高校野球未経験→独立リーガー兼YouTuberが身につけた「考える野球」
ワイラプインターンの松浦です。
選手インタビュー企画、「 #ワイラプ博物館 」の第10回の記事執筆を担当させていただきます。
この連載では、博物館のように選手一人一人の歴史が分かる場になればと思います。そして読者の皆様は、この博物館でぜひ選手の魅力を発掘してください!
本日は、筒井翔也 選手のインタビューです。
筒井翔也(つつい しょうや) 福岡県出身 2000年4月28日生まれ
前原西中学校▷純真高校(野球部未入部、福岡オーシャンズ9 所属)
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■ベースボールの楽しさに魅了された幼少期
−早速ですが、筒井選手が野球を始めたきっかけはなんですか?
筒井(以下、筒):僕が最初にしていたのは、野球ではなくソフトボールなんですよ!
6つ上の兄の練習をよく見学しに行っていましたが、自然と練習にも参加するようになっていました。
(写真は本人提供 4歳の筒井選手)
−最初はソフトボールなんですね!地域的にソフトボールが盛んだったとかですか?
筒:いえ、ただ兄がしていた影響ですね!(笑)
僕が所属していたチームは強くなかったです。監督は厳しい指導と言うよりも、ソフトの楽しさを教えてくれる方でした。
−この時にベースボール型球技の楽しさに魅了されたわけですね!
当時のポジションやチームの成績について教えてください。
筒:小4のときは外野、小5からはサードやショートが中心でした。小6ではキャプテンも務めました。
成績に関しては、他のチームが強くて、2回戦で勝ち進むことはできませんでしたが、チームで僕だけ福岡市のオールスターチームに選出されました!
−それはすごいですね!そこで何か感じたことはありましたか?
筒:やはり、周りのレベルの高さにびっくりしました!でも、それと同時に、もっと頑張ろうと思えましたね!
−良い刺激になったんですね!中学でもソフトボールを続けたんですか?
筒:中学では野球がやりたかったので、学校の野球部に入部しました。ボーイズなどは視野になかったです。
−中学から本格的な野球人生が始まるわけですね!どのような中学野球生活を送っていましたか?
筒:1年生の間は、とにかく走っていましたね。田舎だったので、田んぼの周りをひたすら走っていました(笑)
2年からはショートでレギュラーを勝ち取り、3年では副キャプテンを務めました。
−中学でもチームの中心だったんですね!印象に残っている試合などはありますか?
筒:3年の中体連での試合ですね。練習試合でも互角のライバル校との対戦で、0対0で6回の先頭打者が僕でした。試合も膠着していたので、思い切り振ろうとだけ考えて打席に向かいました。
−結果は…?
筒:ホームランでした!!
みんなが喜んでくれて、何よりも「チームのために打てたこと」が、とても嬉しかったですね!そのまま優勝もできました!
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■甲子園を目指さない高校球児へ
−ホームランですか!しかも優勝まで!
大活躍&優勝だと、高校から推薦の話もあったんじゃないですか?
筒:推薦もあったそうですが、「社会人のクラブチームに行きます!」と言いました。
理由としては、甲子園に対する憧れ以上に、NPBに魅力を感じていたからですね。
今思えば、NPBに行くために甲子園で活躍することが最大のアピールになると思うんですが、当時はなぜかその考えがなかったです(笑)
−ここが筒井選手の球歴を語る上で外せないポイントですよね!高校で野球部に所属せずプレーしているのは、かなりなレアケースかと思います。
進学した純真高校を選んだ理由はなんですか?
筒:特に理由はないですね(笑)
−え…理由はないんですか?(笑)家から1番近いとかですか?
筒:家からは遠かったです!地元だと良くも悪くも知った人ばかりなので、いろいろな人に出会いたいと思い、あえて遠くにしました!
−地元からは離れて、刺激を求めたんですね!クラブチームの活動もあったかと思いますが、学校の部活動には所属していましたか?
筒:野球部以外の部活には入りませんでした!基本的に土日にあるクラブチームの練習だけでしたね。
−クラブチーム一択ですか!所属していたのはどんなチームでしたか?
筒:福岡オーシャンズ9(ナイン) というチームに所属していました。
車で1時間半から2時間かかりますが、そこが1番近かったです(笑)
−高校生でクラブチーム所属はかなり珍しいかと思いますが、チームの反応はどうでしたか?
筒:かなり珍しかったですね(笑)
選手は35歳の方まで所属していて、全員が年上。高校生は僕だけでした。そんな中で、若くてヘタクソな僕を快く受け入れてくれました。
−すごい環境で活動していたんですね(笑)。昔からNPBへの意欲がかなり高かったようですが、いつ頃から独立リーグを視野に入れ始めましたか?
筒:クラブチームに元独立リーガーの方もいたので、よく話を聞いていましたね。
もちろんNPBが目標なので、ジャイアンツやカープのプロテストを受けました!結果はダメでしたけど…。
(高校時代 野球部ではなくクラブチームでプレー)
−チームにいた元独立リーガーの方からは、大変さも聞いていたとは思います。トライアウト受験を決断したきっかけは何でしたか?
