1937年の日本映画『この父に罪ありや』名優小杉勇を堪能
国立アーカイブでの『没後50年 映画監督 田坂具隆』での企画上映があって
僕もこの機会にこの映画を観れました。
原作は山本有三の小説『真実一路』(1936年)。
映画は、1937年公開で
2部構成の作品で
前編が『真実一路 父の巻』、
後編は『真実一路 母の巻』。
この映画は『真実一路 父の巻』からタイトル変更されたもの。
『母の巻』はフィルムが無くなっちゃってるっぽいですね。
1937年の映画なので映像の痛みが多い。
シーンが突然飛んだりもするし。
現存してるだけ凄いってことでこれはこれで鑑賞するより他ないですね。
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ある少女の出生の秘密を父と母それぞれの視点で描いてる作品。
『父の巻』では父の視点。
奔放な母に翻弄されつつも家族を大切にする厳しくも温かい父親を当代きっての名優、小杉勇が演じてる。
毎度のことながら小杉勇は素晴らしい。
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ただこの二部作のポイントはやはり『母の巻』だと思うんですよね、観てないけど。
高岡早紀主演で『真実一路』のタイトルで昼ドラにもなってるらしいので、
つまりはそういう内容。
自由奔放に生きる女性が主人公。
1937年の『母の巻』はもう観れないし
奔放な女性をどう描いているのかは甚だ心配なわけですが、
結末が悲劇的だったとしても
今よりももっと抑圧されていたであろう女性が「は?知らねーし。あたしの人生だし」って感じで豪快に生きる姿はきっと痛快だったのではないかと、勝手に予想します。
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