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社員総会の決議を省略した一般社団法人の理事(全員)の重任登記申請について
■結論
一般社団法人で理事会及び監事非設置、理事3名という非営利型で最もシンプルな機関設計の場合、理事全員の重任登記申請に添付する主な書類は次のとおりです。
定款
社員総会議事録
就任承諾書
互選書
社員総会の決議を省略した場合、就任承諾書が必要です(総会議事録の記載を援用できません)。
なお、定款の定めに基づく理事の互選により代表理事を選定した場合は互選書が必要で、定款もともに必要になります。
■社員総会の決議の省略
一般社団法人は、社員総会の決議を省略することができます。
参考:一般社団法人における社員総会の決議省略(みなし決議・書面決議)|RSM汐留パートナーズ司法書士法人
具体的には、社員に社員総会提案書を送付し、書面による同意を得ます。全員の同意をもって社員総会の決議があったものとみなすという流れです。
結果として、社員総会は開催しません。社員が少数かつ多忙や遠方など、一堂に会するのが難しい法人にとって重宝するやり方といえます。
■理事重任の変更登記ってどうやるの?
今回も無事決議の省略に至り、議事録の作成を終えてめでたしめでたし。となるはずでした。しかし前回と違って今回は2年に1度の理事改選期。
え、社員総会の決議を省略した場合、理事重任登記の申請ってどうやるのかな。俺やったことない…。
■「議事録の記載を援用」では通らない
つまるところ、社員総会の決議を省略した場合、変更登記申請書の添付書類はどこまで省略できるのか? という問題です。
少なくとも就任承諾書は省略できるのではないかと思い、今回の議事録に「なお、被選任者は、決議の省略の同意をもって就任を承諾するものとする。」という一文を盛り込みました。そして変更登記申請書に「就任承諾書は、社員総会議事録の記載を援用する。」と記載しました。
結果これではダメで、「決議を省略した場合、就任承諾書が必要なんですよ〜」と補正の電話がありました。今回でいえば、理事3人分の就任承諾書を作成する必要があります。
■あらかじめ就任承諾書の作成をスケジュールに入れておこう
一手間省略しようとしたばかりに返って二度手間になりました。似たような変更登記申請をされる方は、あらかじめ就任承諾書の作成をスケジュールに入れておきましょう。
今回の申請に関してはもうひとつポカがありました。就任承諾書のことに気を取られて、定款の添付を忘れていました。これは理事の互選書とともに必要なものです。
「就任承諾書のときに気づけばよかったのですが、定款の添付が必要なんですよ〜」と2度目の電話が。
穴だらけの申請をしてすみません。今回学びましたので、今後はきちんと申請するつもりです。