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フリー雀荘へのたかり実話 指が8本欠損した反社を連れてきて
今回は匿名条件の方に寄稿していただいた文章になります。たかりジジイに狙われた体験談です。
以下が寄稿していただいた文章です↓
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初来店で不条理クレーム炸裂
6~7年前のことになります。
私が店長を務めていた、とある点5の三人打ちフリー雀荘(すでにない店です)に、派手な身なりの老人がやって来ました。
バブル期のビートたけしや落合博満のような、クセが強い色遣いのニットをまとい、颯爽と登場しました。
この老人は表題の「指が8本欠損した反社」ではありません。この老人は指10本揃っていて、ちょっとだけイカつい感じ。しかし中肉中背よりやや小さいぐらいの体躯で、見た目はそこまで威圧的ということはありませんでした。便宜的にこの癖が強い派手老人を「老人A」とします。
もちろん普通に接客します。お店のマニュアルに従い、まずは飲み物(フリー希望のお客様は無料)のオーダーを伺い、フリーのルールを説明するという段取りです。
しかし老人Aは「飲み物なんてええから、はよ打たせろや」と、いきなり圧をかけてきます。仕方ないので、ルール説明も最低限のポイントだけ押さえたショートバージョンで、とにかく早く卓にご案内するようにします。
卓につくと同時におしぼりを渡し、預り金を換算したチップをサイドテーブルへと置きます。すると老人Aは、すぐさまおしぼりを丸めてサイドテーブルの一番下の段、手が届かないところに投げ込みます。それを横目で眺めつつ、私は自分も卓について、メンバーと共に卓を立てます。
この店はオープン直後だったので、新規のお客様に関してはオーナーにも情報共有しており、このときも卓を立てるタイミングでオーナーに状況を伝えていました。ほどなくオーナーも様子を見に来店します。
老人Aにオーナーを紹介すると、「おう」と軽く頷くだけでしたが……その直後に老人Aは大声を出します。「おい! この店は飲み物もおしぼりも出さへんのかい!!」
いや、飲み物はいらんと言われたし、おしぼりは渡したのを丸めて投げられてるんですが……とはもちろん言わず、すみません!今すぐご用意します!と答えると、オーナーも平謝りでおしぼりと飲み物を用意します。思えば、こうやってオーナーに負い目を感じさせるのも重要な戦略だったのでしょう。
もちろんその日の営業後、オーナーには事情(こちらの落ち度はなく、嫌がらせに近いクレームであること)を説明しましたが、オープンして初めてお客さんに怒鳴りつけられたという経験が、オーナーの意識の奥深くまで刷り込まれたのは想像に難くありません。そこからなんとなく老人Aには平身低頭で接する感じになり、言いなりになる素地ができてしまった気がします。
ついに新レートまで設定され
翌日、老人Aは今度は友人だという別の老人(これも指はある普通の老人、仮に「老人B」とします)と連れ立って来店します。
その時点で別の常連さんが1人店にいて、これでお客さんは合計3人、いわゆるマル(スタッフが入らずお客さんだけで卓が立つ状況)でしたが、老人Aは「仲間内で金を取り合いたくないから、オーナー呼んで2卓立てろ」と命令してきます。
私はあんまり言いなりになっては良くないと思ったので、聞いてみますが来られなければ同卓でやってくださいと返しつつ、連絡するふりだけでやり過ごそうとしました。
ただ前日オーナーが客に怒鳴られて落ち込むと同時に、私にもわずかな不信感(本当に飲み物やおしぼりを出していたのか?)をにじませていたような気がしたので、結果的にでも嘘をつくと不信感が重なってしまう恐れがあると判断し、いちおう連絡してみたところ、オーナーが飛んでくることになりました。
オーナーが店を訪れると、老人Aは「オーナーも来たなら子どものレートじゃやっとれんやろ」と、点5の店でピンの卓を立てるように指示してきました。オーナーは意外なほど素直に受け入れて、急遽ピンの卓を立てることに。
オーナーは普段からピン以上を普通に打っている猛者ですし、一般的にもピン程度はたいしたことはないのでしょうが、オープンして間もない店でいきなり客主導でレートを新設するなんてあってはならないことでしょう。店として明らかに老人Aに手を焼いていることは常連さんに丸分かりでしたし、この状況にしてしまったのは店長である私の責任も重大だったと思います。今であれば当然こんな狼藉は許さないのですが、当時は経験値も足りず、残念な状況になってしまったのは悔やまれます。
言いなりのオーナーを残念に思った面もありましたが、それ以上に現場責任者である自分の力不足を、オーナーに対して詫びたい気持ちも正直強くありました。
ただピンのゲーム代はテンゴの1.5倍と急遽定めたので、売り上げは開店以来最高を記録していて、オーナー的には戸惑いながらも喜んでいる雰囲気もあった気がします。
老人の麻雀の実力
老人Aは3日連続で来店し、いよいよ店内では我が物顔で振る舞い始めます。
3日目も老人Bを連れていましたが、こちらの老人Bはごく普通の麻雀好きの老人という感じ。対して老人Aは、かなり癖が強いタイプでした。
私もピンの卓でしばらく同卓しましたが、老人Aはとにかく卓の内外のすべての要素を使って勝ちに行くような、良く言えば勝負に貪欲、悪く言えばマナー違反の麻雀でした。まあ今の麻雀ファンには絶対に受け入れられないでしょう。
一つ例を挙げれば、老人Aがラス目で迎えたオーラスの親で終盤、自分が役牌をポンしている状況で、捨て牌を横に向けて切って来ました。あれ?偶然横を向いただけかな?と見ていると「この店では鳴いたらリーチでけへんのか?あん?!」などと言ってきます。
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