟から見下されてるなんて思ったこともなかった。
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モリコーネの音楽というと流麗なメロディというイメージだけど
前半はとても挑戦的な現代音楽だったんですね。
タイプライターズや空き缶や水を貯めたバスタブなど革新的な〝音〟を音楽に取り込んだ。
同時代にジョン・ケージがいたが、
モリコーネは美しいメロディとそれら革新的な〝音〟を組み合わせて映画やテレビ番組の編曲家としてまず成功。
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ミーナ「束の間に燃え尽きて」
Mina - Se Telefonando (Stereo remix) 束の間に燃え尽きて https://youtu.be/RvZD85su12o?si=nVoNPlR7Cx7AyrgT
↑この曲にびっくり。
四拍子のなかで三音しか使わないサビ。
エレクリックなメロディ。
でも熱いものが溢れてくる不思議なメロディ。
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「映画などの商業音楽を描くことは売春と同じだ」と〝アカデミックな音楽界〟から言われた。
今年90歳になる宇野亞喜良。
「イラストレーションというのは、自分の思想ではなく人の意思 考えていることをどう視覚化するか」
お題があってその反射として書く音楽、描くイラスト。
たまたま昨日は宇野亞喜良のドキュメンタリーを観て、
今日はモリコーネ。
巨匠の言葉に感謝。
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「このまま行くと仕事がなくなる。
だからスタイルを変えたんだ」by モリコーネ
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「作曲家の前には白い紙がある
そこに何を書く
そのページに
何を書けばいいのだ
まずは思考があり
それを展開させる
さらに その先へ
でも何を追求する?
わからない」byモリコーネ
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上映時間157分は長いが、、堪能した。
お腹いっぱい。