マガジンのカバー画像

文化人類学カフェ便り

20
※2010年7月から京都府舞鶴市の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」主催事業である「シリーズとつとつ」(ダンサー 砂連尾理・哲学者 西川勝・文化人類学者 豊平豪が協働し…
運営しているクリエイター

#老人ホーム

文化人類学カフェ便り2013年12月

「家」

 11月15日の人類学カフェは『家』がテーマだったわけですが、参加者全員が家に求めるものとして共通していたのが「解放感」でした。窓の位置だったり、風通しだったり、明るさだったり。「庭へつながる広い縁側があれば様々な人が出入りできて解放感がでるのに」という意見も出ました。

 考えてみれば「家」はもともと個人の所有物ではなかったはずです。一族のものであったり、ムラのものであったり。「所有」

もっとみる

文化人類学カフェ便り2013年9月

「リング(輪、円、環)」

 8月28日のテーマは『リング(輪、円)』でした。初めての図形(?!)がテーマの回です。考えてみれば、タイヤも○。缶も上から見れば○。構造的に強いので生活の様々な物に使われています。

 また、「夫婦『円』満」「『円』熟」など、言葉としての「まる」にはよいイメージがあります。時間も1から12までの「円」で表現されることが多いですね。午前と午後の2回、ゆるやかな円を描きま

もっとみる

文化人類学カフェ便り2013年8月号

「サイボーグだらけの日本?」

 7月25日の人類学カフェのお題は『サイボーグだらけの日本?』でした。SFアニメや特撮ヒーローで有名なサイボーグですが、辞書的な意味は「身体の機能を電子機器をはじめとした人工物に入れ替えるコトで身体機能の補助や強化を行った人間」のことです。

 考えてみると、私たちの日常はサイボーグであふれています。車椅子利用者もそうですし、人工関節、人工臓器利用者もそうです。目が

もっとみる

文化人類学カフェ便り2013年7月号

「大人の雑談」

 文化人類学カフェでは毎回お題を決めて、参加者たちとちょっとまじめで楽しい「雑談」をしています。世代も所属もばらばら。20代から90代まで、グレイス村のみなさん(特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづる職員・入居者の方々)はもちろん、学校の先生やフリーター、会社員までいろんな方が来られています。

 6月21日のテーマは「髪の毛」。髪の毛と持ち主を同一視するという考え方は古くから

もっとみる