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祭りの集客システムと娘の可愛さについて。

家族でお祭りに行きました。デザイナーの福田です。

地域のお祭りは、数十年、場合によっては数百年、数千年もの間、毎年何万人、場合によっては何十万人、何百万人もの人を集め続けるモンスターエンタメイベントです。

お祭りは、なんでこんなに多くの人を長く集め続けるのか。考えてみました。


そもそも祭りとは。

Wikipediaで調べると、

祭(まつり)とは、感謝や祈り、慰霊のために神仏および祖先をまつる行為(儀式)である。供物そのほかが捧げられる。

とあります。


祭りを主催する動機。

ほとんどの場合、お祭りというプロジェクトが立ち上がる理由は、神様やご先祖様に「ありがとうございます。おかげで今、我々はこういう生活ができています。来年もよろしくお願いいたします。」ということを伝えたい。ということでした。つまりは、日常の中の信仰心です。

今も、もしかしたら祭りを主催するおじいさんたちは、この信仰心が動機で動いているのかもしれません。


祭りに参加する動機。

しかし、祭りというイベントに参加するぼくら庶民は、この信仰心をあまり持ち合わせていません。主催者の想いに決して共感はしていないのです。では参加する側の動機は、何なのでしょう。

例えば、うちの娘の参加動機とお祭りから得られる便益は、きっとこう。という事例を、わが娘の可愛いスナップと共にご覧ください。


普段は着ない服装や髪型で男子を魅了したい。


普段食べないスイカを食べて男子に可愛さをアピールしたい。


口元を隠し、流し目で微笑む姿を見せて男子に可愛さをアピールしたい。


顔が大きい人と自分を並べて、自分の小顔を男子にアピールしたい。


ベビーカステラを無邪気に頬張って男子の父性をくすぐりたい。


その末に、新しい出逢いがほしい。



ぼくら庶民がお祭りに参加する理由は、概ねこんなところでしょう。


主催側の想いと参加側の想いの間にギャップがある。

主催者側は、ガチの信仰者の方々で、神や先祖へ感謝や祈りを捧げるために何百年も祭りを主催し続けます。


一方で参加側は、お祭りに参加している間、神や先祖のことを思い出すことはほとんどなく、気になる異性へのアピールやインスタにあげる写真を撮るために毎年祭りに参加し異常に高額なかき氷や焼きそばを購入し続けます。


このギャップをどう埋めるか。

祭りの主催側の人たちは、昔はただ神事を粛々と執り行っていればよかったかもしれません。アツい信仰心を持った村の仲間たちが寄付やお供え物を持ち寄ってくれて、結果として神様や先祖にバイブスを込めてメッセージを伝えたり現世利益的な力を賜って生きる活力を得たりできたわけです。

しかしある時、ただ神事を続けるだけでは目的を遂行することが難しいことに気付いたのかもしれない。今まで神の力で行なっていた(と信じられてきた)ことがテクノロジーの進歩によって代替されはじめた。いつの間にか庶民の中の信仰心が薄れてきた。と。


ちゃんとビジネスをやってる。

けど、神仏や先祖と交信することを諦めなかった祭りの主催者たちは、思い切って時代のニーズを享受し、ターゲット(庶民)の好みに最適化して祭りをリデザインしはじめたのです。

屋台というプラットフォームシステムで出店を募り資金をつくったり、提灯という固定報酬型広告システムで資金を集めたり、行政と組んで地域活性の名の下に出資を募ったりと、ビジネスマンたちと手を組んでガッチリ運転資金を作り出してきたのです。結果として、かき氷花火金魚すくい浴衣文化などのインスタ映え要素を祭りというブランドのアイコンに据えて、信仰心のない人たちの好みに最適化する意匠(デザイン)で祭りはエンタメイベントへと進化を遂げブランディングをしてきたのです。

つまりは、本業(神事)以外でマネタイズしているということなんですね。


哲学を商品化するデザイン。

日本人は、お金を稼ぐということに対して汚いとかずるいとかいうマインドブロックがある。的なことをよく聞きます。

ビジョン、ミッション、フィロソフィーは、何かプロジェクトを続ける上でもちろん大事ですが、この資本主義経済の上に生きている以上、マネタイズの仕組みもめちゃくちゃ大事です。アツい想いや健全な目的だけがあっても、完全なボランティアでは持続可能性が弱いからです。

全国のお祭り男たちは、意を決してちゃんとビジネスに手を出したんですね。結果として、宗教のニーズがほとんどない現代日本でも根強く神事を続けていけるし、何より中心にはアツい想い(祀りというコンセプト)があるので主催者側(信者)の数も途切れていないというわけです。

このように、哲学を無理矢理に商品化して市場に投入する力、やりたいことをやるというビジネスモデルを実現する力が、デザインにはあります。(※哲学の商品化についてはオンライングループで詳しく書いたので興味があれば参照してください。)

あと余談ですが、ベビーカステラを頬張るうちの娘の可愛さときたら、ご覧の通り最高なのです。(←この記事で本当に伝えたかったのはこっち)

以上です。


余談ついでに、ブランドのつくりかたを一緒に研究しませんか。

そんな可愛いすぎる娘を持つデザイナーのぼくは、ブランディングデザインで集客不要の状態を目指す経営者が集うFacebook非公開グループページを運営しています。

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