2025年2月25日(火) ゴッドハンドOTリハビリ25

神の手作業療法士:G
ふくT:T
妻:P
T:介護認定出ました。
G:いくつでした?
T:4です。
G:今まで幾つでした?
T:5です。
G:限度枠まで使ってないですよね。
T:はい。
G:サービス上は問題ないですよね。
G:立ってみましょう。
(立ち上がった後)
G:今日は踵が(床に)ついてますね(家でマッサージした成果か?)。
G:肘曲げる時、動き出しはちゃんと反応している。
T:これは上腕二頭筋と大胸筋で動かしているのですか?
G:上腕二頭筋だけど、肘の角度が鋭角でないとなかなか入らない。
G:肘が伸びている時には上腕三頭筋の方に力が入っちゃう。
G:でも、今までよりはっきり動くのわかるでしょ?
T:前はもっと左手はぶらんぶらんしていた気がする。
(ジャンパーをG先生が持ってきた)
G:袖の中に左手を通してみましょう。
T:これは重力で通してるのではなく自分の力で通しているんですか?
G:そうですね。
G:全身を使わないで、手の動きだけで袖に腕を通してみよう。
G:今までは腕に服の袖を介助者が通してあげていましたが、服に手が通って行く感覚が必要なんです。
T:服に腕が通って行く感覚が脳にインプットされるんですか?
G:そう。重力を使って手がダラーんと落ちて行く感覚。服の袖の中を手が滑って行く感じが分かります?
P:わかる。
G:通して、戻す。そう、そう。今、通らなかったのを自分で修正した。手の重さを使って肘を伸ばしながら、肩で押し込む感じ。手の感覚で上手く行くかどうか確認してみて。そう、そう。
T:全身を使って袖に腕を通しても意味はあるんですか?
G:全身を使ってやってもいい。今、失敗したの分かります?
P:うん。
G:そしたら、どうやればいい?体じゃなくて手が入ってくる感じ。そう、そう。
G:手が服の袖の中を潜って行くのができると、ここ(肩の周辺)が動くんです。
G:探索して、服と手が擦れて、滑っていれば正解で、突っ掛かった時になんとか潜ろうとするのが大事。
T:なるほど、こっち(腕の付け根)を動かそうとするのではなく。
G:服を着る時って、服を動かしていく感じではなく、どっちかというと、手が潜っていく感じ。手が潜っていく感覚を手が感じて、それに対し、肩が自動的に動く。
※動かそうとする場所に意識を置くのでなく、他に意識をやって、ターゲットの場所を動かす「教師信号」というやつか?
G:服を着るという動作が、今までに脳にプログラムされているわけ。その動作を甦らせる。今までは、人形に服を着せるような感じだったでしょ?
T:そうですね。
G:赤ちゃんに着せる時は、赤ちゃんは反応しない。ある程度になると自分から服に手を入れてくれるようになる(確かに!)。入れてくれる感じを思い出して欲しい。
G:大人になると自動的に手が入る。考えないで感覚で着ている。だから目を瞑っていても着られる。手が服を感じて、服に合わせてカラダを使おうとする。
T:服に合わせてカラダを使う。面白い。
G:能動的な動きなんです。
T:なるほど。
G:奥さんは、自分でマニュアル操作で(手を)出す動きはできるんです。それは服に対して、カラダを適応させる能力、動きではなくて、あくまでも自分の中から出すということ。環境に自分を合わせて行く方が多いんです。
T:アフォーダンス理論とか、エコロジカル・アプローチというやつですかね。教えるのではなく、環境に合わせて自分でカラダを動かすように仕向ける感じ。教え込むのでなく、環境を正しく設定した方が上達するという考え。
G:狭いところをすり抜ける時に、勝手にカラダが動くでしょ。
T:そうですね。
G:どういうふうにカラダを動かせとか子どもに言わなくたって動くようになるでしょ。そういうふうにすると要求されるカラダの使い方ができる。子どもが土管の中をくぐるように、袖の中を手が通る。そういう感じ。
G:手を見てるとパッパとできるよね。見ていた方ができるのは視覚情報があるから。今はカラダをマニュアル制御で動かしている。これを見なくても、手の感覚で動かしてほしい。
T:見て動かすのと、見ないで動かすので、脳の中で何が違うのですか?
