前世療法の愛好者と遭遇したら
娘1号が小学校高学年のころ、俺が決めた福地家の家訓があった。
といっても、俺は娘に生き方を語れるような立派な親じゃないことは自分でもわかってるので、家訓は1つしかなかった。
それは前世を語るなというもの。娘に前世トークをする女にだけはなってほしくなかった。
なぜか?
とにかく嫌いなんだわ。そういう脳みそがウニになってしまう世界にだけは行かないでほしい。
たったひとつしかない家訓。その効果があったのか、娘たちは前世トークはいっさいしない女性に育った。俺の教育は成功した。
家庭内ではうまくいっても、外の世界になったらそうではない。家から一歩外に出ると、前世トークをする恐ろしい女たちがうようよしている。しかも、仕事相手がそんな人だったりしたときは……。
そんな状況に陥ったことがあった。
すんげー昔のことなんだけど、『超入門 科学する麻雀』という本を作ろうとしていて、その本に巻頭漫画を載せようとしていた。
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