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文系vs理系

こんな質問を受けました↓

先生は浪人の夏頃に文転されて文3を受験したと過去のブログ等で書かれていたように記憶しております。
学生時代に読まれていた本のお話なんかを考えると、先生が人文系学部に進学を希望されたのは納得なのですが、当初理系を選ばれていた理由や背景はどういったところにあったのでしょうか?

ぼくは現役時に東大理Ⅰ、早稲田理工、慶応理工を受け、全落ち。

準備がまるで間に合ってなかったので、受かる可能性なかったです。でも共通一次(後のセンター試験みたいなもん)で82%取れてたので、出願したら筑波くらいは受かったと思います。

浪人して10月末に文転。

結果は、東大文Ⅲ〇、早稲田一文×、早稲田教育〇

以下は高校時代のぼくの浅はかな考えです。

ぼくは文系をめちゃめちゃ馬鹿にしてたんですよね。勉強できないやつらが行くもんだろって。

そもそも使う科目が馬鹿みたい。英語はいいけど、国語は一人前の科目とは思えないし、社会もくだらない。ぼくは歴史マニアな部分もあるんですけど、わざわざ学ぶほどのもんじゃない。その後の人生を生きていくうえで、歴史は何一つ役に立たない。

高等教育に進もうとするときに数学が不要って、国際的に見ても、それって一人前の集団じゃねーだろ。

私文は3教科に絞って歴史を大量に暗記して早稲田とか行ったりするじゃないですか。そういうグループに入りたくなかったんですよね。

そしてね、その後の人生を考えても、文系は受験科目と大学で学ぶことがほとんど関係ない。さらに大学で学んだことは就職してからやることと1ミリも関係ない。そういう人生の送り方も嫌でした。文系の勉強って、要するにロシアの拷問と一緒じゃねーか。穴を掘っては埋めてを繰り返すだけ。どれだけ労力をかけたか判定するだけ。一山いくらで売られる人たち。

文系人の仕事って、口先勝負でいかに世渡りするかの勝負。何ひとつ積み重ねない人生じゃねーかという。

理系だってそこまで立派なもんじゃないかもしれないけど、少なくとも学ぶ内容はサイエンスであって、ファクトとしては意味がある。仕事人生もそんな理想的な接続はないかもしれないけど、少なくとも学びを積み重ねていこうという基本設計はある。

あとね、口先での世渡りにも自信なかったから、堅実にエンジニアになるような人生を送ったほうがいいだろ。そう思ってました。

ぼくをなんのかんの洗脳して理系に行かせようとしてきた父の影響もあったかと思います。ガキのころからずっと洗脳があったので。

こういった文系嫌いの理由は、今になってもそこまで間違ってなかったと思ってるんですけど、ただひとつ誤算は、理系科目が嫌いでちっとも興味を持てなかったことです。

一番つまらなかったのは化学かな。物理も力学は面白かったけど、波や電気は嫌いでした。数学も1A2Bは好きだったけど、3Cは好きじゃなかったですね。

理系科目を嫌いすぎて、でも俺は文系に行くほど馬鹿じゃねーぞと思ってて、その自己矛盾になかなか気づかなかったんですよね。

どうしてこんなに勉強が嫌なんだろう?って浪人の秋になってから考え込み、その結果、そうか、俺は理系が心の底では嫌いなんだってようやく気づいたという。今でも覚えてます。10/25早朝、風呂に入ってるときに天啓を受けた感じで。

文転を決めてからの勉強は苦じゃなかったです。のちに文筆業になったくらいだから、文系科目の論述は得意なんですよね。

結果、受かったのはめちゃくちゃ強運で、たぶん10回受けて1回受かるかどうかの学力だったと思いますけど、その1回を引き当てたという。

大学に入ってから、いろんなやつと酒を飲んだりしながら、「なんで理系のやつらは経済の基礎を何も知らないんだろう? 俺も学んだことないけど最低限のことくらい常識として知ってないか?」って疑問だったんですけど、ぼくは日本史で経済を学んでたんですよね。浪人時に日本史を勉強したとき経済史が一番面白くて、ガキのころから知ってた日本史はじつは底流ではこうやって動いてきたのかって思いました。そう考えると、文系科目もそこまで馬鹿にしたもんじゃないかもしれませんね。

もし理系のままどこかの大学に入ってたら、絶対に中退したでしょう。大学で勉強したはずないです。文系ですら留年しまくったんだから、理系なら卒業できたはずないです。大学に入る前に理系嫌いに気づけて幸運でした。

そして今、昔は嫌ってた口先だけで世渡りする人生を送ってます。今になってみると、じつはこういう人生の送り方に適性があったように思います。

こうして若いころの自分からしたら唾棄すべき口先の魔術師として生きてます。


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