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フィードバック、奥が深いぞ(受動編)
01. はじめに
・ 自己紹介
はじめまして。
サイバーエージェントのゲーム・エンターテイメント事業(SGE)でSumzapのデザイナーとして働いている新卒1年目の福井です。
UIUXLab Advent Calendar 2024 12/21を担当させていただくことになりました。(ぜひ他の記事もチェックしてみてください🙌)
まだまだペーペーの自分が記事を書くにあたり何が良いかなあと悩んだのですが、今回は一年目だからこそ実感できた学びを共有できればと思います。「FBの受け取り方」というピンポイントの話ではありますが、めちゃくちゃ大事な基本のはずです!
💡こんな方に役立つかも
・デザイナー職を目指している方
・ゲーム業界に興味がある方
・フィードバックに悩む方
・ フィードバックされてますか
フィードバック。FB。
こう略すことをここ一年で覚えました。
みなさん日頃FBされてますでしょうか。してますでしょうか。
生活の中で中々切り離せないものですが、仕事では特に多く発生します。
日々頂くFBを都度理解できた気でいた私でしたが、FBを正しく解釈するというのは簡単なようで難しく、この作業で気を抜くと成長が鈍化することを実感しました。
02. 良いFBを貰おう
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・ 「何を見て欲しいのか」伝える
そもそも、良いFBを貰えるかどうかは自分の行動次第でも大きく変化します。ただ作ったものを見せて「どうでしょうか…」と言っても、相手は「何が?」となっちゃいます。
相手が事前に把握している情報量にもよりますが、
①制作の経緯/目的
②具体内容
③特にチェックしてもらいたい部分
を明確に伝えることで、状況に合ったクリティカルなFBを貰う事ができます。
テキストベースの例だとこんな感じ⬇️
お疲れ様です!
UIデザインのFB頂きたくご連絡しました。
【前提】(①)
ユーザーの離脱を防ぐために、わかりづらい報酬画面UIを改善しました
【主な改善点】(②)
・レイアウトを改修
・装飾のコントラストを低く
・全体のマージン調整
【特にチェックしてもらいたい部分】(③)
リストの形状を一覧性のあるAパターンと拡張性の高いBパターンで迷っているので、ご意見伺いたいです。
(UIイメージやリンク添付)
場合によって制作のフェーズや、温度感も含めるとより円滑に進むかもしれません。
03. FBを貰ったら
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・ 表面だけで受け取らない
実際にFBを貰ってからの話です。
例えばいち画面のUIに以下のようなFBを貰ったとします。
👤「ここのボタンの色、赤にしようか」
単純なものですが、この言葉からどういう意図が読み取れるでしょうか。
内包する情報の強度が高いので目立たせたい
ただ汎用のルールとして赤が正しい
画面の色数を増やしたい
フラッシュアイデアでなんとなく提案してみた
それ以外
色々な可能性があります。
結論をそのまま反映することは簡単ですが、意図まで把握していなければ自分の中に技術が蓄積しない上、後から出戻りが発生する可能性もあります。
〜後日〜
👥「これなんで赤色にしてるの?白でもよくない?」
👶「あー、確か赤の方が目立つみたいな…どうだったっけ。き、聞いてみます」
これではただの伝言役です。ちゃんとFBの意図を吸い上げて表現に落とし込むことはデザイナーの大前提です。
手っ取り早い解決方法としては、「つまりそれは〇〇だからこうするということですか?」というやりとりを挟んでズレを無くし、自分が納得した状態にすることです。
👤「ここのボタンの色、赤にしようか」
👶「なるほど…どういう意図か伺って良いですか?」
👤「このボタンって情報の強度が高いから目立たせたいんだよね」
最初は👶「どういう意図ですか?」と聞いちゃうのがよいと思っています。ふわふわしているところを如何に放置しないかが重要です。
・ FBを元に方針を立てよう
FBの本質を真に理解するというのはもっと複雑です。
先程のFBの意図が以下だったとして、そこからまだ深く掘る余地があります。
内包する情報の強度が高いので目立たせたい
┗ そもそも本当に情報の強度が高いのか?
┗ 強度を高くするとして、赤が一番適切か?
┗ そもそも色の問題なのか?大きさや位置の問題もあるのではないか?
┗ もしかしたらこの画面以外のUIや仕様全体を見直す必要があるかも?
👤「ここのボタンの色、赤にしようか」
👶「なるほど…どういう意図か伺って良いですか?」
👤「このボタンって情報の強度が高いから目立たせたいんだよね」
👶「他だとarrowボタンにも赤使ってますが、そこと同じくらいの強度なんでしょうか?」
👤「あー確かに。そこまでではないかも」
👶「少し薄めの色とか、装飾やアニメーションで訴求強めるパターン出してみますか?」
👤「そうだね、もしかしたらそれで印象変わるかも」
と、案外別の解決法が見つかったりします。
望ましいのは例のように「FBをもらったその場で意図から解決の方向性までざっくり擦り合わせる」ことですが、それも場数を踏まないとなかなか難しいです。
課題解決とは、手段以前の目的から切り分けて適切な方針を立てることです。
FBを自分の技術として応用した根拠のあるアウトプットは、それだけ信頼も得られます。
04. さいごに
FBに限らず、会話は画像の劣化と似ているな、と思います。
人に伝わるタイミングで、どうしても元の品質は荒くなってしまいます。そこでいかに解像度を落とさずにインストールするか。受け取る側も伝える側も、少しの意識で格段に質が変わります。
これを踏まえてやり取りを積み重ねると、自然とアウトプットの品質と共に自身の観察眼、洞察力が成長すると考えています。
色々書いておきながら実践し切ることはなかなか難しく感じているこの頃ですが、そのさきでいつか自分の言葉で良いFBができるようになれたら嬉しいですね。