メンバー時代の後輩と数十年ぶりに再会した
不思議な再会
日曜日の真っ昼間、ダンスの帰り道、新宿で下車。
俺は麻雀やってるほど暇やないんや! 雀荘なんか寄らないんや!
そう思ってるんだけど、何か不思議な力が働いて、何者かにあやつられるように部室へ。
立ってたのは1卓。部室が昼間に1卓なんてことがあるんか。丸だった(丸とは客4人のこと)。
しばらく待ってたら、1人来店したので、そこで卓が立った。
来店したオッサン、対面のやつの顔を見てたら、むむむ、こ、こいつは知り合いではなかろうか。
学生時代からの知り合い。もう30年前近い。
俺は留年学生だったころ、近所のフリー雀荘でメンバーのバイトをしてた。けっこうゲーム代バック0の過酷な環境だった。同僚たちはみんな借金の海に沈んでた。
こいつは最初そこの客で、のちにメンバーになったやつじゃないか。当時、俺は25歳かな。彼は19歳。
その店には何人かメキメキと強くなった19歳がいて、他の客もメンバーもまったく強くならないのとは好対照だった。10代の吸収力ってすごいものがある。
彼も強くなったうちの1人で、俺の待ちを何度一点で当てられたことか。一点読みというと、今ではうさん臭いものとして語られる。まー確かにロジカルな存在ではない。
盲牌の傷とかリー牌の傷で読むのって一点で当たりやすいんだよね。あとは鳴き読み。牌理ではなかなか一点の断定にはならない。
彼はどんな方法だったんだろう? 傷読みではなかった。方法は不明。なんか、やたら当てられたんだよな。それも愚形を。ドラそばのカンチャンはほぼ当てられた。
しかし、勝負に徹してないというか、甘いというか、わがままというか、「これか…、どうしようかな…。まーいーや、ほらよ」みたいな放銃が多かったため、鬼勝ちするわけではなかった。
読みは鋭いけど、わがままでオリたがらないタイプ。アガるときはすげーアガり続けるけど、振り込みも多い。そんなタイプだ。技術はあってもプロに徹してない麻雀とも言える。
俺は対照的だったな。麻雀の技術的に特別なことは何もできない。それでも、何があっても給料を持って帰るんだという強い意志を持って打ってたから、「まーいーや、ほらよ」みたいな放銃は絶対にしなかった。技術じゃなくメンタルで勝負してた。
成績はどうだったかな、俺の方が良かったんじゃないか。
そんな相手と数十年ぶりに会ったのだった。
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