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ニセコクラシック2023 19位 世界選手権出場権獲得

ニセコクラシック2023に参加してきました。結果としては19位で目標だったグランフォンド世界選手権出場権を獲得することができました。今回はそのレースレポートです。


前日まで

ニセコクラシックへむけた準備

ニセコは昨年の鈴鹿エンデューロが終わってからターゲットにしていたレース。鈴鹿で総合2位に入ったことで自分も多少はロングのレースも戦えるんじゃないかと思い、ニセコで走ることを決めた。ニセコのコースは最大でも40分のクライムがあるのみで、それ以外の登りは5-20分程度の登りばかりだったので、SST shortをメインに冬は練習をしていった。
1-2月は全く乗れず、3月に必死でSSTを叩き、復調してきた4月も落車して乗れず、5月になってやっと本格的に練習がこなせるようになってきた。富士ヒル2週間前にニセコのコースを試走へ。この時は5時間かかったし新見の登りは30分かかり、Stravaのセグメントデータ見てみんなこんなスピードで登るんかと驚愕していた。個人的に新見の登りが一番の鬼門に感じ、20分前後のメニューに取り組んだ。

5月に試走した際のタイム。144wしか出なかった。

6月頭には富士ヒルがあったが、これも45分までは絶対にドロップしないという目標で臨んでいた(結局本番は45分丁度で集団からドロップ、62分50秒だった。平凡なタイムではあったが個人的には満足だった。)
ニセコの直前には5.5w/kgまで戻してくることができ、パワーの面では多少安心していた。

富士ヒルのゴールシーン。ここだけ見ると優勝したみたい

直前の練習

月:フルレスト
火:Marken ヒルクラ課(15min4.5w/kg を4set)
水:ineos warm up+10分5.5w/kg
木:ineos warm up+15分5.5w/kgを2セット
金:30分フリーライド
土:フルレスト
 調整練習を行う一方で週の後半にかけてカーボローディングを行った。週前半では白米を半分豆腐に変えたりして量を減らし、週の後半では米の量を二倍にする、間食に餅を食べるなど空腹の時間帯がないように心がけた。

ニセコへ

前日

 金曜夜に名古屋から新千歳に飛びニセコへ。セコマの豚丼とおにぎり、春雨サラダ食べて就寝。
 土曜は7:30に起きて8:00からホテルのビュッフェに。炭水化物メインで食べようと思ってひつまぶしを取りすぎ、パンパンになりながら食べ切った。その後ダラダラして11:00ぐらいに受付へ。最後のゴンドラ坂だけ車で通りニセコにきたんだなぁとちょっと感動してた。昼飯はセコマのペペロンチーノ。

ホテルの朝食。奥に見えるのは羊蹄山

 またホテルに戻ってウェアの準備、昼寝して16:00過ぎに倶知安のコープに買い出し。そのまま夕飯のパスタを食べる。ここのレストランは本当に美味しいのでみんなぜひ行ってみて欲しい。

倶知安駅前のfamily restaurant roco

 ホテル帰って風呂に入り(普段はレース前はシャワーで済ませるが疲労がたまっている感じがしたのでちゃんと露天風呂浸かった。星めっちゃ綺麗だった)、キレートレモン、mag-on、野菜ジュース飲んで20:00に就寝。

当日

 3:00起床。赤飯のおにぎり、塩サバ?のおにぎり、大福、桜餅を食べる。レーススタートが6:15なので3:15までに食べなきゃいけないが間に合わず。3:30に完食。
 輪行のせいで太もも付け根に痛みがあったのでバンテリン塗ってファイテン貼ってパッキング。4:30にホテルから駐車場へ。
 ダラダラして5:00に受付、トイレ行って着替えてチップチェックして、またトイレ行って、、、。シモジマンさんとか小出さんとか凄い方々が沢山いて感動。
 パレードラン区間もあるのでそこで上がればいいやと思い、整列は後ろの方だった。

補給や機材など

補給

フラスク(250ml)にmag-on青みかん味を6つ
Eliteのフライボトル(750,950ml)にmag-on、パラチノースを経口補水液に溶かしたもの
エネ餅(甘酒)一つ

ウェア

サンボルトセパレートワンピース
サンボルトエアログローブ
ヘルメット:Kabuto flair
シューズ:Lake cx301
シューズカバー:Nopinz flow overshoes
サングラス:Oakley jawbreaker

ウェア

機材

バイク:canyon ultimate cf sl7
ホイール:mavic ksyrium pro exalith
サイコン:wahoo ELEMNT bolt

バイク。canyon ultimate cf sl7

レース

目標:世界選手権出場権獲得

ニセコクラシックはスタート時のライダー総数の上位25%がUCIGFWSへの出場権を獲得できる。これを獲得するのが今回の最大の目標だった。

レースプラン

パノラマラインまでは安全に。下りは無理せず自分のペースで。勝負は新見の登り。上位25%といえどDNSが出ることは間違いないのでおそらく20位がボーダーになってくると思っていた。そのため同じ年代の先頭集団が20人前後まで絞られるまでは絶対に着ききると決めていた。

