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刑事事件と示談⑥ 「許す」かどうか

 今回も刑事事件と示談について説明していきます。
 この記事では、示談書において、被害者「許す」旨の記載をするかどうかについてです。

1 「許す」とは

 示談書を作成する場合、刑事処罰に関する被害者の方の意見を記載することが多いです。
 この記載はさまざまです。
 いくつか例を示します。

・加害者を許し、刑事処罰を望まない
・加害者に対する寛大な処分を望む
・加害者の更生を希望する

 「許す」旨の記載を宥恕(ゆうじょ)と呼びます。
 そのため、「許す」と定める項目を宥恕条項と呼びます。
 宥恕条項があると、不起訴の可能性が高まります。

2 「示談ができれば不起訴になる」とは限らない

 「示談ができれば、すべての事件が不起訴になる」わけではありません。
 示談のみならず、事件の内容や、前科・前歴の有無と内容など、様々な要素によって起訴されるかが決まります。
 そして、示談が成立したかどうかだけでなく、成立した示談の内容も重要です。
 示談が成立しただけでなく、示談書で「許し、刑事処罰を望まない」といった記載があれば、不起訴の可能性が高まります。
 反対に、示談によって弁償ができていたとしても、「許す」や「刑事処罰を望まない」といった記載がないと、事件によっては起訴されることがあります。
 慎重な対応が必要です。

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