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新天地を求めて

歌舞伎町の奥地へ

地獄店は地獄だし、そのあと行ってた馬鹿店でも大敗を喫したから、新天地を求めてみることにした。

奥地店。5勝戦をじゃんすかやってて、16時から打ってた人が19時からの5勝戦を取ったら倍の賞金をくれるという。賞金が高すぎて危ねー感じ。

こういう懸賞で釣る系の店には東京中の雀ゴロが集まる印象だわ。どうなんでしょうね。

前もって祝儀牌の枚数などを聞こうと思って電話したら、電話では駄目だといっさい教えてくれなかった。警察対策だよね。こっちだって正面からレートを聞く気はないんだけど、祝儀牌の枚数なども教えてくれんか。ちゅーわけで行ってみるしかない。

珍しく家から直で行った。

こんな歌舞伎町の奥地のほうだったか。そういえば大昔のことだけど、仕事の用事でこのあたりにあった雀荘までAプロに会いにきたら、その店ではAプロだけじゃなくBプロも裏メンやってたことがあったな。その2人は当時の業界のツートップと言える超ベテラン。違う団体のトップ同士が歌舞伎町で仲良く裏メンかよとあきれたわ。

初めて入るビル。エレベーターを降りてからウロウロしちまった。ドアを開けて入ってみたら、まーまー広めだった。

初めてですと言ったら、お客様カードを書かされた。

ルール説明してくれたメンバー氏が、ルー説初めてなんですけどと。初出勤なの?

ゲーム代500円、トップ賞600円。つーことは1卓2600円だから、1ゲーム650円か。

ルー説のあと「福地さんなら大丈夫でしょうけど」と言われた。俺なんぞ、Mリーグができて以降は業界の中心からすべり落ちちゃってる存在だけど、俺のこと知ってるのね。

歌舞伎町で新規来店のときに手指の欠損をチェックされなかったのは初めてかも。他のエリアでは「手指の欠損がある方は~」と口頭で言われるだけ、歌舞伎町では実際に両手を広げさせられる。その法則も変わってきてるらしい。

アウトローの人たちの主流がヤ〇ザから半グレに移り、もう不始末をしでかしたやつは指を詰めさせるなんて不合理なことはやらなくなってる現実の反映なんだろうね。加えて、麻雀はとっくの昔にガチギャンブルじゃなくなってるし。

待ち席にあったお菓子や食い物は貧弱だった。俺がいつも食ってるチョコパイやレーズンサンドはなかったぞ。

立ってたのは2卓。セット1卓。

平常時は赤2金2だけど、週末は赤3金3になってる。すごいのは白ポッチが祝儀3枚なこと。これは通常のアガリでも有効。つまり白ポン1000点でも、手の内にポッチを使ってたらツモって3枚オールになるという。

知り合いからこのルールを聞いたことあったけど、実際に直面すると驚くよな。こうなると、白がトイツのとき、ポッチじゃないほうが出たらスルーして2鳴きするわ。3枚はでかい。

メンバー君が抜け、その卓に案内された。

にーちゃん2人、おっさん1人。

1戦目

白の扱いがわかんねーよ。3枚はでかいとはいえ、字牌はくっつかねえ。

メンピン赤金でリーチした。出てきてマンガン3枚ロン。

静かだ。みな無言。

1000・2000の2枚をツモられ。

下家のにーちゃんに6000オールの5枚をツモられた。5枚はでけーよ。

オーラス、3900の3枚ロン。こういうアガリがでかい。順位は動かなくても、目の前の祝儀を確実に拾っていくこと。

初戦は2着。ほぼチャラ。

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