伊達朱里紗pの麻雀は?
今風の強い麻雀だった
どなたかが、俺のnoteを見て、伊達さんの麻雀はたいしたことないのかなと思ってたから、実際に見て驚いた、強かった、的なことをツイートしてた。
俺も同感だ。開幕前の新規選手紹介で、甘く見る書き方をしてしまったことをおわびしたい。
ふつうに強かった。Mリーガーでは瑞原さんに近い麻雀だと思う。今風にギリギリまで攻めようとする。けっこうスピード重視だ。かといって引くところは引く。
女流って、攻撃的か守備的かどっちかに偏ってる人が多い。性格が出る。麻雀する女性は勝気な人が多いのか、世間の割合とは違って、攻撃的な雀風な女性が多いと思う。
とある女子プロが、瑞原さんのこと「彼女の麻雀は基本全ツだよね」と言ってた。そう見えるのかな?
伊達さんは瑞原さんと似てると俺は思うんだけど、ギリギリまで攻めながら、引くところでは引く。単純に攻撃型or守備型という分け方の一段上にいる印象を受けた。
ただし、上位者特有の特徴である、煮ても焼いても食えない重厚さ、分厚い守備などはない。岡田さんはそういう領域に入りつつある印象だけど、伊達さんはもっと若い麻雀だ。
1週間以上前の試合になるけど、伊達さんのMリーグデビュー戦を見ていこう。10/8の第2試合。瑠美ちゃんと同卓したやつだ。
ケース1
東1局2巡目
ピンフ形で速いけど打点はない手牌だ。何を切る?
伊達さんは白切り。
当たり前の打牌なんだけど、これができない人が多い。
序盤はふつうに字牌を切っていく。当たり前だけど、経験を重ねるほど当たり前にはできなくなる「常識」なんだよな。
ケース2
東1局4巡目
1シャンテンになって何を切る? ドラは1mだ。
伊達さんは4m切り。
牌効率的には1m切りになるけど、それがドラ。ドラなしの手で最速テンパイしても、リーのみはリターンが少ない。効率を少し損してもドラを残した方がいい。この一手だろう。こう受けておけば、ドラがトイツったときには勝負手になる。
ケース3
東1局5巡目
対面からリーチが入った同巡にこちらもテンパイ。ドラ1ペンチャン待ち。どうする?
伊達さんはノータイムで即リー。
渋川「これ堂々といけるのはいいですねー」
対面の沢崎のリーチは4s2sという切り順が好形であることを表してる。それでも、通ってる筋も少ない序盤ならめくり合いに参加した方が得だ。これは当然のリーチだと思うけど、それをノータイムで判断できるのは頼もしい。
この局は対面リーチの沢崎がツモアガリ。
この局を見ただけで、好感度が一気に上がった。押し引きの基本ができてる。
まだ20代、声優であることから、実戦量不足の甘い麻雀かと思ってしまった。そんな感じはない。打牌の間、考慮時間などを見る限り、実戦不足な感じはまったくない。女性Mリーガーで真ん中の実力は十分あるんじゃなかろうか。
ケース4
東2局2巡目
親番。何を切る?
伊達さんは1m切り。
おお! うまくね?
ふつうは8pを切ってしまいそうだ。赤5pを使い切ろうとしたら8pをこういう形で持ってた方が強いんだよね。6pチーしても好形が残るし、8pポンもできる。57889の8を引っ張る打ち方は、ドラまわりでやることだが、それを赤まわりでやってる。
この手は中を鳴いていくことになるけど、残った形がよくないからスピードはない。スピードがない以上、ドラと赤を使い切って5800に構えたい。時間かかってもドラや赤を使い切る狙いなので、ペン3m受けを残してひょっこりペン3mをツモっても、総合的にはそんなに速くならない。まずは好形を育てることだ。
そんなビジョンが見えてるゆえの1m切りだ。
ケース5
東2局5巡目
チートイツもありえる形で、1枚目の中が下家から出てきた。鳴くか?
伊達さんはポン。2m切り。シャンテンを落としても断固として8pを切らない。
鳴いていったのは俺的には好印象。ただし鳴いた方がいいというわけではない。どっちが得なのか不明だ。
相手が強くなるほどメンゼンでリーチツモの王道が得になり、相手のレベルが下がると動いて圧をかけることがプラスになる。
事実、瑠美ちゃんはこのあと、親が2つ鳴いたことでタンヤオのみ1シャンテンからオリてしまった。
瑠美ちゃんの席にいるのが隆晴で、多井、朝倉、沢崎という相手だったらメンゼンの方が得だと思う。メンゼンで進めるとテンパイしにくいけど、そのぶん打点も圧倒的に上がるからね。
俺は圧をかけることを重視するゴロ系の打ち手なので、こういう打ち方に好印象を持つけど、ガチガチの競技麻雀プレイヤーなら拙速に走った麻雀とみなすだろう。損得不明で、どっちかといったらスルー寄りになるのかなと思う。
ケース6
東2局6巡目
すぐに下家から8pが出てきた。鳴くか?
伊達さんはポン。2m切り。直線的に1シャンテンにした。
んー、これはやめた方がいいと思う。
南場のダンラスの親であるとか、上家が別の色に染めてるなどの状況じゃない限り、ドラまわりカンチャン2つの1シャンテンに進めても、アガリまで近づいてない。
この鳴きって形式的には2シャンテン→1シャンテンだけど、実質的には、1.8シャンテン→1.5シャンテンくらいの感じで、前進度が低いんだよな。出来メンツポンだから。
コバゴーがよく、字牌はポンするけど、そのあとはスルーして安全牌キープみたいな打ち方してるでしょ。愚形しかない1シャンテンはアガリまでは遠い。誰かからのリーチを食らって、手は狭いのに押すのは見合わない状況となりやすい。
形は悪くても、とりあえず鳴いて手を進めていった方が得なのは、相手が弱いときだ。
と俺は思うんだけど、2シャンテンから愚形1シャンテンに進む鳴きが損だというのは理屈として変なので、NAGA解析を受けたら、このポンはした方がいいと常識も変わるんだろうか? これは現時点では不明だ。
ケース7
東2局16巡目
テンパイしないまま、下家にチーされ、危なそうな8mを引いたところでどうする?
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