当院では今年1月より月に1回、「七ふくタイムス」を発行しています。
時期に合わせた注意点やトピックスなどをまとめて患者さんにお配りしています。
9月は心臓リハビリテーションに通院されている患者さんの声をまとめてみました。
運動に対する効果はこのブログ以外でも至る所で発信されていますし、最終的に健康維持のためには運動、食事、睡眠であることは何度もお伝えしています。
生活習慣を見直す、変える必要がありますが、中でも運動習慣は最もハードルが高いのではないでしょうか。
自分を律するという意味では食事も運動も同じですが、少なからず身体的な苦痛を伴い、かつ面倒くさいとう気持ちに対抗する必要があります。
それらに打ち勝つためには運動をする目的や手段、動機付けが重要です。
以前にも書きましたが、医者に運動するように言われたから運動するのではやはり続きません。それは自分が主体になっていないためです。
誰かに言われたからと言っている間は、辞める理由も自分以外で探してしまいます。
医者に運動が良いという説明を受けて、自分が納得したから始める。この方が継続する確率は高いと思いますし、辞めるときも人のせいにはしないはずです。
このような動機付けは日々行っていますが中々成就することは少ないです。
我々としても運動が健康を維持するために不可欠であるということを何とか説明しなくてはいけません。
そこで心リハに通院されている方にお願いをしてコメントをいただきました。
コメントを聴取していて思ったことは、運動を継続している理由が実にシンプルだということです。
「運動をしていることで安心する」「やらないと不安になる」「やっているという達成感」など以外にも抽象的な意見がたくさんありました。
もちろん具体的な意見もあり「歩く距離が伸びた」「1000歩歩けるようになった」「腰の痛みが楽になった」「〇kg痩せた」などがありました。
運動をする目的や理由は人それぞれですが、皆さんに共通していることは、「病気を治すためだけではなく、自分の生活のためにやっている」、ということをしっかり認識しているということです。
これは案外忘れられていることです。病気を主体にすると、病気を治すためだけに注目し、病気が治らないと効果を感じないという考え方になります。
病気を持っている自分の体を良くするために行うと、主体が病気を持っている自分自身になり、病気の有る無しに関わらず総合的に自分のいい部分を伸ばしていくことに注目できるようになります。その結果生活の質が改善することにつながります。
また運動している方は前向きです。
前向きだから運動しているということもありますが、運動しているから前向きな気持ちを維持できているという見方もできます。
皆さんはリハビリの利点や必要性をよく理解しておられ、それをしっかり認識して行動されています。
運動をしようとしている人、したいけど行動できていない人、する気が無い人などさまざまおられますが、すべての人に自信を持って勧められるようにスタッフの知識や行動も変えなくてはいけません。
運動療法は患者さんのみが行うのではなく、周りの援助や声掛けなども重要です。
一人でやるのと複数人でやるのでは違います。
数の力で運動をもっと身近に、当たり前のものにしていきたいと思います。