レースレポート:スタート~パノラマライン

スタート後パレードラン区間はなかなか密集しててカオス。昨年世界選手権に出ている備後しまなみeNshare坊選手の後ろにつく。集団内で落車もあったらしい。密集していたのでとにかく安全に走る。
左に2回折れて登りの途中でリアルスタート。急激にペースが上がる。坊選手の後ろにいたはずなのに周りがガンガン上げていくので気づいたら集団の中に飲み込まれていた。そのまま中で過ごす。
レース前に天照で昨年ニセコを走られた加藤さんから15km過ぎからの下りは絶対に前で入れと言われていたので徐々にポジションを前に上げていくが、時すでに遅し。下りには集団中盤で突入。もうマイペースで下ると心に決め、ガンガン抜かれていく。下り切ったところでactivikeのにっしーさんが止まっていた。

90km出る下り

登り返しで追いつかないといけないと思い、無酸素でガンガンに踏んで追いつく。500w近く出ていたと思うがすぐに復帰できてよかった。
そのあとは集団の中盤から後方でゆっくり。途中で同じく愛知勢のヤンコバさんを発見したので一緒に走る。気づいたら1時間ぐらい経ってた。
スプリントポイント超えて本格的にパノラマライン突入。最初はヤンコバさんの近くにいたがだんだん離れて見失ってしまう。気づいたら目の前にGOKISO森本選手、隣にGochi佐々木選手がいたのでこの2人についていこうと思い近くをキープ。15分ぐらいして隣にRXのジャージが見えたので確認したら先日の富士ヒルで同じ集団だった奥田選手だった。自分のことを覚えてくださっていたようでめちゃくちゃ嬉しかった。今日の目標はチームメイトか勝つところを最後まで見届ける(つまり最後まで残る)ことのようで奥田選手の見える位置を維持しようと決める。
神仙沼KOMまで3kmぐらいになって前の方でローテを回す。
KOM通過してパノラマラインの下りに入る前に前に飛び出す。自分は下りが苦手なので個人で最初のヘアピンを抜けたかった。これはうまくいき、途中で集団に捕まったが危険な箇所は抜けていたので安全に下れた。
下り途中の橋でmavicカーとか止まってて怖すぎた。

パノラマラインは36分212w。サイクリングペースで進んだ

パノラマライン下り~日本海へ

下り切って最初の補給場所はスルー。この時奥田選手のトイレの声掛けでトイレストップ。集団への帰還もRXの人たちの集団にのり無事にこなせた。補給はスルーしたものの実際には立ち止まってボトルを取っている人もいるレベルだったし、止まって取っても直後にトイレストップがあるので追いつけるように感じた。集団復帰後はやや左からの向かい風。ちょっと空腹感があったのでエネ餅一つとフラスクに入れたMag-on。この辺りは集団の中でぬくぬくしていた。基本的には穏やかな時間。正直もっと人数が絞られるかと思っていたがまだ全然残っている。多分100人以上同年代は残っているように感じた。

日本海折り返し~新区間~新見の登り口

先ほどとは打って変わって追い風。45kmぐらいのペースで集団は進む。2時間経過したのでMag-on。新見の登りでちょうどカフェインが効いてくるタイミングで飲むように心がけた。
右折して新区間。ここもセレクションがかかると思っていたので前半からガンガン踏む。奥田選手の後ろから絶対離れないようにして走る。最初は7倍、6倍あたりで踏んでいたが基本的に短いものばかりなので問題なくこなせる。三つ目の登りの頂上付近で左前で落車。怖かったがなんとか切り抜ける。

短時間高強度の新区間

ここから先も無難にこなして新区間は終わり。
基本的に平坦基調のサイクリング。コーナーの立ち上がりさえなんとかすれば問題なくこなせる。ただ、85kmの選手がこの辺りから出てくるので横に抜ける際はヒヤヒヤする。この辺りはシモジマンさんの後ろについてやり過ごす。新見に向かう川の橋を越える前の左折で真横でボトルを落とす人がいた。ヤバいと思ったが耐えれた。
新見の登り前の平坦で位置取りが激しくなる。集団も一列棒状に伸びどんどん有力どころが前に上がってくる。そのまま集団の中程で新見へ。

