日本初の麻雀小説
この記事↓を読んでたら、村松梢風という小説家の名前が出てきた。
村松梢風って、日本文学史上ではたいして名前が出てこないけど、明治から昭和にかけて多作の小説家だった。大衆小説作家として人気あったんだと思う。
この人が日本初の麻雀小説を書いてるんだわ。その思い出話を。
すげー昔になるんだけど、「近代麻雀ゴールド」という今は亡き雑誌で麻雀史をたどる連載をした。
資料がほんとなくて苦労した。
当時の俺は昼間はベネッセで契約社員をしてたと思うので、時間がなくてきつかったはずだけど、それでも自力で調べるしかないから、麻雀の古いことを調べるため国会図書館に行ったりしてた。
このときは、上海のことを調べに行ったんだよな。
麻雀って、大正時代に上海から世界中に広がっていったんだけど、当時の上海のことが書かれてる本ってなかなかなくて。
当時の上海は、国と国を結ぶハブみたいな存在で、文化的にもすごくて、世界史上でも特異な街だった。ただね、そういうことを書いてある本はいっぱいあるけど、上海の麻雀事情というのはどこにも書かれてない。
村松梢風という作家が、上海を舞台にした小説を書いてて、その中に「賭博館の娘」という短編が入っているのがわかり、それを国会図書館まで読みにいった。
今ならネットで簡単に読める。これ↓
そしたらビンゴ! その短編に出てくる賭博とは麻雀だった。見つけたときはすげー嬉しかったわ。こういうのってだいたい空振るもんだからさ。大正13年刊行の『魔都』(村松梢風)に収録された短編「賭博館の娘」は日本初の麻雀小説だった。
この魔雀というのがそう↓
当時、麻雀という呼び方は安定してなくて、他の字や他の読み方も混在していた。
浅見了先生にすごくほめられたわ。よく見つけたって。浅見先生のサイトに紹介されてるな↓
この「賭博館の娘」とは、どういう話なのか。
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