現役法学部生の深澤恒平が独立リーグに挑む
ワイラプインターンの松浦です。
選手インタビュー企画、「 #ワイラプ博物館 」の第13回目の記事執筆を担当させていただきます。
この連載では、博物館のように選手一人一人の歴史が分かる場になればと思います。そして読者の皆様は、この博物館でぜひ選手の魅力を発掘してください!
本日は、深澤恒平 選手のインタビューです。
深澤恒平(ふかさわ こうへい) 山梨県出身 1998年5月19日生まれ
城南中学校(甲府南シニア)▷山梨学院高校▷山梨学院大学(甲斐府中クラブ)
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■兄を追いかけた幼少期
−深澤選手、本日はよろしくお願いします。
早速ですが野球を始めたきっかけから教えてください!
深澤(以下、深):よろしくお願いします。
野球は小1の時に、3つ上の兄の影響で自然と始めていましたね。
(写真は本人提供。幼少期の深澤選手(右)。左はお兄さん。まさかの恐竜…!!🦖)
−どのようなチームで、どのような選手でしたか?
深:あまり強くはなかったですね〜。同級生も僕を含めて2人しかいませんでした(笑)
小4から試合に出させてもらっていました。当時は小柄だったので、バントばかりしていました(笑) 5年生ごろからピッチャーを始めましたね。
−中学は学校の野球部に所属していましたか?
深:中学時代は、より高いレベルも目指して、甲府南シニアというチームに所属していました。うまくなりたかったので、いっぱい練習ができるし、硬式に慣れることができる点では中学の部活よりも魅力的に感じました。
このチームを選んだ理由としては、近かったのと、兄が通っていたからですね。兄は途中で辞めちゃいましたけど…(笑)
−どのようなチームでしたか?
深:厳しいチームでしたね…。礼儀や道具の手入れのことを口うるさく指導されました。今となってはありがたい話ですけどね(笑)
チーム自体も小学校の時とは打って変わって、同学年が二十数人もいました。山梨県内では優勝することが多いようなチームでした。関東大会に出ると全然勝てませんでしたが…
−早いうちに礼儀などの指導は大事ですよね。シニア時代もピッチャーをしていましたか?
深:最初はセカンドをやっていました。なぜかはわかりませんが、「セカンドかっこいい!」と思って志願してやらせてもらっていました(笑)
途中からはピッチャーの人員不足を補うためにピッチャーに戻りました。3年から試合に出れるようになって、もう1人のピッチャーとエースを争っていました。
(中学時代)
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■同じ “20”でも違う“20”
−シニアチームのエースとなると、推薦の話も来ていたかとは思いますが、山梨学院高校にした決め手は何ですか?
深:山梨学院は声をかけていただいた高校の1つです!
小学生の頃からNPBへの憧れよりも甲子園への憧れの方が強かったので、先進的なトレーニングに力を入れていて、私立ということもあり、甲子園に1番近いと思った山梨学院に入学することにしました。
−いつ頃から試合に出るようになりましたか?
深:1年の春の大会からです。入学時の上級生は、とにかくでかくて、オーラがすごかったですが、そんな先輩たちを部内戦で抑えたら、春の大会の決勝で先発に抜擢されました!6回無失点でしたが、チーム自体は延長で負けてしまいました。「あのときが全盛期だった」と当時のチームメイトからはよくいじられました…(笑)
−決勝ですか!?いきなりの大舞台ですね(笑) プレッシャーなんかもあったと思いますが、どうでしたか?
深:プレッシャーというよりも、ちょうどセンバツ終わりの大会で、甲子園での健闘も目にしていました。バックに強力な先輩たちがいると思ったら、とても心強かったです。
−本来の力を思い切り発揮できたんですね!その後はどうでしたか?
深:1年生の間は20番をつけさせてもらっていましたが、1年の冬に肘を痛めてからは、後輩のいいピッチャーの活躍もあり、2年の間はベンチ外でした。
リハビリもしてはいましたが、コーチやトレーナーからは本気ではないと指摘されることもありました。確かに、モチベーションを保つことが難しく、このままではいけないと思い、2年の冬はめちゃくちゃがんばりました。
3年春は叶いませんでしたが、最後の夏は再び20番をつけてベンチ入りすることができました!
−3年の夏に、甲子園にも出場しましたが、甲子園のベンチメンバーは18人ですよね? 最後の18人に残ることはできましたか?
深:いえ、甲子園ではベンチに入ることができませんでした。甲子園に行けるのは本当に嬉しいんですけど、準決勝あたりから、「勝ってもベンチには入れないのか…」という思いが強くなっていきました。
甲子園出場を決めて1週間後がメンバー発表でした。18人全員の名前が呼ばれ終わった瞬間は、人生で味わったことのない感覚でしたね。甲子園でもボールボーイをさせてもらいましたが、すごく複雑でした。それでも、終わってみると達成感で満ち溢れていました!
