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天才デザイナーであるぼくが、コロナ以降、人類のために辞めたことと始めたこと。

今、ぼくが心から世界に望むことは、ぼくという天才デザイナーが「人類全体の利益につながる最高の仕事」だけに集中し続けられる環境を手にすることだ。更に欲を言えば、みんなにも人類以上の視座で自分達にとって最高の仕事を、みんなの合意のもとにやり続けてほしい。ぼくはそう願っています。

だってその方が、ぼくたちの世界はもっともっと美しくなる筈だから。


コロナ以前のぼくの仕事

今思えば(少し高い視座から見れば)、コロナ以前までの12年間、ぼくは「商業デザイナー」として、人類にとってとても危険な仕事をし続けてきた。マス・プロダクションのなかで人目をひく「刺激的なだけのデザイン」をし、クライアント企業やごく一部のカスタマーだけにとっては必要だけれど、人類全体にとって不必要な(地球にとっては有害な)製品や広告で自然を破壊し続けてきた。たった数万人、時には数百人のカスタマーだけを対象に、計画的陳腐化戦略やマーケティングによって作られた幻のユーザーニーズに踊らされて製品の外観とその販売方法だけをデザインしてきた。今思い返せばそれは、医者が癌や重病の治療や手術を放り出して、美容整形の仕事をしているのと同じだった。コロナ以前のぼくは美容整形しかしてこなかった。儲けるため、売れるため、利益のためにデザインという仕事が変質し、ぼくはすっかり、それが職能だと思い込んできた。というか、自らの保身、つまり自分やその家族だけが生きのびるために、その行為を正当化し実践してきた。悲しいことではあるけれど、結局ぼくは、自分の才能を駆使して子供たちにとって有害なゴミを作り続けてきたのだ。

ぼくだけじゃない。ぼくらデザイナーの多くは、毎日、支払い、返済、恩返し、負い目の解消、約束の厳守、投資、信頼を得る為の努力、管理、交渉、販売、交換など、他人との「そそのかし合い」や「追い立て合い」に多くの時間と労力を費やしている。みんな自分の本当の美意識を忘れ、「正しさ」という幻を信じ運用して働いている。経済成長を目的とした「みんなの正義」から外れた「悪人」を、正義の味方たちが更生させようとし、又、更生しない悪人には報いを与えようとしている。多くのデザイナーが不足感から来る「恐れ」という感情に従って、「働かざる者食うべからず」という言葉を信じ、「正しい暮らし」をしているように見える。結果として世界の風景は不自然に画一的で彩りが少なくなり、そこで暮らすぼくたちも、偏狭で不自由になっている。と、ぼくはそう感じている。

2年程前のある時ぼくは、そう感じて、とても辛くやる瀬無い思いになってしまった。一生懸命、家族のために働いてきただけなのに、それが結果として「未来の子供たちにツケを払わせる」ということに繋がっていると知ってしまった。

ぼくを始めとした多くのデザイナーが、長い間「やらなければならないこと」と「やってはいけないこと」の判断を権威に求めて、「お役に立ちますぜ」と、他人に隷従し、自分の理想とは別の「相手の理想」を実現するための手伝いをしてきたはずだ。市場経済制度と生産手段の私有を強く支持し、他人だけのために働いて、自分だけの利益を得て生活してきたのだ。「家族を養わなければならない」「家賃や税金を支払わなければならない」「他人に迷惑をかけてはいけない」「他人の役に立たなければならない」「与えられた仕事をサボってはいけない」「経済的に自立しなければならない」「良い親でなければならない」「社会のルールを守らなけらばならない」「今の仕事を辞めてはいけない」という観念、即ち、「経済的自由主義」という強い信条を持っていて、自分が信用してもらうことを期待して取引先と付き合ってきたのだ。


「稼ぐ」をやめた

今までのぼくたちには、それが必要だった。自分とその家族が今、生きのびるために、当たり前にそうしなければならなかった。これまでのぼくらにとって、ビジネスはとても美しい営みだった。

けれどぼくら人類はそろそろ、「ビジネス」という営みからゆっくり軸足を外して、子供たちのために何かもっと持続可能な社会システムを模索していいフェーズに入ってきたのかもしれない。少なくともぼく個人は、切実に「全く新しいデザインを始めたい」と、そう欲望し行動しはじめている。

「子供たちに美しい社会を手渡すためにぼくがデザイナーとして出来る事は何か?」

ぼくは2021年2月でお金稼ぎをすっかり辞めて、この1年と2ヶ月の間、本を読んだり、先輩や友人と対話したり、全国を旅したり、無料で仕事を請け負ったり、作品をつくったり、それを運用したりしながらずうっと考えてきました。


人類の未来をデザインするということ

そうして改めてぼくの中から出た「子供たちに美しい社会を手渡すためにぼくが天才デザイナーとして出来る事は何か?」という問いに対する結論。それが、

「世界中の仲間たちと一緒に、理想の世界のありようを巨大で具体的な美しい絵画作品として表し(推定約600m × 300m)、それを誰でもライセンスフリーでどこからでもアクセスできる形で全世界に向けて提案すること」だった。

その「Big Picture 2039」というアートプロジェクトは、2020年9月から静かにはじまって、ゆっくりとだけれど、完成に向けて今日も着実に前に進んでいる。2030年までに、この2枚の巨大な作品が世界を動かすことになる。絵を通じて人類が進むべき確かな方向性を矛盾なく決め込み、説明できるようになる。

このプロジェクトに取り組みはじめて以来、ぼくはお金稼ぎを辞めて、仲間たちと一緒に、人類全体にとって最も価値がある事業を無料でやり続けてきたし、これからも命をかけてやり続けていくつもりです。今までよりももっとそれだけに集中する形で。


Big Picture 2039について 

Big Picture 2039(世界絵プロジェクト)では「有料の地球(#B)」と「無料の地球(#G)」の姿を、それぞれ1枚の世界地図の上に描くことで、一目瞭然にその成り立ちを比較できるようにしようとしています。


資本主義とポスト資本主義との折り合い

この仕事に集中するとは言っても、ぼくがデザイナーとして「稼ぐ」を辞める事で、プロジェクトの経費や福田家を含めたメンバーの生活費が不足し、妻や子供たちをはじめとした仲間に不安や恐れを抱かせてしまっている、という現実も少なからずあります。

そこで、このnoteを読んでくれているあなたに提案があります。どうか是非とも、あなたやあなたの子供を含んだみんなの幸せのために、この事業を手伝ってください。ほんの100円だけでも構いません。一緒に人類を前に進める支援者として資金調達に協力してください。このプロジェクトが完成することで、ぼくら(今生きている全人類)や子供たち、またその子孫たちの暮らしは当たり前に、もっともっと幸せなものになります。


ぼくの働き方に共感し金銭的に応援してくださる方々を募集しています。


最後に

正直、最近のぼくの価値観や働き方について書くかどうか迷ったけれど、最近、「ぼくという天才がこっそり隠れて仕事をしていることは人類全体にとっての利益損失につながる。」と方々から言われるし、自分でもそう思うので、思い切ってnoteで書くことにしました。

そして書いてみてすっきりしました。これからもぼくは人類にとって最高の仕事に集中しながら、その実況中継を気ままに投稿していきたいと考えています。が、もちろんビジネスを否定するつもりはないし、読み手の価値観や行動を変えようとも思っていません。みんな幸せになるために正しい行動をとっているはずだから、それを邪魔せず、むしろ応援したい。

最後に、こんな天才すぎるぼくを支援し、ここまで生かしてくださっているすべての方々に、心から感謝です。ありがとうございます。


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