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アニメ制作現場に入ったら

とある分野の専門家が、アニメの監修をしてる。

その分野を日本舞踊ということにしよう(違うけど)。日本舞踊のマンガがヒットして、アニメ化されることになり、日本舞踊の専門家がそれを監修することになった。そのアニメ制作が現在進行中なのだな。

その監修者先生から話を聞いた。

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やってみてわかったけど、アニメつーかテレビに関わる人たちって基本失礼だね。マンガも含めて紙の世界の人は礼儀正しいんだってわかったわ。

テレビ制作の世界って、いつも人がいっぱいいてゴタゴタしてるでしょ。ゴタゴタしてるから、基本的なルールがなってなかったりする。人間があまり大事にされてる業界じゃないみたいで、それがこっちへの対応にも出るんだと思う。

収録が終わったのに、終わったと伝えてくれなくて放置されたことがあって、腹が立った。こっちはわからないんだから教えてくれよ!って。

アニメ制作会社って、すごく人の出入りが多いみたい。すぐ辞めるんだわ。以前、打ち合わせしてるとき、すべての中心になってる若い女性が「私は来週退社しますので」と言ってて、ちょちょちょ、あなたがいなくなって、今までの打ち合わせは何だったの? これあなたなしで回るの?ってビックリしたけど、他の人たちは驚いてる感じなかったわ。

礼儀がなってないとか失礼だというと、単純に人間性の問題に聞こえるかもしれないけど、そうじゃなくて専門性へのリスペクトがあるかが違う。

マンガでは、まず漫画家にその分野の専門性へのリスペクトがある。そういうのはマンガにはモロに出るからね。その分野を馬鹿にしてるマンガは面白くない。主人公が情熱を燃やす理由が伝わらないから。

そうやって漫画家がその分野をリスペクトするから、出版社の人たちもそれを尊重する。

ちょっとした手の角度とか、そういった細かいことにも漫画家はこだわる。そういうこだわりが作品の説得力につながっていくサイクルが回ってるんだわ。

それがアニメだと違ってて、その分野へのリスペクトがないんだよね。だいたい合ってればいーじゃん的な。

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