俺か? 映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』ネタバレあり
バーカバーカバーカ俺のバーカ!
なんでこれを映画館で観なかったんだ!バーカ!
俺じゃねえか俺の映画じゃねえか!
良かったぁぁ。
主人公、おれかと思った。。
実体験じゃなきゃ描けないリアルさですね。
実家を去るときに「バックミラー越しに手を振る老いた母」にじんわり感じる恐怖とか、、いやぁ素晴らしい。。
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『…ぶっ飛ばせ』じゃなくて
『…ぶっ飛ばす』なんですね。
決定項なわけですよ。
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ブランチの映画コーナーの〝どんでん返し映画特集〟に取り上げられてもいいほどのどんでん返しですね。。
びっくり。。
ネタバレ
と、なぜこの主人公は俺だと思ったのかってのは、以下に。。
映画見てて途中で、そういえばシム・ウンギョンが何の背景もないなぁと気づきまして。何の設定も語られない人物。
なんなんだろこの女。。そしてそういえばなんでシム・ウンギョンなんだろう、と。
そしたら、彼女は夏帆が幼少期に生み出した〝想像上の親友〟でしたね。
シム・ウンギョンという流暢な日本語を話す不思議で魅力的なキャラクターだからこそ成立した難しい仕掛けでした。
想像上の親友なんて思春期あたりにはもう消さなきゃいけない存在。
もしかしたら夏帆も思春期には想像上の親友は一時的にいなかったのかも。
でもCM監督として忙殺される毎日の中で焦燥感と孤独感から復活したのかもしれないですね。
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この主人公はおれだと思ったのは、
僕には想像上の親友ではないけど、想像上のもう一つの人生があったからです。
中学くらいから、1人でいる時はひたすらにもう一つの人生を妄想してました。
登校時、下校時、風呂入ってる時、寝る前布団に入ってる時など
とにかくひとりのときは、建設的なことなんて一切考えずにただただ「もう一つの人生」の世界を想像してそこに没頭してました。
それがほんとうに幸せで。。。
ひとりになれると「またあそこにいける!」ってほんとに思ってました。
ぼくは割とまともな生徒だったりまともな息子だったので、まさかひとりのときこんな妄想の世界に逃げ込んでいるとは誰も思っていなかったことでしょう。
わざわざもう一つの人生を妄想するわけですから、そこでの僕は幸福だし人気者だし、妄想した幸せなエピソードを頭の中で何回もリピートできるわけですから、それはそれは幸せなわけです。
たださすがに高校くらいでもそれをやってたので、、やべぇなぁとは思ってましたが、、なかなかその快楽からは逃れられず。。
大学に入ると、吹奏楽の部活や下宿生活が充実していたので、気づけば「もう一つの人生」を妄想することはなくなってました。
デザインの専門学校に入って、そこの先生が手相を見れる人だったので手相見てもらったら
「福井くんには人生が2つある?」って言われて
先生も自分で言っててどういうことなのか意味がわかんないって感じでしたけど
ぼくは「あぁバレた!」と思いました。
僕の場合は大人になる前に想像上の何かは消えましたけど、
たしかにもうひとつの自分の居場所として存在していたので、
この映画の主人公の気持ちというか、境遇は実感としてわかったのです。