読書メモ・『QUITTINGやめる力-最良の人生戦略』ケラー・ジュリア著 2023年5月17日発行
世間一般的には、やめることというのは、あまり ポジティブにとらえられていない。 次のようなことをよく言われる。
頑張って続けるんだ。そうすれば、きっといい結果が待っている。
弱音を吐かずに前を向くんだ。
やめることは弱く、恥ずかしくいことだ。
現代の社会では、やめることは屈服や降伏を意味するとみなされている。
ところがこの本の結論は、努力は報われるとか、諦めないで頑張ることが社会的常識になっているんだけど、そうじゃなくてやめることも大切だよ ということが書かれています。
始めたことは、必ず終わらせなければならない訳ではない。やめたい時にやめられれば、人生の可能性が広がる。やめることは、人生の豊かさを信じること。なぜなら、やめることは希望だから。
何もしなければ、何も変わらない、何も変わらなければ知っていることにしがみつくしかない、たとえそれが刑務所の鉄格子であっても。
やめることは、非常口であり、遠回りすることだ。それは近道であり、想像力の飛躍であり、抵抗のために振り上げた拳であり、救いの手である。
それはまた大惨事を起こしかねない。裏目に出ればキャリアアップを妨げ、人間関係を破綻させるかもしれないから。つまり人生が台無しになるかもしれない。
同時にやめることは、人生を救うものにもなる。大まかに言えば、「やめること」は自分自身と未来に対する寛容な態度であり、自分自身に「これじゃない、今じゃない、後で何か別のことをしよう」と語りかけることだ。
やめることというのは、手つかずの新しい資源を得られる無限の可能性もあるってことだよ。やめること自体は価値ある選択、長年積もり積もったものが限界に達しているといった 心の声から発してることでもあったりする。
ともかくやめるということと和解して、そこに新しいスペースを用意して、人生の一部にしよう、やめるということとダンスをしよう。新しい自分に生まれ変わる チャンスだよっていうところは やっぱり響きました。
今ある自分は本来自分が思っている 望ましい 自分じゃなかったりするケースもあるわけで、一旦やめてみるっていう方法もある。いろいろ 人によって やり方はあるんだろうけど、あまりにも注力しすぎちゃった場合は、じゃあこのことに関しては10時まで頑張るけど、それで終わりにしよう、その後には違うことやろう、といった些細なやり方でもいい。ともかくやめることによって新しいチャンスを得られることがあったりする。
じゃあ 新しいことを始めたとしても、それを自分が注力するものかどうかわからないで、また さらに新しいことを始めるかもしれないけど。やめたことで吉と出ようが凶と出ようが、いずれにしろ今よりもどこか別の場所へ向かう途中駅にしか過ぎないんだよ。遠回りする事っていうのも 意外と 貴重なこと。
例えば サッカーが好きで夢中でサッカーをやっていても、やっぱり 得意不得手や、トップのサッカー選手になるのは無理だという人は、方向を変えて サッカー指導の専門家になる、解説者で成功したという道もあるしね。何も優秀な選手じゃないと優秀な解説者になれないっていうわけでもないし。
自分にやり直すということを許そう、許すというよりは自分にやり直すことをプレゼントしようっていうのもなかなか響く言葉だなと思いました。途中で一旦やめてみて、気づいたら再開して、ということでもいいんだし。そうすることで新しいやり方を見つけていくことになったりする。
タイガーウッズも、ゴルフで1位になることをやめた。どういうことかというと、1位じゃないと意味がないってことは諦めて、現状に合わせて自分のできることを やり尽くしていくことに注力した、とも書いてありました。
生まれて初めて 何かをやめてみて、とてつもない 開放感を味わう人もいる。ひとたび やめる力を知ると、それがどれほど前向きで人生を肯定し 癒す力になるか。
大切なのは 他人の期待に応えようとせず、自分の心と良心に従って行動すること。
楽しくないことを意識的にやめてみたら、別のことに取り組むためのスペースが生まれるはず。やめた後 何もせずにソファに寝そべっていたっていいし、好きなことを思う存分したっていい。
個人的に結論として 思ったことは、交感神経と副交感神経の両方のバランスが必要。 気張ってばかりいてもダメで、息を抜いたり。ブレーキとアクセルの両方があってこそ、車は安全に運転できる。 ブレーキのない車は それこそ危ない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?