(高校時代。20番は価値のある番号ではあったものの…)
−卒業後、山梨学院大には進学されていますが、野球部に所属しなかったのはなぜですか?
深:勝ちにこだわったガチガチの野球からは一旦距離を置こうと思っていたからです。将来は公務員になりたかったので、大学は就職を見据えて進学しました。こう見えて法学部です(笑)
今度は「楽しく野球をやりたい」と思い、甲斐府中クラブというクラブチームに入りました。
−どのようなチームでしたか?
深:すぐに主力として使っていただいていました!
いい意味で自由にやらせてもらえてとても楽しく野球ができたチームでした!
都市対抗は、山梨では優勝できますが、西関東では1回勝てるかどうかでしたね。2年目の西関東大会は印象に残っています。
1回戦はクラブチームと対戦して勝利し、2回戦で東芝と対戦しました。前日の1回戦で長いイニングを投げていたので先発では投げられませんでしたが、志願して最終回の2アウトから投げました。
−ほんの短い間ですが、結果はどうでしたか?
深:そうですね、試合を通してレベルの違いは見せつけられていました。それでも、球速をあげることを目標に取り組んでいたので、自分のストレートがどれだけ通用するかを知りたかったんです。
試合も負けがほぼ決まっていた展開だったので、全球ストレート勝負をしてみましたが、1つのアウトを取るまでに3点を失いました(笑)
−1アウトを取るのにもそこまでの壁が…。独立リーグを視野に入れ出したのもその頃からですか?
深:そうですね。その試合は「高みを目指したい」と感じたきっかけではありますね。
チームにも元・独立リーガーが2人いたので話を聞いていました。「絶対に行った方がいい」と言われていましたが、都市対抗での憧れもあったので、当時は社会人野球(企業チーム)に進みたい想いの方が強かったですね。
(クラブチーム時代)
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■現役大学生の挑戦
−では、実際に独立リーグに進もうと思ったきっかけはなんですか?
深:実は、三木田さん(現福井ワイルドラプターズ球団広報)です!(笑)
大学1年時に、北海道のクラブチームから独立リーグに進んだ三木田さんの記事を目にしたのがきっかけです。
SNSでの活発な活動を見ていて興味があったので、三木田さんの投球を一度はこの目で見てみたいと思ったので、浦和球場で行われたトライアウトの見学にもいきましたよ(笑)
−まさかの繋がり…!(笑) BCリーグを決意したのはいつ頃ですか?
深:大学3年の夏です。その年の秋にトライアウトを受けました。手応えはよくなく、「合格できなかったら野球はやめて就職しよう」と決めていたので、話をいただいて迷わず入団を決めました。
−3年の秋にトライアウトということは、今はまだ4年生ですよね?大学生活との兼ね合いはすごく気になります。
深:在学中でも独立リーグに進めると知り、3年のうちに単位は習得し切りました。
今は卒論があるので、そちらもやりながら野球にも打ち込む形になりますね。親も「今しかできないことだから頑張って」と応援してくれているので、毎日全力で野球に取り組めています!ちなみに母は恐竜が大好きで、福井の恐竜博物館にも行ったことがあるみたいです(笑)
−福井に来てからの生活はいかがですか?
深:レベルの高い選手が多くいて、高橋さんを始め、先輩選手が指導してくれることもあり、いい環境だなと感じています。
−今は開幕が遅れていますが、自主練習の期間も高橋選手とよく練習していたと聞きます。この期間は深澤選手にとってはプラスだったということでしょうか?
深:はい、プラスです!寮では筋トレをして、公園で高橋さんに指導していただいていました。いっしょに練習する中でよりいい球を投げたいと強く思うようになり、モチベーションは高い状態で練習できました。目標は150km/hです!!
−ファンの方々に一言お願いします!
深:まだ1年目で“ファン”がいるという感覚がないです…(笑)
いつ開幕してもいいように準備しているので、全力プレーを期待していてください!まっすぐの勢いが武器なので注目してほしいです!
また、NPBはあくまで個人の目標なので、チームに貢献できるようがんばりたいです。野球ができること、応援してもらえること…すべてのことに感謝しながらプレーします!
−ありがとうございました!今こうして福井にいるのも三木田さんがきっかけと言うのは何かの縁ですかね(笑)
現役大学生兼プロ選手という異色の経歴で、深澤選手がきっかけで独立リーグに進む学生も出てきそうです!
これからの活躍に期待しています!
(文責:球団インターン 松浦拓矢)
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