森内俊之永世名人との勝負 バックギャモン王位戦2022
バックギャモンのタイトル戦・王位戦に、今年は達人枠なるものが新設され、麻雀業界代表に選ばれた。
んで、第1戦に森内さんと当たることになった。
世の大半の人にとっては大げさすぎる話に聞こえると思うけど、バックギャモン人生というものを考えるなら、俺は日本一の果報者なんじゃないかね。マジでそう思う。
俺の専門分野である麻雀に関しては、何が運で何が実力かなんて判別できず、自分が幸運か不運かなんて決めようがない。でも、バックギャモンに関しては簡単に語れる。幸運すぎるわ。
なんとなくやりたくなってスマホにアプリを入れ、1万ゲームやった。そのことをツイートしたら、世界チャンプに声をかけられてフェスに参加。そしたら馬鹿ヅキで初級戦に優勝。
その結果と、そのとき書いたレポートが好評だったせいで麻雀業界代表の座に治まり、王位戦に招待され、森内さんと対戦できる。
森内さんのことは彼が十代のころから知ってる。バックギャモンでも日本トップの一人と言って過言ではない。
幸運すぎるとしか言いようがねーわ。麻雀の人で他に強い人はきっといるだろうに。
思えば、フェスのときの横田さんとの会話にすべてが凝縮されていた。
バックギャモンプロの横田さんに聞いた。バックギャモンはかなり直線的なゲームで、つまり底が浅いと思う。これは本当に人生を懸けるほどのゲームなのかと。
初対面の人に、なかなかそんなこと聞けねーよな。若い人だったから聞きやすかった。
横田さんの返事は、その問いには答えようがない。その答えを知りたくてやってる感じだと。
非常にわかるわ。我々の人生はそういう問いの回りをグルグル回ってるようなもんじゃないか。
10年くらい前だったか、知人の結婚式の二次会の席で聞かれた。麻雀って面白いんですかって。
たいして麻雀をやってないやつなんかなと思いつつ適当に返事した。その後、その質問をした人はけっこう麻雀をやったらしいと判明。
彼はそのときGoogle社員で、東大の中でも天才と呼ばれてたやつだったことをその後知った。
もう麻雀はやらないと思うと言ってたな。
俺は何十年も麻雀をやってて、あまり興味なくなって全然打たなかった時期もある。そのときは仕事の鬼だったし、もっと社会的なことの方に興味があった。
でも、その後また麻雀にハマる時期がきて、卓内が無限の広さに感じられるようになった。ふたたび。
麻雀は面白いのか面白くないのか、答えは出せねーよな。自分でも、こんなに麻雀を打ってて、俺って馬鹿なんじゃねーの?と思う。
俺は文章を書く仕事に飽きてるけど、本当に飽きてるわけでもない。ただ生活の手段に過ぎなかったら、こんな文章を無料で書くはずないわけで。
タクシーの運ちゃんだったら、ただ生活の手段ですよって人もいるだろう。
でも、将棋とか、麻雀とか、バックギャモンとか、文章を書くことが面白いのか、意義あるのか、人生を懸けるほどのことなのかといったら、答えはねーわ。
この前、zeRoさんと通話したとき、彼は俺のnoteきっかけでバックギャモンを始めて、数ヵ月で3000戦したと言ってたな。彼も底の浅いゲームだと言ってたわ。このゲームは変じゃねーか?って思うポイントが共通してた。
偉大なる将棋の羽生永世7冠は、10年くらい前だったか「将棋がわからなくなってきた」と語り、「あなたにわからなかったら誰がわかるんだ?」と、多くの人を唖然とさせた。
そういうものの回りをグルグル回り続けるのが我々の人生なんだと思う。
というわけで、森内さんとの対戦は震えるほど嬉しいわ。
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福地誠のバックナンバー2022年8月
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