筒:正直、給料とかは二の次で、野球に集中できる環境が揃っていて、元NPBの指導者からノウハウを指導されることに魅力を感じましたね。
大学に進学しても、4年後にしかNPBドラフト指名のチャンスがありませんが、独立リーグなら毎年勝負ができ、1年1年を大切にできると思いました。
きっかけとしては、僕が受ける年に、BCLと四国ILが初めて合同でトライアウトを開催することになりました。
これはたくさんの球団に見ていただけるチャンスだと思って参加したところ、福井ミラクルエレファンツから声をかけてもらうことができました。
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■考える野球で加速する進化
−見事に合格できた要因は何だったと思いますか?
筒:田中雅彦監督(当時)に聞いたところ、
「技術はこっち(首脳陣)の仕事。その前に人間性。話した時の目を見て決めた」
とおっしゃっていました。田中監督が僕に話しかけてくれなかったらどうなっていたかと思います(笑)
−素晴らしい監督さんですね!
福井での生活当初、受けた衝撃や思い出などはありますか?
筒:福井に来て3日間はホームシックで寂しかったです(笑)
独立リーグはNPB同様、試合前練習があることは驚きました。そしてみんなが「考える野球」をしているので、意識の高さに衝撃を受けた記憶があります。
−考える野球!最近は荒道選手兼任コーチや高橋選手に熱心に教わる姿をよく見かけますが、入団当初と2年目を迎える今ではどういった部分が変わりましたか?
筒:1年目はただ教えられたことをやっているだけでしたね。
「1+1の答えは2だよ」って教わっていただけで、解き方がわからない状態です。今は、荒道さん・高橋さんに色々な切り口からの「解き方のヒント」をもらって、自分で解きながら理解している状態です!
他にも、メンタル面だと清田さんの影響も大きいですね。
−神奈川フューチャードリームスの清田亮一選手のことですか?どんなことを教わりましたか?
筒:「人間のやるスポーツなんだから、人間性を高めないとダメだ」と教わりました。
【成長】=【熱意(0~100)】×【能力(0~100)】×【考え方(-100~100)】
という方程式も教わって、考え方がネガティブだと、いくら熱意や能力があっても成長できないということです。
逆に考え方がプラスであれば、答えは常にプラスになるという意味で、今でも大事な教えの1つです!
−YouTube「ワイラプTV」のお部屋訪問の回でホワイトボードに書かれていたやつですね!(笑)
-「考える野球」が身についてきた筒井選手!今は入団当初と比べて、かなり良い方向に進んでいる実感はありますか?
筒:頭で考えるようになって、たくさん得るものがあります。毎日たくさんの学びがあるので、今、とっても楽しいです!
高橋さんの指導を受けるようになってからは特に、自分でもわかるように変わってきています!
−ソフト時代に感じていた“楽しさ”とはまた違った、心の底から感じる楽しさですね!
現在、開幕が大幅に遅れている中で、なにか思うことはありますか?
筒:活動自粛期間は自分にとって非常にプラスに働きました。4月まではダメダメだったので、通常通り4月に開幕していたら結果も出せていなかったと思いますね。
自粛期間はインスタライブを頻繁にするようになりましたが、ファンの方々との交流も増えました!これはかなりモチベーションにもつながりますし、この期間のおかげで、ファンの皆様との距離も近くなった実感はあります!
YouTubeの出演も含めて、SNS活動は楽しくやっています!少しずつフォロワーも増えていますね!
(球団公式YouTubeチャンネル「ワイラプTV」のメインキャラに大抜擢された「ツツイ」こと筒井選手。初回出演時は初々しい…!)
−ワイラプTVや筒井選手のSNSを見てても、人柄の良さがにじみ出ていますよ!ずばり、今期の目標を教えてください!
筒:やっぱりNPBですね。
今の自分はどの能力も同じくらいなんですよ。福沢監督は「何かが伸びれば、自然とついてくる」と言っていたので、がんばってまずは一つ特筆した武器を身につけたいです。
今はバッティングの調子が上がっていますが、これも荒道さん・高橋さんをはじめとした先輩方のおかげですね。体の使い方の指導をしてくれるので、すごく良い勉強になります!
-荒道コーチの名前がたくさん出てきますね!よく練習後にいっしょに温泉へ行っている様子もSNSで見かけます(笑)
筒:荒道さんは僕の師匠です。
去年、荒道さんと出会い、プレースタイルに本当に憧れました。
走攻守すべてにおいて優れていて、何よりも「落ち着いたプレー」が僕にはまだ無い部分です。「こんな選手になりたい」と思い、去年から毎日気にかけていただきご指導をもらっています。
自分のためもそうですけど、たくさんのことを教えて下さる先輩方と監督に成長した姿を見せたいですね!
(写真左が、筒井選手の師匠である荒道好貴コーチ)
−最後にファンの皆さんに一言お願いします!
筒:この期間でファンの皆様との繋がりを感じられたので、今は去年よりも充実しています!ハツラツしたプレーを期待していてください!
そして僕は、NPBに行きたいだけではなく、福井にも貢献したいと考えています。
本当に福井の人は優しい人ばかりなので、自分のためだけではなく、福井の皆様のためにもNPBを目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします!
−ありがとうございました!筒井選手の人柄が感じられるいいインタビューになりました!たくさんのことを吸収して、さらにビッグになった筒井選手を見れる日を楽しみにしています!
(文責:球団インターン 松浦拓矢)
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