Mリーグファイナル最終日に見えたもの
素晴らしい勝負だった。
すでにいろんな人が書いてるし、何を書いても蛇足にすぎないって感じがして書きにくかった。
でも、Mリーグのコバンザメ業者として、何も書かずに今期を終えてしまうのは良くないよな。そう思って雑感を書くことにした。
石橋の浮かせ打ち
1回戦東2局。石橋がダブ東バックの親マンをツモった局。
この局を紹介してる人はみな、カン7mチーから始めてる。俺が印象的だったのは、その前巡の6sツモ切りと、もう1枚の腹ぼて6sの引っ張りだった。
この6sはツモ切り↓
その直後、下家に1mを切られてるけど、これはスルーした。
その次巡、カン7mチーで発進↓
このあと、中7p南西4mと5枚ツモ切り。
6sはドラそばの3枚見えで非常に危ないよね。この手はアガれたら親マン確定の超勝負手だから、腹をくくって6sをツモ切りすると同時にもう1枚の6sをずっと引っ張ったわけだ。この腹のくくり方がバッシーらしくなくて立派だなーと思った。
ここで1mポンで再発進↓
速度と好形の折り合いが今風だ。
1mポンの時点の牌譜も載せておこう。ね、場を見ると、6sはだいぶ危険そうで巡目が深くなってくると引っ張りにくいでしょ?
早々と南や西の安全牌と持ち替えようとはしなかったという。
ベタオリしなかった石橋
南1局1本場。白鳥リーチを受けて、バッシーがその現物でダマ3900点をアガった局。
リーチを受けたとき、バッシーは789sという安全牌を持っていた。白トイツというのは確実に通るというわけではない。
牌譜も載せておこう。
ね、カン7p残りだから、危険牌を切らずにアガるのはかなり厳しく見える。ならば、ダントツなので、安全な789sメンツを切っていってもおかしくない。
ここで白を切るのって、それが当たるリスクがあるだけじゃなく、脇が白を切れるようになってしまうのもあるんだよね。
なのに、ここから白をトイツ落としして、ラッキーにもアガりきった。これまたバッシーらしくなくて格好良かった。何が乗り移ったんだ?
ほどほど押しは最強AI・Suphxも多用する
あと2週間ほどで発売になるお知らせ本『Suphxの衝撃』に、同じような打ち筋がいっぱい出てくる。全ツかベタオリではなく、比較的安全な中間的な道を行くことが多いらしい。
見やすいように拡大したやつも載せておこう。
上家からリーチを受け、一発目に全ツの6m切りじゃなく、無筋でドラそばだけど、ワンチャンスであり、下家には通る2pを切ったわけだ。
そのあと1pをチーして6m押し。テンパイしたらカンチャン待ちでも押していく。上家リーチとラスを争ってるから、ここでオリるのはラスを受け入れてしまうのに近い。
AIって全ツかベタオリかの二極化というイメージがありそうだけど、Suphxは全然そうじゃないんだね。『Suphxの衝撃』には、こんなほどほど押しの実例が3つ載ってる。ほどほど押しはこれからのキーワードになっていくんじゃないか。
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