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【現代麻雀への道】35 夢の役満・九蓮宝灯

役満貴族の末裔なの?

役満のなかでも九蓮宝灯は別格として扱われてきた。九蓮宝灯と天和は10倍マンガン(子で8万点)にするグループもあるという。

しかし、現実に九蓮宝灯がそれほどアガりにくいかというと、そうでもない。

出現頻度で見るかぎり、一番難しいのは四槓子だ。そのあとに天和、大四喜、清老頭、純正九蓮宝灯が同じくらいの難易度で並んでいる。そして、地和や緑一色と続き、その次にやっと純正でない九蓮宝灯が登場する。こうして見ると、そこまでの難度ではない。

しかし、やはり九蓮宝灯は大役満だった。昔の中国では、九蓮宝灯をアガったら厄払いとして、隣近所に贈り物をして回ったという。

昭和5年に創刊された「麻雀」という雑誌に、九蓮宝灯のアガリが出た報告記が掲載されている。その内容を紹介しょう。

昭和4年10月6日、日本麻雀連盟の浜松支部主任を務める市川福三氏が九蓮宝灯を和了(ホーラ)した。

東風戦の2回目 (東2局)、市川氏の配牌には9枚のピンズが入っていた。

そこで彼はチンイツを目論み、順調に8p9p3p1pとツモって、チンイツをテンパイした。

124p待ちで、今なら1pで九蓮宝灯だ。しかし当時は9メン待ちの純正しか九速宝灯として認められなかった。当時は他の待ちでアガってもただのチンイツでしかない。

対局者はみな警戒して、ピンズをまったく打ち出してこない。1pは場に1枚出ている。このまま流局してしまうかと思われた。

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