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30年前の同僚との戦い
馬鹿が集まる店
また来ちまったわ馬鹿店に。昨日も来たんだよな。
ルールが馬鹿だから馬鹿店なんだけど、ここに通ってる俺が一番馬鹿なんじゃねーか。
店に入ったら2卓立ってて待ち席に1人いた。俺と待ち席の客で新卓を立てるという。平日の夜中に3卓目だから、俺と同じような馬鹿がわんさか集まってる。
じつは待ち席にいた客は昔からの知り合いだった。昔というのは30年前のこと。俺が25歳とかの留年大学生で、彼は19歳とかのプーだった。場末のフリー雀荘で従業員のバイトやってて、そこで同僚だったんだわ。
そんな相手と30年後に歌舞伎町で会うもんなんかね。こういうの珍しくね? 当時の俺は麻雀業界とは何も関係ない場末のピン雀のメンバーだったわけで。
つーても、会ったのは30年ぶりでもない。数年前から近所の雀荘「部室」でよく会ってた。最初に会ったときは感慨深かったよ。19歳だった彼が頭が薄いオッサンになってるなって。
彼の名前は猿という。
猿の思い出
麻雀はかなり強かった。正直、一緒に打つの嫌だったわ。くそ強い雀ゴロとしょっちゅう同卓してた俺にしては珍しく苦手だった。
彼はあまりオリない。調子いいときはなんでも押してアガりきってしまう。
それは単なる全ツじゃねーの?って思いそうだけど、読みの能力が高かった。俺の待ちを何度一点で読まれたことか。リャンメンは一点じゃ読まれないんだよな。ドラ表カンチャンを一点で読まれる。
あれはどういう方法だったんかね。リー牌とか癖とか傷で読まれてたわけじゃない。牌の組み合わせの思考だった。相手の手牌がぼんやりわかってて、あ、ここは完成してねーわみたいな感じ方じゃないかと思う。
弱点はメンタルの弱さ。一点で読めて、たぶんこれだと思えても、実際に見えてるわけじゃないから、それを止めてオリるのって強い意志の力が必要だ。
んー、まーいーや、ほらよ、みたいに切ってくることもままあった。
俺は真逆のタイプだったんだよな。俺は自分の麻雀の技術は信用せず、とにかく自分の決めだけは絶対に守るという意志の力で勝負してた。
切る牌は切るし、オリる牌はオリるし、自分の決めは絶対に守り抜くタイプだった。
今でも覚えてるけど、メンバー戦で猿と打ってるとき、オーラス、俺がラス目の親で、こんな感じ↓の手牌でテンパイしてた。
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猿からリーチを受けて、ここに一発で引いたのが4p。
猿の捨牌には3p8pが切れてて間四軒。
この店の赤はマンピンソー1枚ずつじゃなく、赤5pが2枚なんだよね。だから36p47pは常に危ない。
自分の目から見て47pは7枚見え。これは入ってねーわ。これは当たる。
しかし自分の捨牌に3p4p5pと切ってて、この4pを止めたら絶対フリテンになり、アガリ目はほぼなくなる。
自分の手牌に現物は1枚もない。
これさ、ふつうなら4pをツモ切りしない? だってラス目の親なんだよ。オリたらラスが確定する。だったら危ないと思っても勝負するしかないよね?
今だったら、間四軒の危険度は他の無筋と大差ないみたいなデータを語るやつもいそうだな。データはすべてのリーチ捨牌を対象にしたもので、その色のシュンツがありそうかどうかを加味すれば結果はめちゃ変わるわ。
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