毎週金曜・土曜は腎リハの日
当院の特徴は運動療法ができる透析クリニックということです。
今回はその中心とも言える透析中の運動療法について解説していきます。
以前紹介した「てらすエルゴ」を使用した有酸素運動も行っておりますが、機械の台数が限られているため全員に実施するというのは少し難しい面があります。
そこで当院では自作のDVDをテレビで流し、ベッド上で筋力トレーニングやストレッチを行っていただいております。
全体の8割くらいの方が参加されており、前後には血圧測定を行い、安全を確認しながら行っております。
またスタッフ用のメニューも同時に作成しており、運動の時間には我々も一緒にトレーニングやストレッチを行っております。スタッフも参加することで、運動がすべての人に必要な物であるという共通認識が生まれます。スタッフの運動不足防止にも効果的です。
透析治療は3時間から長い方で5時間横になった状態となります。つまり1週間に9時間~15時間くらい日中横になっていることになります。その影響によって、筋力の低下や柔軟性の低下、筋肉の萎縮、活動性の低下など二次的な負の影響が出ます。それらは予防しなくてはいけません。この横になっている時間を減らすことは透析治療の特性上不可能ですが透析時間中、あるいはそれ以外の時間で運動することで、筋力低下などの影響を最小限にすることができます。
透析時間以外で自主的に運動することが最も効果的ですが、なかなか実践できる方は少ない印象です。そこで透析中の運動が効果を発揮します。透析治療は週3回必ず受ける必要があります。そのためこの機会に運動してしまうことで体力を維持、向上できる可能性があります。
また透析中に運動することで、体の循環が良くなり、体の老廃物が何もしない時と比較してより多く除去できたというデータもあります。
運動は一人ではなかなか続けることが難しいですが、スタックや患者さんと共に行うことで面倒な気持ちが少し楽になります。
運動の効果や必要性を今後も発信し、健康寿命の拡大を共に目指していきたいと思います。
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