
体重はどこで支えている?
いきなりですが・・・。
・何気なく立ってみて、足のどの部分で体重を支えていますか?
・ずっと立っていて疲れてくる部分はありますか?
立つ姿勢を診るだけで、痛みがある部分や、弱い部分、強い部分、かばっている部分などある程度わかる時があります。
今回は体の基本的な構造やしくみを見ていきましょう。
まず1つ目の質問。
足のどの部分で体重をささえていますか?
この場合の足は足の裏と捉えてください。
足の裏のどの部分に体重を乗せていますか?
つま先側ですか?
かかと側ですか?
真ん中あたりですか?
指は床や地面についていますか?
内側と外側、どちらの方により強く体重がかかっていますか?
体重が乗っている中心を一つ決めるとしたらどのあたりですか?
色々質問をしていますが…
体重が乗っている中心の場所は人によって差があると思いますが、人間の体の特性上、理想的な場所があります。
それが赤い印の部分です。
これは重心点ではなくあくまでも体重が乗っている中心の場所のイメージです。(重心や支持基底面などの専門的な説明は省きます)
意外と後ろ側だなと思われるかもしれません。もちろん人によって微妙な差はあります。
勘違いをしてはいけないポイントは、足の裏全体が床に接地していることが前提です。
図の青い印の部分が主に支えており、この3点が安定することで足は機能的に働きやすくなります。
最近では指が浮いている方が非常に多いです。
女性はヒールなどの影響で立ったり、歩いたりする際に指を使わない癖がついている場合があります。
その習慣が長く続くと、浮き指と言って、指が地面に接地していない状態で体重を支えることになります。
指が接地していないということは体重を支える面積が小さくなるということです。
ただでさえ小さな足裏で体重を支えている人間です。できるだけ広い範囲で支えた方がいいことは想像できるかと思います。
次に2つ目の質問。
ずっと立っていて疲れてくる部分はありますか?
理想的と言われている場所に体重が乗っている場合は、筋肉の働きも最小限となるため疲れにくいです。
逆にその場所から、わずか数センチ前後左右にずれるだけで、筋肉の働きや緊張の度合い、関節への負担は格段に大きくなります。その影響でふくらはぎや腰、肩、首などがだるく、痛くなることがあります。
例えば、体重のかかっている場所が数センチ前にずれるだけで、背中や腰、ふくらはぎの筋肉は、前に倒れないようにするために働きます。これが持続的に続くことで筋肉が硬くなり血流が悪くなった結果、痛みやだるさにつながります。
そのためまず体重をどこで支えているか、そしてどの部分に一番圧力がかかっているかを自身で感じることが大切です。
自身の体を感じることは普段あまりしないため、最初はわかりにくいかもしれません。
しかし整形外科的な不調や関節や筋の痛みの多くは、こうしたずれやゆがみから発生していることが非常に多いため、自身の体がどのようになっているのかを知ることが必要になります。
さらに自身の体をうまく動かす能力も大切です。
自分が思った通りに動かせていれば、転倒することもないし、階段を踏み外すこともありません。
しかし人間はつまずいたり、転倒したりします。それは筋力が弱くなったり、体が硬くなっているだけではなく、自分が思った通りに体が動いていないためです。
スポーツアスリートはこうした自分の体をコントロールする能力を高めるトレーニングをよくしています。
もちろんアスリートだけではなく一般人や高齢者も行うことが理想的です。
筋トレやストレッチ、有酸素運動だけではないトレーニングもあることを知り、そして今後そういったトレーニングを当院でも取り入れ、実践できるように努力をしていきたいと思います。
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