遺伝するアルバイト生活【しょぼくれ中年ダイアリー】11月21日
最近、橘玲さんの『上級国民/下級国民』という本を読みました。これはおすすめです。ラストの30ページだけでも。今の日本と世界はどうなってるのかという見取り図の話として。
この本には、ぼくが昔、教育本に書いたような話がいっぱい出てきました。国内族の状況については『希望格差社会』(山田昌弘)という本がバックグラウンドになっている枠組みでしたね。
おお! 俺の昔の本もまだ古びていないじゃないか!
というわけで、ぼくの大昔の『教育格差絶望社会』から抜粋してみます。手抜き更新ともいう(==)ウム
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Bさんという知人のお嬢さんが高校に入った。そこでBさんは、いいバイト先を見つけて、バイトしまくる高校生活を送るようにハッパをかけているという。Bさんの言い分はこういうものだ。
「あたしも高校のときはバイトばかりで、学校よりもそっちのほうがずっと楽しかったし、学ぶことも多かったのね。それは今になっても大きな財産だと感じている。だから高校時代はいいバイト生活を送って、自分の携帯代や遊ぶお金もそこから出しなさい。そうすればお金の大切さもわかるからって、そう言って聞かせているの」
この話を聞いたときには、まさに職業が再生産される瞬間を見たように感じてしまった。Bさんは娘が中学のときから、高校に入学したらバイトするように言って聞かせていたという。
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