2025年1月16日(木)ゴッドハンドOTリハビリ20

神の手作業療法士:G
ふくT:T
妻:P

G:トイレが危なかったとはどういうこと?
T :いや、間に合わなかったです。
G :便が快便でね
P:いろいろ食べるから
G:食欲が出てきてね
G:前回の時と今回の退院で何か違いますか?
T:そんなに変わりないですが、お尻の肉が落ちたと思いました。
G:痩せたんですかね。
P:筋肉が落ちた。
G:どういうふうに今後戻していくかですね。デイか訪問リハまではここでやって。
T:訪問リハを早くした方がいいとPTさんはおっしゃってました。そうするとG先生のがなくなるから困るなと。
G:装具は普段つけてない?
T:つけてないです。そうでなくても間に合わないのに、装具つけてたらもっと間に合わない。装具が汚れたら更に面倒くさいです。
P:病院ではずっと便秘だったのに。食べ過ぎなんだね。
G:帰ったらご飯が美味しいですか?
P:はい。
G:前回は左足に荷重して右足がワンステップ出たんですね。今の感じだと乗せられない。そんへん調節しましょう。右足が一歩出ればだいぶ楽になる。今は膝をロックしないと出ない。
T:助手席に乗っていた時はもっと左足を使っていた。でも今は車椅子ごと乗車している。
G:リスク管理的には今の方がいい。でも、トイレはケンケンでなく、左足に乗りたい。
G:入浴はどうしている?
T:明日からショートステイに行き、施設で入れてもらう。
G:初めてのショートですね。
G:膝がね、ちょっと曲がったままなんですね。前はもう少し膝が伸びていたから左足に体重をかけられた。今は体重がかかったら膝が抜けちゃうでしょ。膝の特徴はちゃんと伸びれば上と下がくっつく。ロックすれば筋肉を使わずに立てる。
T:なるべくロックして歩くのがいいというわけではない?
G:ロックさせると筋肉を使わないので、ロックさせればいいというわけではない。
G:膝を伸ばしてといえば入る。でもそれが瞬発的で続かない。電気が一瞬だけ入る。
T:健常者は腿前に持続して電気が入るのですね。
G:そう。それがなかなかPさんはできない。
T:たとえ何年かかってもいから、電気が入るようになるのですか?
G:それは何ともいえない。
G:随意運動。膝が伸びるとか普通は意識してない。体重が乗っかった時に自然に膝が伸びる。立ち上がる時に「膝を伸ばして」と言わない。勝手に膝が伸びる。プログラムされている。
T:それぞれの関節に頭から命令を出さないと上手く動かせないけど、普通は踵を踏んだら勝手に膝が伸びるのですね。
G:それぞれの関節の出力も、左右のバランスもオートマティックにコントロールできる。オートパイロットみたいな感じ。姿勢制御が自動的にできる。
T:その自動的な姿勢制御で1番大事なセンサーはどこにあるのですか?
G:足底。それと各関節の中にある。角度のセンサーと足底圧のセンサー。小脳に直接入る。
T:じゃあ、足底がしっかり接地している人ほどセンサーの働きはいいのですか?
G:そう。
T:では、爪先立ちとか変な接地をするとセンサーが上手く働かないから捻挫したりするのですね。
G:反射的というか、それが(足底が)着かないと。
T:じゃあ、足の裏がフラット接地した瞬間に膝が伸びる?
G:着けば伸びる。
T:では。「膝を伸ばせ」と言うより「足裏接地」と言った方がいい?
G:そうですね。
G:腓腹筋の内側が硬い。外側も硬いが。ここが硬いと足関節が底屈する。
T:その腓腹筋が緩むと膝が伸びるのですか?
G:伸びる。
T:膝が伸びると足関節が背屈するようになるのですか?そこが硬いから足関節が底屈するのですか?
G:もちろん、ここだけが原因ではないけど。でも1番ネックになっている。
T:踵に体重を乗せて立ったり座ったりした方がいいのですね。
G:足底筋も硬い。
T:以前、長母趾屈筋とおっしゃっていましたが、それとは関係ない?
G:長母趾屈筋は足底筋の一部。長母趾屈筋が短くなると足関節底屈になる。
T:長母趾屈筋は踵を越えてつながっているのですか?
G:そう。手で言うと母指の第一関節だけ曲げるのは長母指屈筋。根本から曲げるのは短母指屈筋。指相撲は第一関節だから長母指屈筋。
ーー立ち座りの練習ーー
G:(立ちたせながら)膝を伸ばして。
T:いま意識的に膝を伸ばしたの?
P:伸ばした。
T:それできるならいつか歩けそう。
G:いま調整して踵が着くので体重をかけられる(足関節が背屈して踵が着く)。
G:左足が着かないと手の力で立とうとする。手すりを手で引っ張ると広背筋を使う。広背筋を使うとカラダが伸びてきちゃう。頭が前に行かないと立てない。股関節が伸展すると腹筋が抜けちゃう。
T:背筋優位になると腹筋が効かない?腹筋は深層筋?
G:腹筋群。腹斜筋とかの。
T:それは腹圧とかは関係ない?
G:腹圧も関係ある。腹筋群が働かないと、立ち上がるのは難しい。腹筋が働いて前に体重が行かないと。背筋を使うと体重が後ろに逃げちゃう。
T:重心が後ろに行ってしまうのですね。
G:手すりにぶら下がっているような感じになってしまう。そうすると伸展の動きなので、足首も伸展してしまう。
T:伸展すると足底も伸展方向に動く?本当だ。腹筋に力が入ると踵に体重が乗るのがわかる。
G:それがカラダの仕組み。だからなるべく手すりを右手で引っ張らないで立つのが大事。しっかり腹部を使ってカラダが前に倒れてきて、踵に体重が乗った状態で立つ。それができないと、立った後の姿勢が乱れる(思い当たる節がある)。
T:なるほど。知らないと、ただ立たせればいいと思ってしまいますね。代償行為になってしまうのですね。
G:そうですね。
T:やっていることが意味がないということになってしまう。
G:私もここまで説明することは普通はない。ただ、理解していただけるので話す。そこを説明してわかった上で。普通は理解していただける方は少ない。今の立ち座りは凄く良かったのわかります?左足の踵が着いて、腿に力が入っている。左右にバランスよく体重が乗っている。
G:左足の踵を見ていて。こんなにゆっくり座っても踵が着いているでしょ?
T:それは先ほどG先生が腓腹筋を緩めて下さったから?
G:そうですね。腓腹筋の過緊張をほぐして、足底筋もほぐして、ちょっとした準備が必要。ちょっとするとまた戻ってしまう。じゃあ、やっても無駄かというと、やり続けていればできる。ここにいるうちは我々がやるけど、そのあとは旦那さんに。
G:この背屈は今までで1番いい。
T:何もしないと、だんだん戻ってしまうのですか?
G:そうですね。いま、バランスよく体重乗っていた。足底が着いて臀筋が効いていた。
T:足底が着いてないと臀筋が効かないのですか?
G:効かなくはないけど、より効くようになる。「足が支えているよ」という情報が入ると臀筋が効く。
T:最初の頃はベッドに座った瞬間に左側に倒れていたね。
G:今はだいぶいいと思う。


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