G:見てやるのは、自分のカラダが中心で、それに対して、手がどう動くか。
T:自分のカラダが中心の動かし方は見てやる方?
G:見ないでやるのは感覚情報。感覚情報を頼りに手が動いている、
T:感覚情報が頼りの方がカラダが速く動く?
G:正確です。
G:視覚情報優位でカラダを動かすと、マニュアル操作でカラダを動かしている状況。
T:スキーのコブ斜面を見てから判断してスキー操作するよりも、足裏で感じてカラダを動かす方がいいんですね。
G:そう。反応速度が全然違う。「右出して、左出して」と歩かせたら遅いでしょ。
T:自転車乗る時にそんなこと考えてないですもんね。感覚情報ですもんね。
G:そう。右に傾いたらハンドルをどっちに切ってなんてやらないでしょう。
(※車の免許取り立ての頃は車庫入れの時に考えながらハンドルを動かしていた気がする)
T:自転車に乗るように袖に腕を通せるようになればいいんですね。
G:そうですね。でも、それは手の感覚が鋭くないとダメなんですね。感覚を頼りに腕を通す。
T:ということは、左手の指先に感覚があるわけ?
G:指先というより手背(しゅはい)を使っている。
T:しゅはい?
G:手の甲。手の甲の感覚は全くないわけではないですよね?とはいえ、鈍感ですよね。
T:でも、いつも左手が痛いと言っているよね。
G:感覚はちゃんとあって、「自分の手がここにある」という身体イメージ。
G:私は肩の手術で麻酔をしたんですけど、感覚的には体側に手があると思ったら、体の前にあった。麻酔で、手がどこにあるかという情報が抜けた。「ここにある手は誰の手だ?」という感覚だった。奥さんも発症してすぐの頃はそんな感じだったと思う。
T:まだ左手の上に座ってしまうことあるよね?
P:うん。指の上に座って「イタイ、イタイ」と思う。
G:「イタイ、イタイ」と思って、あれ手はどこだと思う。手の情報が密に上がって来ない。
G:普通だったら、袖に手が入りそうになったら自動的に行くんです。
G:そう、そう。だいぶスッと入るようになってきた。
G:上腕三頭筋は使えるけど、上腕二頭筋は上手く使えない。
T:上腕三頭筋が使えるから肘が伸展する?
G:上腕二頭筋は肘が90°以上曲がってないと使えない。
T:なぜ使えないのです?
G:1番収縮しやすい角度がある。
T:角度によって(鈍角)上腕三頭筋が優位になるんですね。
G:筋肉の長さの問題。肘の角度によって、上腕三頭筋、上腕二頭筋、それぞれパワーの出しやすい角度がある。
G:上腕二頭筋の力が入る(筋肉の)幅は短い。個別に力を(上腕二頭筋に)入れているというよりも、全身的にグッと力を強めると、ここ(上腕二頭筋)に電気が漏れてくる、そんな感じ。個別コントロールではない。でも、ここ(上腕二頭筋)に電気が来るのが必要。勝手に電位が入りっぱなしになると曲がった腕になってしまう。そういう人いますよね。電気が常時流れてしまっている人。制御できない状態。
G:奥さんの場合、ベースの電圧が低い。
G:肘を伸ばそうとして上腕三頭筋には。力は入る。手を動かしている情報を脳に入れる。
T:動かしてるうちに、手の動きのイメージが脳に入って行くのですか?
G:そう。ちょっとでも肘が曲がればいいんですけどね。肘曲げようとすると上腕三頭筋が優位に働いて逆に肘が伸びてしまう。
G:回外している時は上腕二頭筋で肘を曲げようとする。中間位だと腕橈骨筋を使う。回内位にすると、あまり上腕二頭筋は動かない。
※「力こぶ」ができるのは上腕二頭筋らしい。上腕二頭筋は肩関節と肘関節を跨ぐ多関節筋に対し、上腕筋は肘関節だけの単関節筋。
G:指の屈筋でも肘は曲がる。じゃ、終わりにします。お疲れ様でした。


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