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#3:さりげないアートで街を明るく
街が暗い!?
爽やかな青空、透き通ったコバルトブルーの海。
インターネットで見る沖縄の写真は、まぶしい太陽の下で色鮮やかな情景が広がっています。
その反対側で、大通りから1本裏路地に入ると少し暗く感じる街もあります。私たちがプロジェクトを進める、東町ビルがある通りもその1つ。
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なぜ、街が暗く見えるのか?
コンクリートの建築物は元から無機質な色味ですが、時間が経って劣化するとシミや錆が加わって、より一層寂しい雰囲気が際立ちます。
人通りが少ないとなおさら。
では、なぜ、日本の建物は色味が少ないのか?
まず建築予算が限られているので、塗装代を抑えている事情があるかもしれません。職人の数も少なくなってきている現在では、塗装がぜいたくなアイテムの1つになりつつあります。
また、景観条例による制約があります。
那覇市も、全域景観条例区域になっています。
ちなみに那覇市・東町エリアの景観計画を調べてみると、
<景観整備の目標>
・住・商・業の混在地区に一定のまとまりをつくり、低・中層建築物と高層建築物が調和する、活気・賑わいのある景観形成を目指す。
目標に「活気・賑わい」とある一方で、
<全体方針>
①エリア内の都市河川空間との一体化によって 確保されるオープンスペースを活かした水・緑 豊かな街並み景観の形成を図る。
②微地形と平坦地(埋立地)という特性を活か した賑わい空間・沿道景観の形成を図る。
③接する建物との連続性に配慮したファサード の形成に努める。
周囲の建物に合わせる努力をすることが、景観計画の中で謳われています。
<景観形成基準>
・都市に統一感を与える色彩とする。
・建築物及び工作物の外観における基調となる色は、コーラルホワイトを中心 とした暖かみのある淡い色(別表)とする。
丁寧に色まで指定されています。
確かに、目立つ色味にするのは、なかなかハードルが高そうです。
そして、仮に景観条例がなかったとしても、周囲から浮きたくない・目立ちたくないという、日本人の性質もあるかもしれません。
ちょっとした工夫で建物の雰囲気が変わる
街を明るくするのは、何も色味ばかりではありません。
ちょっとした遊び心で明るく、面白くすることができます。
例えば、練馬区のあるアパートでは、「おもちゃ箱」というコンセプトで外装をリノベーションしました。
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何の変哲もなかったブロック塀が、さながらロボット工場のような雰囲気に。
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アイディア1つで見せ方を少し変えるだけで、近所の人たちの注目を集める場所に変わります。
また、以前遊びに行った石神井の「R」というアパートでは、垣根を撤去して通りにむかって新しい玄関をつくったことで、オープンな印象の周囲の人たちが集うコミュニティスペースに生まれ変わりました。
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フルリノベーションをせずとも、視界に入る範囲を化粧直しするだけで、大きく印象を変えることができます。
東町アートプロジェクト
東町ビルでも、この2つの要素(①視線に入る高さの印象を変える、②遊び心のアートを加える)を、取り入れる計画です。
特に商業施設は、人の関心をひいて中へと足を運んでもらう必要があります。
周囲の景色を邪魔しないように注意しながら、街を歩いている人たちの気持ちを明るくして、思わず笑顔にする仕掛け。
例えば、スナックの窓が元から遮光されていることを利用して、窓に東町のシンボルになるようなアートを加えてみる。
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通りを歩く子供たちが、雰囲気が変わった東町ビルのことを話題にしながら会話する様子や、
観光客や学生たちが、このビルの前でドリンクや軽食を手に、ちょっとした記念撮影をする光景が思い浮かびます。
このアートプロジェクトに関わっているのが、and supply さんです。
東京を拠点に活動するクリエイティブスタジオで、スペースデザイン、グラフィックデザイン、壁画製作など、幅広く手掛けているプロ集団。
東町ビルのお色直しでも、エリアの歴史を振り返り、周辺環境とのバランスを考えながら、様々な企画を一緒に考えています。
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ビルと一緒にある思い出が、キラキラと色鮮やかに残る。そんな場所になることを目指しています。
アートは気持ちを明るくするのはもちろん、人が集う場所となり、そこで会話や交流が生まれて心を繋ぐ効果もあります。そんな場所が増えれば街全体がどんどん明るくなっていく。
アートに溢れる街、東町。
アーティストが集まる街、東町。
妄想と夢を膨らませながら、プロジェクトの準備を進めています。
お楽しみに!