新見の登り

新見の登り

入った瞬間に強度が変わった。奥田選手の後ろについて一番右のラインから前に抜けて行くがなかなかキツイ。7倍近く出しているのに先頭集団が離れていく。聞けば先頭は8倍で踏んでいたらしい。
結局第二集団の先頭付近で耐える。この集団の中には昨年の優勝者であるアーティファクト石井選手やGOKISO森本選手など有力どころがいるのでいまは無理して前と一気に詰めなくてもいいと思い5.5倍でペースを刻む。右折してから明らかに前集団との差が縮まってきたのでブリッジをかけ先頭にジョイン。
そのまま集団の前のほうにあがりヤンコバさんと前で走る。後ろを見ると集団は30人前後に絞られていることに気づいた。同じ年代は25人ほど?このまま最後まで行ければ最高だと思いつつ下りに集団先頭で入る。

パワーデータ。前半は6倍付近だが最終的に5倍付近に落ち着いた。

サビナ農道の下り

この下りは疲れている上になかなかテクニカルなので注意が必要だった。札幌じてんしゃ本舗の方と数名で下っていたが途中でチェーン落ち。めちゃくちゃ焦る。なんとかハマってくれて下り直す。

三段坂二段目

最初の登りは7分前後。後半に連れて斜度があがる直登形式の登り。この登りでリアメカの変速が不調になっていることに気づく。トップ側で変速していないのに勝手に一枚重くなって軽くなっての繰り返し。仕方ないのでロー側でケイデンスで回す。
パワー的には悪くなくキツかったが無事集団で二段目を抜ける。

二段目の下り

右折して農道の直線で再びチェーン落ち。一度もとに戻したがまた落ちる。どうやらアウターに入れると落ちやすくなっているみたい。チラッとチェーンリングを見るとなんか歪んでる、こいつか原因。絶対にペダルを回さないと心に誓って下る。そうこうしているうちに千切れかけていたので平坦になった瞬間に全力で埋めに行く。高架下あたりで追いつき、三段目へ。

立て続けにチェーン落ちした区間

三段坂三段目前半

パワー的にはキツイがなんとか耐えれる範囲。なんとかついていく。が、三段目の前半の登り終わりが見えてきたところで3度目のチェーン落ち。これはすぐに復帰したがそこから下りと平坦だったこともあり一気に離れてしまう。ここからはTTかと腹を括る。

三段目前半。ここで完全に遅れる

三段坂三段目中盤

平坦を挟んで後半。85kmの選手をパスしつつもう後ろから追いつかれないように必死に逃げる。
最後の大学の看板が見えたところで4度目のチェーン落ち。これはイン側に落ちたので止まって付け直す。さっき抜いた人たちに抜かれていく。頑張れと声をかけられて泣きそうだった。ここまで145km走ってきて残り6kmで自分のレースは終わるのかと思って急に泣きそうになった。
付け直して走りはじめ、中盤の登り終了。

4度目のチェーン落ち。泣きそうだった

平坦~ラスト

とにかく変速したくなかったのでアウター固定、極力リアも変速せずパワーで押し切る。左に折れてからは向かい風。軽量級には辛い状況だったが、後ろの集団は見えないので自分のペースで逃げようと決める。
残り2km付近でRXの方に抜かれたと思ったら高岡選手だった。ついていこうとしたがもう脚も心も残っていなかった。
必死で踏んでいたが残り1キロの看板が見えてこない。気づいたら残り500m。どうやら必死で見えていなかったらしい。左に折れてゴンドラ坂へ。後ろを見ても多分逃げ切れる距離だったので必死に耐える。
辛すぎて辛い辛いと叫びながらゴールまで耐える。
なにか叫びながらゴールラインを超える。達成感と吐き気と腹痛とでぐちゃぐちゃになりながらトイレの横の草むらに倒れ込んだ。

叫びながらゴンドラ坂を登る自分、残り100m。

結果

3:56:29、年代別19位、世界選手権出場権獲得
NP196w
Av.speed 36.1km/h

19位

反省

狙っていた世界選手権への切符が獲れたことは本当に嬉しい。まさか本当に獲れるとは。メダルをいただいた時には今までやってきてよかったと心の底から思った。
それと同時にあのまま最後まであの集団に残りたかったとも思った。あそこでメカトラがなければとかあそこでもっと脚を溜められていればとか、思うところは無限にあるけれど、そんなことはタラレバでしかない。もし来年出るなら、今度こそ悔いのないレースにしたいと思う。
補給についてだがボトル2本、計1700mlのドリンクを積んだが実際には750を1本と200ml、計950ml程度しか飲まなかった。集団で走っているので思ったより強度が低くなることなどが要因だろうか。次回は750を1本、500を1本でいいと感じた。それか補給所付近でどうせトイレストップがあるので立ち止まってでもボトルを取る前提で500ml2本でもいいかもしれない。
ニセコ終わったのでちょっと自転車はお休み。気が向いたら乗ろうかな。
あとは普通にゆるポタで観光がしたいので皆さん誘ってください笑笑
最後に、今まで一緒に練習してくれた皆さま、レースでご一緒した皆さま、そしてニセコで一緒に走ってくれた皆さま、本当にありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかった!

羊蹄山とメダル。出て良かった。

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